磁気ボール盤とは
本体底面に強力な磁石が内蔵されていて、電源を入れると磁気ボール盤本体が磁力で鋼材に固定されます。磁石で本体を固定するため、鋼材以外の材料に取り付けることができません。
磁気ボール盤には、穴開け作業が全自動で行えるものと、手動タイプの2種類があります。全自動タイプは手動に切り替え可能です。
磁気ボール盤は持ち運びができ、一般的な電気ドリルより作業速度が速いため、大型機械で作業することのできない建築現場などでの穴開け作業に使用されています。
磁気ボール盤の使い方
磁気ボール盤本体を作業場所まで移動し、材料の加工場所で位置決めをします。
磁石スイッチを入れ、所定の位置でマグネットを吸着させます。このとき、マグネット表面に錆や異物が付着していると吸着力が弱くなるため、マグネット表面はきれいにしておきます。
ドリルスイッチを入れて送りハンドルをゆっくり動かし、ドリルの先を材料に当て、さらに力を加えて穴開け作業を行います。ドリルが材料を突き抜けるときは、ドリルにかかる抵抗が大きくなるため、送りハンドルにかける力を弱めます。穴開けが終わってもドリルのスイッチは切らず、ドリルを完全に引き戻してからスイッチを切りモーターを停止します。
全自動タイプの磁気ボール盤の場合は、ドリルのスイッチを入れると自動的にドリルが送られ、穴開けが終了するとドリルは自動的に戻ります。
磁気ボール盤の選び方
磁気ボール盤を選ぶときは、まず穴開け能力(穴開けサイズ・最大板厚)を考慮します。
ドリルやスチールコアは交換ができ、さまざまなサイズの穴を開けることができますが、最小穴開けサイズと最大穴開けサイズを確認する必要があります。また、最大板厚は穴開けが可能な鋼材の厚さです。加工する鋼材の厚さの最大値で選択するとよいでしょう。
磁気ボール盤のスペックとしては、他にもドリルやスチールコアが下がる長さの最大値である最大ストローク、モーターの無負荷回転数、マグネットの吸引力を表す最大磁力、ドリルの最大錐推力、マグネットで固定後に本体を移動させることができる移動量などがあります。穴開け作業を行う現場の状況に合わせて、これらのスペックを選択します。
また、磁気ボール盤には、全自動タイプと手動タイプ、電源コード付とコードレスタイプなどさまざまな種類があります。磁気ボール盤のタイプも作業現場に合わせて選択するとよいでしょう。
磁気ボール盤のサイズや重量も、現場の状況に合わせて選択するのが望ましいですが、磁気ボール盤のサイズや重量は、穴開け能力と連動している場合もあるため、双方を考慮する必要があります。