タービン流量計

タービン流量計とは

タービン流量計

タービン流量計とは、配管内部に設置した羽根車の回転を基に流量を測定する流量計です。

基本的には液体に適用する場合が多いです。主に産業やプロセス制御の分野で使用されます。タービン流量計は一般的に高い測定精度を持つ点が特徴です。特に中程度から高い流量範囲で優れた性能を発揮します。

また、流量計の最小および最大流量範囲は比較的広く、さまざまな流量条件で使用可能です。一般的に耐久性があり、長寿命です。多くのモデルは、さまざまな種類の流体や環境条件に対して耐久性を持っており、長期間にわたって正確な測定を提供します。

ただし、粘性の高い流体や固形物を含む流体には適していません。これは、タービンの回転子が固着したり、正確な測定が妨げられたりする可能性があるためです。また、大流量の製品は重量が大きくなる場合があります。

タービン流量計の使用用途

タービン流量計は、さまざまな産業や分野で使用されます。以下はタービン流量計の使用用途一例です。

1. 石油業界

タービン流量計は石油や天然ガスの流通および精製プロセスで広く使用されています。タービン流量計の高精度な特徴から、取引などに使用されることが多いです。

原油の計量には、パイプラインやターミナルでの流量計測が重要です。また、ガスパイプラインやガスメータリングステーションでのガスの流量測定もタービン流量計が使用される典型的な用途です。さらに、石油精製プロセスでの流体の計量や制御にも利用されます。

2. 食品・飲料業界

タービン流量計は、食品加工や飲料製造において重要な役割を果たす流量計です。飲料製造業では、飲料製品の充填ラインでの流量計測が行われます。

また、食品加工においては、液体や食品原料の計量や混合プロセスの制御にも使用されます。さらに、食品添加剤の投入プロセスなどでもタービン流量計が利用されることも多いです。

3. 冷暖房・空調業界

タービン流量計は、建物や施設の暖房や冷却システムで使用されます。水や冷媒の流量を測定し、適切な熱交換を確保します。これにより、快適な室温やエネルギー効率の向上が可能です。

タービン流量計の原理

タービン流量計は、流路に羽根車を置いて流体の力によって羽根車を回転させる原理です。その回転数から体積流量を算出することができます。

回転速度は、センサーや磁気素子によって検出可能です。タービンに取り付けられたマグネットや反射板が、センサーや磁気素子によって検出されます。

タービンの回転速度は、流体の流量と関連しています。流体の流量が増えるとタービンの回転速度も増加し、逆に流量が減ると回転速度も減少するのが普通です。

なお、回転速度データは、コンピュータや表示装置に送信されます。コンピュータは回転速度データを流量に変換し、必要に応じて合計化や制御処理を行う装置です。また、表示装置では流量値が表示されます。

タービン流量計の種類

タービン流量計は羽根車の形式から、大きく分けて軸流羽根車式と接線流羽根車式の2つがあります。

1. 軸流羽根車式

流体が軸方向に、タービンの羽根を通過する構造を持つタービン流量計です。タービンの羽根は軸周りに回転するため、流体の速度ベクトルとほぼ平行な方向に力を受けます。軸流羽根車式は一般に小型であり、高い測定精度と応答性が特徴です。

2. 接線流羽根車式

タービンの羽根車が円弧状に配置されており、流体は羽根車に対して接線方向に流れるタービン流量計です。この構造により、流体の運動エネルギーが羽根車に伝わり、回転力が発生します。接線流羽根車式は高い流量範囲で使用されることが多く、堅牢で耐久性がある点が特徴です。

流体がタービンの羽根車を通ると、接線方向の速度成分により羽根車が回転します。回転速度は流体の流量に比例し、回転速度の測定によって流量を計測します。接線流羽根車式では、一般的に光センサーやホール効果センサーによって回転速度を検出することが多いです。

参考文献
https://www.oval.co.jp/products/turbine_index.html
https://www.tokyokeiso.co.jp/techinfo/magazine/pdf/flow10.pdf
https://www.jp.endress.com/

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