ロイシン

ロイシンとは

ロイシンの構造

図1. ロイシンの構造

ロイシンは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一つです。本化合物は側鎖にイソブチル基を有するため、高い疎水性を示します。その構造上の特徴から、バリン、イソロイシンと共に分岐鎖アミノ酸(BCAA)に分類されます。光学活性な化合物でありL体とD体が存在しますが、タンパク質構成アミノ酸としてのロイシンはL体です。

ヒトはロイシンを体内で合成することができないことから必須アミノ酸に分類されます。そのため、食事などで外部から摂取する必要があります。

L-ロイシンの物理化学的諸性質

1. 名称

和名:L-ロイシン
英名:L-Leucine
IUPAC名:(2S)-2-amino-4-methylpentanoic acid
3文字略号:Leu
1文字略号:L

2. 分子式

C6H13NO2

3. 分子量

131.17

4.構造式

図1の通り。

5.融点

293~295℃(分解)

6. 溶媒溶解性

水にやや溶けやすく、エタノールに難溶である。

7. 味

わずかな苦味

ロイシンの効果・効能と使用用途

ロイシンは、その構造上の特徴から分岐鎖アミノ酸(BCAA; Branched Chain Amino Acid)に分類されます。BCAAには3種類のアミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)があり、これらのアミノ酸は筋繊維を構成するタンパク質の主成分であるため、筋肉を強化する効果が期待されます。また、ロイシンには、タンパク質合成に必要な酵素複合体を活性化する働きがあり、筋タンパク質合成を誘導することがわかっています。このような特徴から、ロイシンをはじめとするBCAAは、筋力トレーニング用のサプリメントとして広く用いられています。

また、ロイシンには肝機能の向上、ストレス緩和、耐糖能の改善、インスリン感受性の向上、育毛といった効果が報告されており、アミノ酸補給を目的とした医薬品や、食品添加物としても利用されています。

ロイシンの摂取量と疾患の関係

ロイシンは幅広い食物に含まれます。そのため、通常の食生活で不足することは、ほとんどの場合ありません。ただし、不足した場合には肝機能の低下とそれに続くインスリン分泌量の減少などのリスクが示唆されています。
また、過剰に摂取した場合は、他のアミノ酸とのバランスが崩れ、免疫力の低下などの弊害を招く可能性があります。

ロイシンが多く含まれる食品

レバー、マグロ、アジ、鶏むね肉、乳製品、大豆製品、たまご、ヨーグルトなどに多く含まれます。

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