RTD

RTDとは

RTD

RTDは、Resistance Temperature Detectorの略です。温度センサーの一種で、測温抵抗体とも呼ばれます。

RTDは、金属の電気抵抗が温度の上昇に伴い増加する性質を利用した温度センサーで、金属の電気抵抗を測定することで温度を検出します。

RTDの温度検知部分であるRTDエレメントには、白金、ニッケルなど、電気抵抗の温度係数が大きく直線性のいい金属が使われます。金属の抵抗と温度との関連が正確に分かっているため、RTDは精度の高い温度測定が可能です。

RTDの使用用途

RTDは高精度で安定性・再現性に優れた温度センサーであるため、ビルや工場の空調の配管・ダクト・室内の温度測定、太陽光発電の状態監視、半導体工場のクリーンルームや冷蔵庫・冷凍庫、サウナ・プール・温泉、ビニールハウスなどの温度管理、食品の内部温度の測定など、さまざまな分野で使用されています。

特に、電気的ノイズの影響が少ないことから、RTDは工場のモーター、発動機、高電圧機器などの周辺温度の精密測定によく使われます。

RTDの特徴

金属の電気抵抗は、一般的に温度にほぼ比例して変化します。これは、温度が上昇するにつれ金属原子の動きが活発になり、電子が通りにくくなって電気抵抗が大きくなるためです。

RTDはこの原理を利用して温度を測定します。具体的には、RTDに一定の電流を流し、RTDの両端の電位差を測定して、オームの法則(E=IR)から抵抗値を算出し、RTDエレメントに使われている金属の規準抵抗値表から温度を求めます。

RTDの抵抗測定のための導線形式には、2導線式、3導線式、4導線式があり、それぞれ測定回路が異なります。

2導線式は、配線費用が安価ですが、内部の導線抵抗が全て測定抵抗値に加算されるため、抵抗値の低いRTD では測定誤差が大きくなります。

3導線式は、導線抵抗が測定回路のブリッジ両端で相殺されるため、導線抵抗を事実上無視することができ、工業計測用としては最もよく使われます。

4導線式は、電流供給端子と電圧検出端子が別々に存在しているため、導線抵抗の影響を受けることがなく、3導線式よりもさらに精密な測定が可能です。

RTDには、高精度、安定性に優れている、温度に対する感度がよく常温付近の温度測定に適しているなどの長所を持つ反面、高温測定に不向き、内部構造が微細で機械的衝撃や振動に弱いなどの短所もあります。

参考文献
https://hayashidenko.co.jp/about_sensor.html
https://www.watanabe-electric.co.jp/sensor/index.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/thermometry/resistance_bulb.jsp
https://www.jp.omega.com/prodinfo/rtd.html

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