ホースクランプとは
ホースクランプとは、図1に示すようなゴムホースなどの配管や継手などの接続部分を固定するために使用するリング状の金属製の部品です。
ホースクランクやホースバンドとも呼ばれており、様々な工業機械に利用されています。
図1. ホースクランプの使用状態模式図
ホースクランプの構造
ホースクランプにはネジで締め付けて使用するネジ式と、ホースクランプ自体のばねの力で締め付けて使用するばね式があります。
1. ネジ式ホースクランプ
ネジ式のホースクランプには、ワイヤー式とウォーム式があります。
ネジ式のホースクランプのうち、ワイヤー式は、図2に示すような構造を有しており、リングに締め付け板がついていて、ボルトを締めるとリング全体も締まる構造です。
図2. ワイヤー式ホースクランプの模式図
また、ネジ式のホースクランプのうち、ウォーム式は、リング表面にコマが設けられております。
図3に示すように、ウォームネジを締めると、バンドの刻みとウォームねじと一体化して移動するカシメ部材が噛み合ってオレンジの矢印のようにリング外周を移動し、バンドが引き込まれて締め付けられる構造です。
図3. ウォーム式ホースクランプの模式図
ネジの力で強く締め付けることができるので、ホースクランプの径を大きく、幅を広くしても確実にホースを固定することが可能です。
2. ばね式ホースクランプ
ばね式のホースクランプには、ワイヤー式とプレート式があります。
ワイヤー式のばね式ホースクランプは、図4に示すように、ワイヤー一本をクランプ形状に湾曲させた構造です。
図4. ワイヤー式のばね式ホースクランプの模式図
ホースを挟み込む際には、黄緑の矢印の方向に広げ、オレンジの矢印で示すワイヤーが元の形に戻ろうとする力でクランプする為、軽い力でホースなどを固定できます。
プレート式ホースクランプは、プレートをクランプ形状に湾曲させた構造で、ワイヤー式と同様にプレートが元の形状に戻ろうとする力でクランプします。
プレートが一重のシングル式以外にプレート部分が二重になっているダブル式もあり、シングル式よりもダブル式の方が締め付ける力が強力です。
プレート式ホースクランプでは、サイズが大きくなるにつればねの反力も強く取り扱いが難しくなるため、ホースクランプの径や幅の範囲は規格で決まっています。
ホースクランプのその他情報
ホースクランプの材質
ホースクランプは最初に述べた様に、金属、特に耐腐食性の高い金属よりなり、一般的な針金や樹脂製のバンドと比べ、環境による腐食や劣化がかなり抑えられています。
このようなホースクランプの材質は、ステンレスとスチールメッキの2種類です。
スチールメッキ製のホースクランプは安価ですが錆が発生しやすいです。
なので、工場や港などの特殊な環境で使用する場合は、耐腐食性の高いステンレス製のホースクランプが使用されています。
まとめ
このようにホースクランプは、構造(固定方法)や、材質、サイズに多数の種類があります。
使用する環境や取り付けるホースの種類、用途により、適切なホースクランプを選定して使用することが大切です。