ヒュージング加工

ヒュージング加工とは

ヒュージング加工とは、束ねられた電子機器用被覆線 (リッツ線・リード線・マグネットワイヤー等) の絶縁コーティングを取り去りカシメる方法です。

線から作られた被覆線は一般に先端がバラバラになり易いため、これをまとめて一体化することが必要です。 また、この被覆線は銅線に絶縁コーティングがあるためこの被膜を破る為には、薬品除去するかまたは加熱溶解します。

ヒュージング加工では抵抗溶接の原理を利用して溶接電流を流して加熱します。 そして圧力を加えながら被覆膜を溶かして溶着し先端部を一体化します。

次に一体化した先端部を上下から挟み込んで均一な圧力を加え、非常に密着した状態を作りだします。 そのため、二次加工として先端部を抵抗ロウ付けして熱カシメを行うことができます。

ヒュージング加工の種類

ヒュージング加工には下記のような種類があります。

1. 大容量インバータ式溶接

モーターコイル等に利用されるマグネットワイヤーを束ねた被覆線の接合に使用されます。 このワイヤーは電気機器用の巻き線用であり、電気エネルギーを鉄芯等を使って磁気エネルギーに変換します。ワイヤーは一般的にエナメル等の皮膜で覆われているため使用用途により耐熱性能が変わりますが、最高使用温度は120℃となります。

束ねられたマグネットワイヤー製のコイルとU字端子を溶接する場合、皮膜除去が溶接の邪魔になります。 大容量インバータ式溶接は通電と加圧により皮膜除去を行いこの課題を解決します。 このヒュージング加工は、電流量、圧力、潰れ量等の条件をあらかじめ設定し自動溶接できます。多線マグネットワイヤーのコイルとU字端子のヒュージングなどに使用されます。

2. インバーター式抵抗溶接を使用したヒュージング

高精度の上下位置コントロールにより、あらかじめ設定した仕上がり寸法になった時点で装置への通電を強制停止し精密な寸法精度を実現できるようになります。 また、細かい通電時間制御により、徐々に加熱しながら皮膜を除去し最適な条件で溶接を行います。圧着端子と多数のエナメル線の接合に使用されます。

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