油圧プーラーとは
油圧プーラーとは、油圧の力でギアやベアリングを外すために使う工具のことです。
ギアプーラーやベアリングプーラーは、ねじの力でギア、もしくはベアリングを引き抜きますが、油圧プーラーは、さらに強い油圧を使います。
とくに、焼き嵌めで組付けられたベアリングを取り外すときに必要になります。ねじ式のプーラーでは外せなかった、錆びたり焼き付いたりした、ギアやプーリーなども取り外しが可能なため、最終手段として用いられることもあります。
油圧プーラーの使い方
油圧プーラーは、基本的にはギアプーラーやベアリングプーラーと同じく、対象物に爪を引っかけて、引き抜く形で使用します。ただし、軸に当てる部分に油圧シリンダを使います。
油圧プーラーに爪を対象物に引っ掛けた状態で、油圧シリンダーのロッドを軸に当てます。そして、油圧シリンダーに手動の油圧ポンプで油を送ります。油圧ポンプのハンドルは、てこの原理によって、手で加えた何倍もの力が作動油に加わり、強い圧力となって油圧シリンダーを前進させます。油圧シリンダーが前進するたびに、対象物が引き抜かれていきます。
油圧プーラーの選び方
油圧プーラーにはいくつかの種類があります。大きな違いといえば、油圧シリンダーの取り付け方式にあります。ここでは、それぞれの長所、短所を紹介します。
- 直接取り付けタイプ
押し出し部に、油圧シリンダーが直接取り付けられたタイプです。加圧するためのハンドポンプは、シリンダに直結したタイプが多く存在します。本体に直接ハンドポンプが取り付けられているため、あまり多きなハンドポンプは使えず、押し出す力も、やや小さくなります。 - 送りねじ下部タイプ
押し当てのための、送りねじ下部に、油圧シリンダーが取り付けられたタイプです。油圧シリンダーの先端を軸に当てる際、ねじによって近づけることで、素早くセットすることができます。ハンドポンプはホースでつなぐタイプが多く存在します。ハンドポンプを別置きにできるため、サイズを大きくすることができます。したがって、送り出す油圧も大きくなり、非常に強力な力でギアやベアリングを引き抜くことが可能です。