真空ゲートバルブとは
主に真空設備や半導体製造設備などで、複数の真空室同士や真空室と大気側環境を仕切る為の弁体です。
ゲートバルブには様々な開閉タイプや開閉動力、弁体構造があり、弁体を挟んでどの様な圧力差が生じるか、開閉速度や開閉時のゴミや塵の発生レベル、耐熱性、耐化学性などを考慮して選定します。 直径数十ミリの小型の物から、フラットパネルディスプレイ生産設備に用いられる幅数メートルの大型のものまで、幅広いサイズが存在します。
真空ゲートバルブの使用用途
複数の真空室同士を仕切る場合や、大気側と真空室を仕切る目的で用いられます。 この場合は、ある真空室を常に真空状態に保ちながら、内在する処理物を他の真空室へ搬送する際や、大気側との出し入れの際に仕切る役割を果たします。
その他に真空室より排気されるガスの流量を調整する為の弁としても用いられ、その場合は開弁率を調節しながら排気速度を調節します。流量調整弁として用いる場合は開閉速度の早いバタフライ式が用いられます。
真空ゲートバルブの原理
真空ゲートバルブは弁体や開閉構造により多数のバリエーションがあります、 弁体の素材はステンレス製又はアルミ製が主流で、開閉動力は手動式、電動式、圧縮空気によるエアー式が挙げられます。 弁体には真空室の気密性を維持する為にOリングやシール材などが備わっており、高温管理されている真空室と同温とする為にヒータを内蔵した製品もあります。
- 昇降型ゲートバルブ
最も一般的なタイプで、弁体が上下する事で開閉します。小型の物は上昇の1アクションで気密までを得ますが、大型の製品では 上昇→押しつけ の2アクションをとる事が多いです。
弁体の両側が真空となる為、ハウジングにもOリングなどの機密構造を持ちます。 弁体は角型と丸形があります。 - ドアーバルブ
大気側と真空室を仕切るバルブをドアーバルブと言います。昇降型ゲートバルブと似ていますが、一方が大気圧の為ハウジングを持たず、弁体を真空室に押し当て気密を取ります。 - 振り子式ゲートバルブ
丸形の弁体を持ち、弁体が振り子の様に動く事で開閉します。 コンパクトさが特徴で、摺動部が少ない事から低発塵というメリットもあります。