はつりハンマ―とは
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はつりハンマーとは、コンクリートを叩き破壊するためなどに用いられる工具です。
電動ハンマーや電動ピックなどとも呼ばれ、英語ではchipping (チッピング) やbreak up (ブレイクアップ) と呼ばれています。一般的にはコンクリートに対して用いられるイメージが強いですが、先端工具を付け替えることにより管の打ち込みや土掘り、塗装の剥がしなど広い用途に用いることができます。
はつりハンマ―は、電動ドリルなどの工具で歯が立たない固いコンクリート構造物などでも、強力な打撃で破壊することができるため、建設現場などでは欠かせない工具です。
はつりハンマ―の使用用途
はつりハンマーは、コンクリートに打撃を与えて破壊することに適しており、主に道路工事や電気工事などで使用されます。
具体的な使用例は以下の通りです。
- 道路の表面を削る作業
- コンクリート構造物の取り壊し
- コンセント用の穴あけ作業
- 造園工事での地面の掘削
- 石材の加工
- タイルやレンガの取り外し作業
はつりハンマ―の構造
はつりハンマ―は、本体とブルポイントやチゼルと呼ばれる刃で構成され、通常電気で駆動します。人がノミをハンマーで叩くのと同じ原理で、先端に付いている刃を押しつけ、強い力で打撃することで、固いコンクリートや石材などを破壊します。
はつりハンマ―には、低振動機構を備えたものもあり、振動を抑制することで、作業者の負担を軽減し白蝋病を予防します。
はつりハンマ―の選び方
はつりハンマーを選ぶ際に気を付けることは、以下の通りです。
1. 軸の規格
はつりハンマーで使用する先端工具の軸をシャンクと呼び、製品により形状が異なります。六角軸は、軸の形状が六角になっいて、サイズは4~30mm まであります。軸の途中に凹みがありしっかり固定されるため、スリップすることがなく安定した作業が可能です。
SDS-MAX軸 (直径18mm) とSDSプラス軸 (直径10mm) は、ボッシュによって開発された規格です。SDSマックス軸は中・大型のタイプに使われることが多く、頑丈かつパワーロスの少ない規格です。SDSプラス軸は小型から大型まで幅広く、こちらもパワーロスが少なく最近の主流の規格です。
シャンクの形状が違うと、本体に取り付けすることができないため、購入する際は事前に確認する必要があります。
2. 打撃力
はつりハンマーの打撃力は製品によって異なり、6 J程度の軽いものから70 J程度の重いものまで広く存在します。一般的にサイズが大きく打撃力の強い製品を使う場合は取り扱いが難しく、また使用に伴う疲労も大きくなるため、目的に応じた打撃力を持つ製品を選ぶことが推奨されます。
3. 動力源
電源式のものとバッテリー式のものがあります。はつりハンマーは消費する電力が大きい工具のため、十分な打撃力を出そうとすれば充電は15分程度しか持ちません。長時間使用する場合は、電源式を選ぶことが推奨されます。
はつりハンマ―のその他情報
はつりハンマ―を操作する際の注意事項
- 作業する時は、目を保護するための保護メガネを着用し、顔を上にして作業するときは、防塵マスクを着用する必要があります。また、はつり作業で大きな音が発生する場合は、必要に応じ耳栓や耳覆 (イヤマフ) などの防音保護具を着用します。
- 現場に接続されている電源が、電動ハンマーの銘板と一致しているか確認する必要があります。表示を超える電圧で使用した場合、速度が異常に速くなり、怪我の原因になります。
- 作業中の感電を防ぐため、身体をアースされているものへ接触させないよう、注意する必要があります。
- 壁、天井、床に穴を開けるときは、事前にケーブルやパイプが埋まっていることを確認する必要があります。
- ダブダブの服やネックレスなどは工具に巻きこまれる恐れがあります。作業時はきちんとした服装で作業することで事故を予防します。