キサンタンガムとは
キサンタンガム(xanthan gum)は多糖類の一つであり、その中でもでんぷんや砂糖溶液中で天然発酵によって作られる「バイオガム」に分類される物質です。グルコースの主鎖に、マンノース、グルクロン酸からなる側鎖が付いた繰り返し単位からなる温水、冷水に可溶な物質です。
このキサンタンガムは、添加量によって様々な粘度を作り出せることから増粘剤の中では最も扱いやすいものの1つとして知られています。
また、耐熱性・耐酸性・耐塩性・冷凍解凍耐性があり、さまざまな条件に対応できる性質を持ってるのも特徴です。しかし、天然物から作られるため、ロットによって粘度にブレが出てしまうことがデメリットとして挙げられています
キサンタンガムの使用用途
キサンタンガムは、増粘剤の1種ですが、単純な増粘目的とゲル化目的の2種類で使用されることがあります。天然発酵から作られる物質のため、合成物質よりも安全性が高く食品、化粧品などにもよく使われています。
増粘目的の場合、キサンタンガム単体で添加することによって、とろみを付けに利用されています。
ゲル化目的においては、ローストビーンガムなどと併用することで、ゲルを形成します。相乗的に増粘させることも可能なので増粘剤同士の組み合わせも重要になります。
キサンタンガム溶液の性質
キサンタンガム溶液は擬塑性流動という性質をもつ非ニュートン流体です。擬塑性流動とは、力を加えると粘度が低くなり、力を加えないで置いておいた状態では粘度が高くなる性質の事を言います。この性質はマヨネーズやケチャップなどチューブ容器に入った食品の多くがこの性質を持ちます。