SSDとは
SSDとは、データを記録用ストレージの一種です。
「Solid State Drive」の略で、半導体を使用した記録デバイスであることが特徴と言えます。
SSDの使用用途
近年、SSDはOA機器に幅広く使用されます。ハードディスクと同様、データ記録のためのストレージとして用います。具体的な使用用途は、以下の通りです。
- オフィスビル管理用サーバーの記録保存用
- 一般家庭用PCの記録保存用
- オフィス用PCの記録保存用
- 監視カメラのデータ保存用
- クラウドサーバーにおける記録保存用
SSDの原理
SSDの内部は、NAND型フラッシュメモリ、コントローラ、キャッシュメモリ、インターフェースなどで構成されます。NAND型フラッシュメモリは、SSD内部にあるデータを保存する部分です。1セル当たり1ビットデータを保存するものはSLCと呼ばれ、2ビットであればMLC、3ビットの場合TLCと呼ばれます。
SLCは耐久性が高い利点がありますが、容量が少なく高価です。コントローラは、データの読み書きを行うためのアクセス制御を行う部分です。NAND型フラッシュメモリには書き換え回数の上限があり、特定メモリだけに書き込みをしないためにアクセス制御が行われます。
キャッシュメモリは一時的なデータキャッシュを行う部分です。DRAMを用いられる場合が多く、一時保存をすることで書き込み処理の高速化が可能です。製品によってキャッシュメモリを持たないSSDもあります。SSDのインターフェースは、SSDとパソコン等の接続を行う部分です。SATAやmSATAなどの複数の規格があります。
SSDのその他情報
1. SSDの歴史
大容量のデータ保存のためにこれまでHDD (Hard Disc Drive) が多く使われてきました。HDDは高速で回転させたディスク上の磁気を読み書きすることで、データ記録を行います。構造が簡単で安価な反面、ディスクを回転させる駆動部を持ち、衝撃に弱い欠点がありました。
また、HDDが主流である当時はSSDの保存可能容量が少なかったため、OA機器の記録媒体はHDDが主流でした。しかし、近年はSSDの大容量化に伴い、HDDに変わって普及が進んでいます。
2. SSDとHDDの違い
SSDとHDDはどちらもOA機器用ストレージとして用いられます。ただし、その特徴からそれぞれメリットとデメリットがあります。
SSDのメリット
- データの書き込み・読み出しが速い
- PCなどのOSを導入した場合に起動が速くなる
- 駆動部がなく、動作音がない
- 衝撃に強い
SSDのデメリット
- HDDに比べて高価
- 大容量タイプがHDDと比較して少ない
- 書き込み可能回数に上限があり、寿命がある
HDDのメリット
- 安価で大容量の記録媒体を導入可能
HDDのデメリット
- 駆動時にディスクが回転する動作音が発生する
- 衝撃に弱く、振動などでデータが破損する恐れがある
- 消費電力がSSDと比較して大きい
- 読み書きのスピードがSSDと比較して遅い
上記の通り、HDDとSSDにはそれぞれメリットとデメリットがあります。そのため、用途に応じて使い分けることが重要です。一例として、同一PCにHDDとSSDを1つずつ導入する場合があります。
この場合、SSDに使用頻度が高いソフトウェアやOSを書き込み、HDDに動画や画像などを書き込みます。この運用により、普段のPC操作やPC起動が速い上に大容量ストレージを持つPCとして運用することが可能です。
3. 外付SSDとUSBフラッシュメモリ
USBメモリ型外付SSDなどの製品も販売されています。USBメモリのようにコンパクトで持ち運びに便利です。USBメモリ型外付SSDとUSBフラッシュメモリはどちらもNAND型フラッシュメモリを使用しています。ただし、OS上では読み取り方が異なります。
USBメモリ型SSDは、コンピュータ内部でローカルディスクとして認識されます。頻繁な抜き差しを想定していませんが、内部パーティションの設定をUSBフラッシュメモリよりも自由に変更することが可能です。
USBフラッシュメモリは、コンピュータ内部でリームバブルディスクとして認識されます。安価で小容量の製品を購入可能であることが特徴です。また、USBフラッシュメモリを使用するプレーヤーなどでは、外付SSDを正しく認識できない場合があります。
参考文献
https://www.elecom.co.jp/pickup/column/storage_column/00015/
https://www.pro.logitec.co.jp/about_hdd/hddssd/20200403/