ローラコンベヤ

ローラコンベヤとは

ローラコンベヤ

ローラコンベヤ (英: roller conveyor) とは、筒状のローラを進行方向に直角に並べ、搬送物をその上を転がして運ぶ搬送機器です。

通常ものを運ぶ際は、まず荷物を持ち上げるためにかなりの力が必要です。ローラコンベヤを使用すれば、ローラを転がすだけで荷物を移動できるため、荷物の数が多いほど運ぶ時間を短縮できるメリットがあります。

ローラコンベヤの使用用途

ローラコンベヤの使用用途として多いのは、工場など一度に大量生産される場合や物流関係などです。荷物を一定のスピードで運ぶことができることは、運搬作業においてかなりの工数削減になります。

ダンボール箱等硬い製品の搬送に向き、柔らかい物の搬送は困難です。柔らかい物は、ローラとローラの乗り継ぎがうまくいかずローラの下に入り込む可能性があります。

ローラの回転力で荷物を推進させるため、ローラを使わない場合に比べ、作用する摩擦を10%程度に削減できます。さらに、人や機械で運搬するよりも安全に運搬できるため、工場の安全を確保するためにも必要な機器です。

ローラコンベヤの原理

ローラコンベヤの構成要素は、ローラ、軸、軸受、シール装置、フレームなどです。ローラは軸の周りを軽く回転できるように、ボールベアリングなどで支持されます。軸受部にシールを設けることで、使用環境に対応できるようになります。

ローラには、ストレートローラ、溝加工付きローラ、テーパーローラなどがあります。搬送物はローラ2本以上で支持するように、ローラのピッチを選定します。電動駆動のコンベアの駆動方法は、ローラにモーターを内蔵する方式、チェンやベルトでローラを駆動する方式などです。

ローラコンベヤの特徴

1. 電力が不要

フリーコンベアは、駆動用の電力が不要で、低コストのコンベアです。水平設置して手押しで搬送したり、傾斜設置で自重搬送したりします。

2. 材質の種類が多い

ローラの材質は、スチール、アルミニウム、樹脂などがあり、ローラ径・幅・ピッチ・軸受などが選択可能です。軽荷重用から重荷重用まで、形状も直線、曲線があり、駆動は手押し、傾斜自走、電動駆動など用途に応じて自由な設計ができます。

3. 無公害

塗装、表面処理、材質などは、EUの特別有害物質を含まないタイプもあります。環境に配慮したコンベアです。例えば、ローラの表面処理はノンクロム、ベアリングは3価クロメート、フレームは粉体塗装、ボルト・ナットは3価クロメート処理としています。

ローラコンベヤの種類

ローラコンベヤには、フリーコンベヤと駆動コンベヤの2種類があります。大きな違いは、荷物を運ぶための動力をモーターに頼っているか否かです。

ローラコンベヤに使用されるローラは、鉄製、アルミ製、樹脂製など様々な素材できたローラが使用され、運搬する荷物の重さなどによって使い分けられます。

1. フリーコンベヤ

フリーコンベヤは、グラビティコンベヤとも呼ばれます。ローラ滑り台のように重力によってローラを回転させて、荷物を搬送するものです。電力を使用しないため安価で、メンテナンスコストも有利なコンベアです。軽量の搬送物であれば、水平に設置して手押しで運搬することもできます。

コンベアを傾斜させて自走させる場合は、傾斜の角度設定が重要です。搬送物の種類や重量によって傾斜を変えます。例えば、プラスチック箱1~3kgの場合は5cm/m程度、10~30kgの場合は2.5cm/m程度の傾斜にします。また、鉄板で重量が300kgの場合は1.5cm/mの傾斜が適しています。

2. 駆動コンベア

一方、駆動コンベヤは、モーターによってローラを回転させることで荷物を搬送します。どちらのローラコンベヤも安定的に荷物を移動させることができますが、筒状のものを一定の距離に配置してその上をすべることで移動させるため、ローラの隙間に落ちてしまうような細かなものの搬送には不向きです。

コンベアの駆動方法は、チェン駆動、モータ内蔵ローラ、アキュームローラ、Vベルト駆動などです。チェン駆動は、ローラにスプロケットを付け、モータからチェンを使用して駆動する方式で、大きな力を必要とする場合に適します。

モーター内蔵ローラは、ローラ自体が回転するもので、比較的小さい駆動力です。また、アキュームローラは、チェン駆動コンベアの場合、ローラとスプロケットが滑る構造にして、搬送物の渋滞を解消させる方式です。

参考文献
https://www.raku-logi.com/2016/01/561

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