コンベヤチェーン

コンベヤチェーンとは

コンベヤチェーン

コンベヤチェーンとは、主に生産ラインにおいて、製品を搬送するコンベヤの中でも、特にチェーン式のコンベアに使用されている駆動用部品です。

温度や重量搬送、耐久性などに対するスペックが高く、ベルトコンベアでは対応できない難しい場所でも採用されています。コンベアチェーンはスプロケットと呼ばれる歯車形状の部品と噛み合わさって使用されるチェーンです。

モーターと連結したスプロケットが回転すると、コンベアチェーンが駆動して製品が運ばれていきます。

コンベヤチェーンの使用用途

コンベアチェーンは、ベルトコンベアでは対応できない高荷重や高温環境下、高い耐久性が求められる場所で使われるチェーンです。具体例には、以下のようなものがあります。

1. ATC用チェーン/工具ポット

マシニングセンタのように複数のドリルやエンドミルなどの工具を使用する加工機で、工具を格納している装置がATCです。マシニングセンタが特定の工具を呼び出すと、ATCのコンベアチェーンが駆動して、主軸との交換位置に指定の工具を搬送します。

2. ごみ焼却処理用

ごみ焼却設備において、焼却物を焼却炉内に運ぶときにコンベアチェーンが使用されています。高温などの使用環境から、耐摩耗性が高いコンベアチェーンが必要です。

コンベアチェーンの原理

コンベアチェーンはローラチェーンの一種であり、原理も同じです。ローラチェーンは短いプレート同士をピンで連結し、外周にあるローラがチェーンを駆動するスプロケットと嵌合します。ピンとローラの間にはブッシュがあり、滑り軸受としてローラとピンとの摺動の際に荷重を受けながら、滑らかに動作させる役割を担う部品です。

プレートは外プレートと内プレートの2種類があり、それぞれ交互に連結されています。ピンはプレートとしまりばめで固定されていたり、Tピンで固定されているものもあります。

コンベアチェーンの構造

コンベアチェーンは以下の部品から構成されています。

1. プレート

スプロケットが回転したときに、実際に張力がかかるのが、外プレートと内プレートです。そのため、衝撃荷重に対する強靭性と耐疲労性が得られる構成になっています。

2. ピン

チェーンがローラーで折り返しして屈曲したときに、チェーンにかかる荷重を支える部品です。ピンは軸受け部品として、強力な抗剪断力と耐摩耗性が必要となります。

3. ブシュ

チェーンとスプロケットの接触時の衝撃を受けます。軸受部として、強靭性と耐摩耗性が必要な部品です。

4. ローラ

チェーンとスプロケットが接触するときに発生する衝撃をやわらげます。ローラは衝撃に対する耐摩耗性が必要です。

コンベアチェーンの種類

コンベアチェーンには、形状によっていくつかに分類できます。

1. Rローラ形

ローラの外径がプレートの幅よりも大きいタイプです。コンベアチェーンの基本形であり、汎用性が高いのが特徴です。主にスラットコンベア、パレットコンベア、フライトコンベアに用いられます。

2. Fローラ形

Rローラ形にガイドレールの案内になるフランジを追加したものです。フランジによって横振れが防止されます。すらっとコンベアや傾斜バケットコンベア、パンコンベアに用いられます。

3. S・M・Nローラ形

いずれもスプロケットとの噛み合う際に、衝撃や摩耗を緩和する効果があります。3つの違いはローラ外径の大きさです。

Sローラ形のローラ外径はプレート幅よりも小さいもの、Mローラ形はローラ外径はSローラよりもやや大きいもの、Nローラ形はローラ外径をMローラ外径と同じのまま、ピン径を大きくすることによって強度を高めたタイプです。主にバケットエレベータ、フローコンベアに使われています。

参考文献
http://www.kana.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2012/10/e1fd6bf8f2878d405c9f395bc5cd2049.pdf
https://www.senqcia.co.jp/products/chain/conveyor/

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