変流器

変流器とは

変流器は一次電流に比例した量の電流を二次電流として出力する装置です。

変圧器と同様の構造をもち、円環状の鉄心に一次と二次の巻線が取り付けられた「巻線形」と、一次側は直線形の導体でその周囲に鉄心を置いて二次側巻線を取り付けた「貫通型」があります。

一次側の電流を計測できる量の電流値へと変換して二次側に出力します。

近年では、省エネの観点から電力使用量の監視システムに対する関心が高まっており、変流器を用いた電流計測を行うことが可能です。 

変流器の使用用途

変流器は、高圧または低圧配電線を流れる電流を、電流計器で計測できるように電流値を変換するために用いられます。

一次側の電流値が大きい場合、より巻線数の多い二次側で電流値を下げ、電流計器の微小抵抗によって電流を測定します。

その結果、電力消費量のモニターとして使用したり、異常検知を目的として使用したりすることも可能です。

そのため変流器は電流値を測定したい回路のあらゆる地点で、回路系統の一部に差し込まれる形で取り付けられています。 

変流器の原理

変流器は、変圧器と同様に鉄心を透過する磁界の変化を利用した誘導電流により、一次側から二次側へと電流を伝達します。

一次巻線に電流を流すと鉄心中に磁束が発生し、その磁束が二次巻線中を透過します。

このとき二次巻線には巻数に応じた電流が流れます。二次側の巻数が多いほど透過する電流は小さくなります。

この現象は電磁誘導によるもので、レンツの法則によって説明されます。

レンツの法則は、コイルを透過する磁束が変化すると、コイルにはその変化を妨げるように磁束を発生しようとするものです。このときコイルに誘導電流が流れます。

コイルの巻数が多いほど誘導電流は小さくなり、1ループあたりの誘導起電力が小さくなることになります。

実際に変流器を扱う場面での注意として、二次側を開放し電流が流れない状況が考えられます。

この場合、二次側に誘導電流が流れないため、鉄心内の磁束を打ち消す作用が働きません。

そのため鉄心内を磁束が透過し続け、磁気飽和と呼ばれる限界値に達することがあります。この場合、鉄心の異常加熱のリスクがあり、注意する必要があります。

参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/technica/beans/05.html
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%89%E6%B5%81%E5%99%A8-1590220
https://www.m-system.co.jp/mstoday/plan/mame/b_sensor/0807/index.html

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