印字機

印字機とは

印字機とは、様々な物の製造ラインにおいて製品や容器や外箱に製造番号や製造年月日などの情報を印字するために使われる、本体と印字用のヘッドが分離したプリンターです。

工場で生産される製品やその外箱、容器などには、製品固有の情報を印字した部分があります。それには製造年月日や製造ロット番号などがあり、食品の場合には消費期限や賞味期限が印字されています。印字機はこれらの短い情報を印字するのに使用します。小型の印刷ヘッドが本体から分離した形状をしており、様々な形状や大きさを持った製品、容器や外箱に対して、印刷ヘッドを近づけて印刷します。

印刷方式には、インクジェット方式や熱転写方式、レーザー方式などがあります。また、タイプライターや、モールス信号を紙に書き出す機械など、機械的に文字や符号を印字する機器を印字機と言うこともあります。

印字機の使用用途

工場で生産される製品には、製造の最終段階において、その製品の製造に関わる基本情報が製品自体か個別の容器や外箱に印字されます。その内容は様々ですが、製造年月日、製造ロットナンバー、製造場所などがあり、製品が食料品の場合には、消費期限または賞味期限が必ず含まれます。

これらの情報は製品の素性を明らかにして品質管理等に使用されます。例えば、市場に出回った製品に不良品が見つかった場合には、同一のロットナンバーの製品の回収を行うなどの措置が取られます。

例えば牛乳などの紙パックに入った飲料であれば、最上部に「賞味期限」と印刷された横に、具体的な年月日が印字機で印字されています。また、袋詰めの食品や菓子類では、印刷されたラベルのどこかの場所に、賞味期限が印字されています。

食品以外の製品にも、どこかにそのトレーサビリティーを持たせるための情報が印字されています。この場合、その情報は誰が見てもすぐにわかる内容である場合もあれば、暗号化された文字列の場合や、バーコードで印字されている場合等、様々です。

今日ではあらゆる製造分野で個別製品毎に必要な情報を印字しています。従って印字機は、食品、飲料水、薬品、化粧品、トイレタリー用品などの生活関連分野や、電子部品、自動車部品などの産業機器分野などで広く使用されています。

印字機の原理

印字機は、コンピュータから送られてくる電気信号を受けて、ものの表面に文字や図形を描きます。これは一般の事務用のプリンターと変わりません。

対象物が製造ラインを流れる製品や容器や外箱である為に、印字ヘッドが本体から離れています。印字ヘッドと本体は、ケーブルやインクを送るチューブでつながっています。印字ヘッドを印字対象の製品が流れて来る近傍に固定したり、可動式のロボットアームに取り付けるなどして、対象の製品の印字部分に印字ヘッドを近づけて印字を行います。ほとんどの製造ラインでは、この印字作業は製造の一環として工程に組み込まれており、自動的に進められます。

印字の方式は、対象物の材質や形状に応じて使い分けらてれます。インクジェット方式が最も多く使われていますが、熱転写方式やレーザー方式もあります。平板の紙に印刷するのとは異なるので、印字ヘッドから印刷対象物には少し距離があります。

なお、同じ役割をする産業機器にマーカー機器があります。レーザーマーカーなどが広く普及していますが、マーカーを印字機に含める場合もあります。

印字機の種類

1. インクジェット方式

最も多く使われている印字方式です。印刷対象となる製品や梱包材の材質にあったインクを選択することで、紙、段ボール、ビニールなど幅広い対象物に使用されます。印字ヘッドが他と切り離された構造なので、大容量のインクタンクを備えており、インクの補充の頻度が減ります。これにより、高速に多量の製品が流れて来る製造現場での使用に適しています。

2. 熱転写方式

サーマルプリンタは熱転写型のリボンを印字対象物に当てながら、熱を加えて印字を行います。インクや溶剤を使わないので、食品包装用のフィルムに製造年月日や賞味期限などを印字するのに適しています。

3. レーザー方式

インクやインクラベルを使わずに、レーザー光を対象物にあてて、その部分を変色させて印字を行ってゆきます。事務用のレーザープリンターの、トナーを使った印字方式とは異なります。印字対象は、紙の他、フィルムや、ペットボトルの本体、キャップなどと様々です。インクの交換の必要がないことと、印字した文字が消えにくいことが利点です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です