SCSIコネクタ

SCSIコネクタとは

SCSIコネクタ

SCSIコネクタとは、コンピュータシステム間でデータを転送するために使用されるインターフェースの1つです。

米国規格協会によって標準化されたインターフェース規格であるSCSIに対応したコネクタを指します。SCSIとは、「Small Computer System Interface」の略で、スカジーと読みます。

SCSIの特徴は、パラレル信号を用いて通信を行うことです。8本や16本などの銅線を用いて、パラレルに信号を伝送します。パラレルとは複数の伝送路を用いて、同時に複数ビットの通信を行う方式のことです。

SCSIコネクタの使用用途

SCSIコネクタは、コンピュータに周辺機器を接続するのに用いられます。具体的には、マウスやキーボード、プリンタなどです。

ただし、集積技術の向上とともにインターフェースの技術が進化し、最近ではUSBコネクタが周辺機器の接続コネクタとして一般的に使われています。

SCSIコネクタの原理

SCSI接続は、入出力要求を出す機器 (イニシエータ) から実際の動作をする機器(ターゲット) に対して指示を行い、実行した結果をイニシエータに返すという動作原理です。SCSIコネクタは、このSCSI接続の物理的な接続部に用いられます。

実際の運用上はコンピュータと周辺機器の主従関係の接続も多いですが、本来SCSI接続は各機器が対等の動作をする前提で設計されています。すなわち、1本の信号線に多数の機器を接続することが可能です。

この接続形式は、パス型と呼ばれるものです。通常、パスと呼ばれる信号線の最後には、ターミネータ (終端抵抗) を取り付けます。また、終端を持つ直線ではなく、環状の信号線に機器を数珠つなぎにすることもできます (デイジーチェーン接続) 。

SCSIコネクタの種類

SCSIコネクタには、さまざまな規格やケーブル長を持ったものがあります。規格によって、端子の大きさが異なる場合が多いです。

1. SCSI-1・SCSI-2・Ultra SCSI規格

SCSIは、初めて登場してからコンピュータの処理能力向上により、データ転送速度や最大接続数などの増加などさまざまな規格が出てきています。大まかには、SCSI-1、SCSI-2、Ultra SCSIと順に高性能になっている状況です。

これらの規格は、データ転送をパラレル方式で行います。例えば、これらのうちで最も高性能なUltra 320 SCSIでは最大転送速度が320MB/S、転送幅は16ビット、最大配線長はLVDで12m、最大機器接続台数は16台です。

なお、パラレル方式によるデータ転送は、技術的に高速化の限界に達したため、次項に挙げるシリアル方式のSCSIが開発されました。

2. Serial Attached SCSI (SAS)

シリアルインターフェースの技術向上により、SCSIにもシリアルデータ転送を適用させたSerial Attached SCSI (SAS) という規格があります。SASは、ハードディスクドライブなどのストレージと接続する際に、用いられる場合が多いです。

SASについては、最大転送速度は3GB/s、ケーブル長は8m、接続台数は128台です。SASでのケーブル長は従来のパラレルSCSIと比べると短くなっていますが、用途として周辺デバイスまでの距離が8mを超えることは珍しく、8m以上必要な場合、SASエキスパンダを用いると距離を延長することができます。

また、SASのコネクタはSATAと同じ物理層をカバーしており、互換性を持っています。SATAとは「Serial Advanced Technology Attachment」の略で、コンピュータにハードディスクや光学ドライブなどを接続する規格の1つです。

参考文献
https://www.newtech.co.jp/introduce/h1/
https://www.newtech.co.jp/introduce/h3/
https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/storage/lib-f/tech/interface/

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