ZIGBEEモジュール

ZIGBEEモジュールとは

ZIGBEEモジュールとは、国際的な通信規格であるZigBeeに対応したICを内蔵したモジュールのことです。

通信規格ZigBeeは、近距離無線通信の規格の一つで、転送可能な距離が短く転送速度も比較的低速ではありますが、安価で消費電力を少なく回路を実現できる点が特徴です。そのため、小型機器やモバイル機器の実装に比較的多く用いられます。

なお、ZigBeeという名前は、ミツバチであるBeeがジグザグに飛び回ることから名づけられました。

ZIGBEEモジュールの使用用途

ZIGBEEモジュールは、近距離通信用途で消費電力が少ない利点を生かせる家電製品のリモコンや住宅設備のセンサー通信、電力の見える化などに用いられています。近年は、Bluetoothの省電力性能の向上により相対的な優位性は薄れており、Bluetoothが比較的様々な電子機器、シーンで用いられることが多くなってきています。

ZIGBEEならではの特徴として、最大同時接続数の多さに優位性があり、大量のセンサーから一度に情報を収集するのに適しています。

ZIGBEEモジュールの原理

ZIGBEEモジュールは、センサーなどの電池駆動可能な通信機器同士を、極力低消費電力でつなぐことを目的に、規格化されたアライアンスであるZigBeeを活用するためのICを搭載した通信用モジュールです。特に電気的な仕様は、IEEE 802.15.4で規格化されています。

通信周波数は、欧州向けには800MHz帯、米国向けには900MHz帯がありますが、日本国内で用いることができるのはISMバンドと称される2.4GHz帯のみです。ZIGBEEの最大の特徴として、スリープ時のスタンバイ消費電力が非常に小さいことが挙げられます。

また、スタンバイから通信までの応答速度も非常に速いシステムです。このことから、常時データのやり取りをするのではなく、必要な際に瞬時にデータを送信し、再度スタンバイ状態のスリープモードに入るような家電リモコンや住宅設備などに適したアプリケーションといえます。

一方で、2.4GHz帯での通信速度は最大250kbpsという低速であるが故に、音声や映像などの大容量データ通信のアプリケーションには向いていません。また、Wi-FiやBluetoothも同じ2.4GHz帯を用いることから電波干渉には十分注意しmその環境によってはシールド遮蔽などを実施する必要があります。

ZIGBEEモジュールのその他情報

1. インターネットとの親和性

ZIGBEEのプロトコルスタックは、TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol) ではなく、一般にインターネットとの親和性は高いとは言えない状況です。そのため、インターネット環境へ接続したい場合は、別途ゲートウェイ中継局を設ける必要があります。

2. Bluetoothとの比較

ZIGBEEは、同じ組込み機器に利用される無線規格であるBluetoothとよく比較されます。BluetoothもまたZIGBEEと同じ2.4GHzの周波数帯を利用し、近距離通信・低速度の通信、省電力の特徴を持っています。

一般的にZIGBEEのほうが省電力ですが、特徴の差から使うシーンによってBluetoothと使い分ける必要があります。一般的にZIGBEEはスリープ時の消費電力が小さく復帰時間も小さいことから、一定程度時間を空けてデータ通信を行う通信に適しています。十分にデータ通信間隔をあけられない場合は、省電力効果は低くなる点に注意しましょう。

それに対して、Bluetoothは接続や切断時間に時間がかかるため、Bluetoothを使用する際にはスリープにせずモジュール電源自体を切ってしまうほうが省電力につながります。また、ZIGBEEは複数の同時接続が可能で、複数のセンサー情報を収集するようなシステムを構築する場合、メリットを享受できます。

3. 同時接続手法

ZIGBEEは、様々な複数同時接続の手法を有します。ツリー型やメッシュ型の接続手法や、ルーターを介したバケツリレーのようなデータ転送も対応可能です。これはZIGBEEの特徴の一つであり、一例をあげると、ある通信ネットワークをZIGBEEで構築した場合、規格的には最大で65,536台 (0xFFFFまでのアドレスを利用) の端末が接続可能です。

よって低消費電力で多数のセンサーへ様々な手法で同時接続通信を行うようなアプリケーションに、ZIGBEEモジュールは適していると言えます。

参考文献
https://www.4900.co.jp/smarticle/11640/
https://persol-tech-s.co.jp/corporate/security/article.html?id=24#heading04

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です