スペーサ

スペーサとは

スペーサ

スペーサ (英: Spacer) とは、モノとモノの間に挟み空間を開け、モノの高さを調整するための器具・治具です。

機械設備や製品の内部にある固定部や可動部、器具、金型などの間に挟んだり、高さを変動させたい部分に固定したりして使用します。スペーサは、使用用途や使用環境に応じたサイズや厚みの違いにより、多岐に渡る種類が存在します。

材質や長さの違いによる既製品が主であり、さまざまな製品に汎用可能です。材質は金属製・樹脂製の2種類で、絶縁性や耐熱性、耐薬品などの用途に応じて最適なものを選定する必要があります。

スペーサの使用用途

スペーサは、製造業において製品や生産設備、金型など、モノとモノの間にはさんで空間を開けるために使用されます。多くの業界で用いられており、自動車・航空機・工作機械・産業用機械・電子機器・医療機器など、使用される分野は非常に幅広いです。

身近な製品では、パソコン内部の電子機器や基盤などのパーツを高い位置に配置するために使用されています。空間を作って部品収納をアップし、通風性を確保するのが目的です。

その他、プレス金型や生産設備設置時、位置決めやストローク調整のための固定部取り付け位置調整など、高さを調整する部位にも使われます。

スペーサの種類

スペーサは形状によって分類され、代表的な種類は以下の通りです。

1. ネジスペーサ

ネジスペーサーは、ネジ機能が付いており、ネジスペーサの構造は円筒や多角柱形状でネジ部 (オスねじ) やネジ穴 (めねじ) が付いた構造です。レンチスパナで簡単に固定できるため、六角形状の六角スペーサーを頻繁に使用します。

また、電子機器や制御装置などの内部にあるプリント基板の取付け用として使用される場合も多いです。基板を保持しつつスペーサで隙間を確保し、使用される部品の配置高さを調整し、ネジ部で固定、締結する機能を持ちます。

2. ワッシャー

ワッシャーは、部品へのねじの食い込み防止を目的として、部品と部品の間に数枚ワッシャーを挟んで高さ調整をしたり、ネジスペーサと組み合わせたりして使用されます。また、部品と部品の間にも隙間を確保したい場合には、必要な隙間になる複数枚のワッシャーを挟むことで、簡易的に必要な隙間を作ることが可能です。

3. 中空スペーサ

中空スペーサは、中央が丸く空いている円筒形状のスペーサーで、ネジ機能がないスペーサです。軸回り部品などの回転体など、回転する機械要素の部分に使用されます。ネジスペーサーの代わりに、製品をより軽量化したいときにも使用可能です。

4. シムスペーサ

シムスペーサは、ワッシャーよりも薄い隙間の高さを調整するときに使います。一時的に何枚かシムスペーサを挟んで調整し、固定した後は容易に取り外すことも可能です。寸法精度はミクロン単位の厚さになっており、高精度な高さ調整ができるスペーサです。

5. ホイールスペーサ

ホイールスペーサは、円盤状の形状をしたスペーサのことで、自動車に使われるタイヤのハブとホイールの高さを調整したいときに使われます。ホイールスペーサを間に挟むことで、スペーサーの幅の分だけホイールが現行の位置より車体外側にせり出します。

車体表面とホイールの面を同じ位置に揃えたいときに使用される場合が多いです。ホイールスペーサは軽量性を必要とするため、アルミの合金が材質としてよく頻繁に用いられます。ホイールスペーサーは数ミリのものから幅広くラインナップされており、選択の幅もあり使い勝手が良いです。

スペーサの材質

スペーサの材質は、2種類に分類することができます。材質によってスペーサの特徴が異なるため、用途に応じて適切な選定が必要です。

1. 金属製スペーサ

金属製の材料を用いて厚みや形状の違いにより、生産設備、治具、プレス金型の高さやクリアランス、部品間の位置や間隔を微調整するために用いられます。使用される主な材質は、鉄・ステンレス・アルミニウムなどです。

表面仕上げとして、メッキや熱処理など表面加工されたスペーサも挙げられます。金属製であるため、剛性が強く頑丈であるという点がメリットです。

2. 樹脂製スペーサ

樹脂製の材料を用いて厚みや形状の違いにより生産設備、治具、プレス金型の高さやクリアランス、部品間の位置や間隔を微調整するために用いられます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/el_wire/E1417000000/E1417010000/
https://hirosugi.co.jp/products/shape/metal_spacer.html

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