ピンバイスとは
ピンバイスとは、細いドリルがついた工具です。
一般的なドリルよりも小さな穴をあけられ、プラスチック材料などに用いられることが多いです。また、固定タイプと交換タイプがあり、固定タイプではドリル刃の付け替えはできません。
しかし、交換タイプでは製品に取り付けるドリル刃によって、あけられる穴のサイズが変更可能です。そのため、さまざまな種類の穴をあけたい場合は、交換タイプの使用が推奨されます。
ピンバイスの使用用途
ピンバイスは、プラモデルやミニ四駆などのホビー関連、ビーズや数珠などのアクセサリー関連、基板などの精密部品関連、DIYでよく使われます。プラスチックだけでなく、木材や琥珀、蜜ろうなど、さまざまな材料に対して、おおむね0.1mm〜3mmの小さな穴をあけることが可能です。
ただし、鋼や鉄などの硬い金属には使えません。ピンバイスのドリル刃は細いため、強引に用いると刃が折れて危険です。
ピンバイスの原理
ピンバイスは、ドリルの先端を材料に当て、人差し指と親指で回転させることにより穴をあけられます。ただし、垂直方向に力を入れすぎないことに注意が必要です。
力をこめすぎると材料の破損につながり、破片の飛散などの事故が生じることもあります。また、交換タイプのピンバイスを使用する際は、ドリル刃がしっかりと本体に固定されていることを確認したうえで使用することが大切です。
特に大きなドリル刃を用いる際は、固定が甘くなるケースがあります。
ピンバイスの種類
ピンバイスは、以下のような種類があります。
1. 交換タイプ / 固定タイプ
ピンバイスは、ドリル刃を交換できるタイプと、ドリル刃が固定されているタイプの2タイプがあります。さまざまなサイズの穴をあけたい場合は、刃を交換できたほうがコストがかからず、省スペースです。
ドリル刃を取り付けるところはコレットチャックと呼ばれる機構になっています。コレットチャックも、ドリルの軸の太さに応じて交換します。
一般的に大きいドリル刃は、固定する際にガタつくことがあるため、2mm以上の大きい穴をあける必要があるときは、固定式のピンバイスのほうが使い勝手が良いです。
2. 手動タイプ / 電動タイプ
ピンバイスは手動タイプが一般的ですが、電動タイプもあります。手動タイプは本体サイズが小さいため、細かいところや奥まったところでも穴あけができます。
力加減を調整しやすく、慎重に作業ができるのもメリットです。電動タイプは力を入れる必要がないため、効率的に穴をあけられます。穴あけ箇所が多くても、スピーディーに作業できて疲れにくいのが特徴です。
3. 片頭タイプ / 両頭タイプ
交換タイプのピンバイスは、さらに片頭タイプと両頭タイプがあります。片頭タイプは装着できるドリル刃が1本のみ、両頭タイプは2本装着できます。
一般的によく使用されているのは、片頭タイプです。作業効率を上げたい場合に両頭タイプを使えば、刃を交換する手間を減らせます。
ピンバイスの選び方
ピンバイスの選ぶ際は、以下の3点を考慮します。
1. ドリル刃の対応サイズ
ドリル刃を取り付けるコレットチャックは、ドリルの軸の太さによって対応できる幅が異なります。そのため、使いたいドリル刃に対応しているピンバイスを選ぶ必要があります。
さまざまなサイズの穴をあけたい場合は、コレットチャックを複数サイズ備えているピンバイスを選ぶと便利です。
2. 本体のサイズ
ピンバイスは、本体のサイズも大小あります。とくに手の小さい方は、小さめのピンバイスを選んだほうが使い勝手が良いです。大きいサイズは手のひらに収まりにくく、ドリルがブレたり、回しづらかったりします。
3. グリップの素材
一般的にピンバイスのグリップは金属製が多いですが、ラバー製もあります。ラバー製のほうが滑りにくいため、安全かつ効率的に作業できます。