切削加工とは
切削加工とは、刃物で材料を削る加工方法です。
工具で材料の不要な部分を削ることで製品を成型します。通常は、工作機械を使用して金属やプラスチックなどを削ります。一般的に用いられる工作機械には、旋盤やフライス盤、マシニングセンタがあり、 それらの工作機械を加工で必要となる形状やサイズに合わせて選定が必要です。
また、加工方法としては旋盤加工、フライス盤加工、穴あけ加工、研削加工、きさげ加工があり用途に合わせて加工方法を選定する必要があります。例えばねじ穴をあけるためには穴あけ加工を選びます。
切削加工は、精度は良いが時間がかかる特徴があります。そのため、導入の際は製造工程の時間を考慮することが大切です。
切削加工の使用用途
切削加工は電気製品用の部品や機械用の部品、自動車用の部品などありとあらゆる分野での加工に使用されています。工作物の素材も金属や樹脂、木材など様々です。
また、加工方法の使用用途も色々あります。例えば、材料を削って丸い形状を成型したい場合には旋盤加工、ねじ穴を成型したい場合には穴あけ加工などを使用します。用途に応じて、加工方法を選定する必要があります。
切削加工の原理
切削加工の原理は、材料の不要な部分を削ることで成り立ちます。例えば丸い形状に成型したい場合には旋盤加工によって不要な部分を削ります。
代表的な切削加工の種類として、以下の5つが挙げられます。それぞれの原理は、以下のとおりです。
1. 旋盤加工
旋盤加工とは、旋盤と呼ばれる工作機械を利用した、削り・穴あけ・切断などを行う加工です。旋盤加工で部品を綺麗に効率よく仕上げるためには、材料の回転速度、刃物の移動速度、切込み量の調整が必要です。
これらの設定は、材料の寸法や形状、材質、刃物の種類で変わってくるため、実際に削ってみないと分かりません。切削中の音や削りくずの状態を見て、適切な条件を選定する必要があります。
2. フライス加工
フライス加工とは、工具を回転させて対象物を削る加工です。回転軸が鉛直方向にある縦フライス盤と、回転軸が水平方向にある横フライス盤があります。
工具を水平方向、鉛直方向の3方向に移動させて、必要な位置に穴をあけたり、材料の表面を切削します。刃物にはドリルやエンドミルと呼ばれる工具を使用します。エンドミルは平面加工を行うための刃物です。フライス盤の自動送り機能をつかうと、加工面を綺麗な仕上がりにすることができます。
3. 穴あけ加工
穴あけ加工とは、工作物をドリルなどの回転工具で円筒状の穴をあける加工方法です。穴あけ加工にはドリルを使用する一般的な穴あけ加工のほかにも、以下のような加工方法があります。
上記の加工方法以外にも、数多くあります。また、穴あけ加工に使用する機械も様々で、ボール盤、旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、ターニングセンタなど目的の工作物によって使い分けが必要です。
4. 研削加工
研削加工は、砥石で材料表面を仕上げる加工方法です。身近な例だと包丁を研ぐための砥石は研削加工の工具になります。細かくて硬い砥粒で材料を削り取ることで成り立ちます。
5. きさげ加工
材料を完全な平面に成型したい場合にはきさげ加工を用います。平面を手作業で加工する点が特徴です。面と面をこすり合わせることにより、材料を削り取ります。
切削加工のその他情報
切削加工以外の加工方法
加工方法は切削加工の他にも、成型加工、接合加工、特殊加工、熱処理・表面処理などがあります。切削加工の特徴は、他の加工方法よりも精度が高い点です。
しかし、精度が高いのと引き換えに、削る工程があるため、他の加工方法よりも時間がかかります。製造工程で切削加工する場合には、加工時間に余裕をもって工程管理を行う必要があります。