サーボコントローラとは
サーボコントローラとは、各種産業機械の駆動制御を高速・高精度に実現する制御機器です。
英語名は「Servo Controller」であり、シーケンサベース、および産業用パソコンベース等の用途に応じた複数のサーボコントローラが存在しています。各制御用途にあわせて、サーボコントローラを選択する必要があります。
サーボコントローラとクラウドベースのシステムをIoT技術を駆使して統合制御することで、大規模なサーボコントロールシステムを構築するような事例も近年生まれています。
サーボコントローラの使用用途
サーボコントローラの使用目的は、主に産業分野における各種産業機械における駆動制御を高速・高精度に行うことです。サーボコントローラは、大きく2つのタイプに大別可能で、シーケンサベース,および産業用パソコンベースに分類されます。
シーケンサベースは、単体設備から複数台の設備に搭載されているサーボモーターを統合制御する形で使用され、産業用パソコンベースは生産ライン全体を一括制御する等の大規模なシステム向けに使用されるタイプです。サーボコントローラの使用例には、次のケース等が挙げられます。
- 電動機の生産ラインにおけるマグネットワイヤ巻取り装置
- ペットボトル飲料の搬送ラインにおける多軸制御
サーボコントローラの原理
サーボモータは単体では動作するものではなく、サーボモータを動作させるドライバであるサーボアンプと司令塔の役割を果たすサーボコントローラが必要です。
サーボコントローラがサーボアンプに指令信号を伝達し、サーボアンプがサーボモータに電力供給することでサーボモータが動作します。
1. サーボコントローラの指令信号
サーボコントローラの役割は、サーボモータを動かす位置・速度・回転力の目標値を指令信号として出力することです。
2. サーボアンプの電力供給
サーボアンプはサーボコントローラから受け取った指令信号を基にサーボモーターに電力を供給します。サーボモーターが目標値通りに動いているとは限りません。そこで、サーボアンプは後述するサーボモーターからのフィードバック信号を受け取ります。
3. サーボモーターからのフィードバック
サーボモーターはエンコーダを内部に持っており、エンコーダはサーボモーターの実際の回転位置や速度を検出し、電気信号に変換します。この電気信号は、サーボアンプにフィードバック信号として送信されます。
サーボアンプはサーボコントローラから受け取った目標値とフィードバック信号を比較し、誤差が小さくなるようにサーボモーターへの電力供給を制御しています。
サーボコントローラのその他情報
サーボモーターの制御
サーボコントローラを含むサーボモーターの制御はフィードバック制御で行われています。制御はオープンループ制御とクローズドループ制御の2種類があります。
1. オープンループ制御
現状と制御システム上の数学的モデルを使い、入力に対して計算を行う制御です。単純なプロセスに使用されています。シーケンス制御が代表例で予め定められた順序に従い、制御の各段階を逐次進めていきます。
オープンループシステムのメリットは、システムが測定ノイズや不安定性の影響を受けにくいことです。デメリットとしては、設計に固有な制御となる点が挙げられます。
2. クローズドループ制御
システムの出力を入力にフィードバックする手法であり、オープンループ制御よりも正確な制御ができます。クローズドループシステムはロバスト性に優れていますが、システムに制御不能な動作を引き起こす可能性がある点はデメリットです。
また、測定ノイズにも弱い欠点も挙げられます。モーターサーボモーターはクローズドループ制御を採用しており、精密な回転数・速度を実現可能になっています。
参考文献
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/cnt/ssc/index.html
https://www.yaskawa.co.jp/product/mc