補修剤

補修剤とは

補修剤

補修剤とは衝撃や疲労、経年劣化等によって生じた建造物のひび割れ、隙間等を埋め、防水性能や強度を維持することを目的として使用する製品です。

補修剤は接着剤の一種であり、補修剤をひび割れや穴の部分に注入して空気に触れさせる、あるいは主剤と硬化剤を混ぜ合わせることにより、穴埋め及び強度の補修が可能です。しかし、使用後に穴開けや塗装等を行うことを想定し、接着目的のものよりも硬化後の柔軟性を求めているものも多く存在します。

補修剤の使用用途

補修剤は建造物や機械の補修に幅広く使用されています。

コンクリートやプラスティック、金属等に発生したひび割れや設計上の間隙は美観を損ね、また強度の低下や漏水等を引き起こすため、早急な修理が必要です。

補修剤を対象面に注入して使用することにより、事後保全として失われた美観や機能を回復させ、また、水分や他の劣化因子の侵入による劣化の進行を予防することが可能です。

また、劣化がより進んだ対象面に関しては間隙部分への注入を行わず、表面のみをシーリングする方法が取られることもあります。

補修剤の原理

補修剤はシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が空気中の水分、もしくはポリアミン、ポリアミドと反応して硬化する原理を利用しています。

シリコーン樹脂の場合、表面にアルコキシ基が存在しますが、環境中の水分と加水分解を起こし、架橋されることによってゴム弾性体となります。また、エポキシ樹脂の場合もポリアミン、ポリアミドと分子中のエポキシ基が反応して架橋構造が生まれますが、分子中に強固なアミド結合が生まれるため、より接着力が強く、硬くなります。

車両や建造物の修理等で補修剤に強度を求める場合はエポキシ樹脂のような結合の強いものが適していますが、プラスティック面への使用や補修後の加工には適していません。一方、対象面への密着や柔らかい材質使用が求められる場合には弾性に優れたシリコーン樹脂が適しています。

また、シリコーン樹脂を改良したものとして分子中のメチル基の一部を官能基に置き換えた変性シリコーン樹脂が挙げられ、塗装面への使用が可能であること、より柔軟性に富んでいるため外壁等で用いられています。

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