リレーターミナルとは
リレーターミナルとは、電子精密機器と大きな出力容量を必要とする機器を効率的かつ安全に絶縁しながら接続するための機械です。
近年産業機器は小型化と高精度化が進んでおり、リレーターミナルの需要はますます高まっています。リレーターミナルを使用することで省スペース化が可能となり、複雑な配線作業を簡略化することが可能です。
リレーターミナルは主にリレー部分、ケーブル部分、端子台部分の3つのパーツで構成されており、それぞれが精密機器との接続性を向上させるための工夫がなされています。リレー部分ではコイルの動作により電気回路を制御し、ケーブル部分では多芯配線を用いて迅速な接続が可能となります。
リレーターミナルの使用用途
リレーターミナルの使用用途として、大型機器の制御における役割、小型機器における使用の違い、絶縁と保護の重要性の3つの順で解説します。
1. 大型機器の制御における役割
大型の産業用機器では、高い電流や大きな負荷を伴う制御が必要です。例えば油圧プレスや油圧搬送機器では重い物体を動かすために強力な電力供給が必要であり、リレーターミナルは電力供給を安全に制御します。また固液分離用のフィルター装置ではプロセスの正確なタイミング制御が求められ、リレーターミナルが精度の高い制御を実現します。
2. 小型機器における使用の違い
小型の産業用装置では、コスト削減のためにロジックコントローラや産業用PCを使用しない場合があります。そのためリレーターミナルが使われる頻度は低いものの、精密機器が使用される場合にはリレーターミナルが接続性の向上や配線の簡略化が実現できます。
3. 絶縁と保護の重要性
リレーターミナルは、ロジックコントローラや精密機器を外部からの電気的干渉や過大な電流から守るための絶縁効果を発揮します。
リレーターミナルの原理
リレーターミナルの原理として、リレー部分の動作原理、ケーブル部分の設計、端子台部分の役割の3つの順で解説します。
1. リレー部分の動作原理
リレー部分は、電流を流すことで電磁石が磁場を発生させ、その磁力で接点を開閉します。低電圧で制御される信号を高電圧や大電流に変換できる可能です。そのため電磁弁や電動バルブのような機器の動作に適しています。接点は機械的に動作するため摩耗の可能性はありますが、簡単に交換可能な設計が施されています。近年ではトランジスタ出力のような非接触型の出力が普及しているものの、リレーターミナルは交流出力や大容量負荷にも対応できる点で依然として重要です。
2. ケーブル部分の設計
ケーブル部分は、多芯ケーブルやコネクタ式の設計により接続作業を簡単にします。通常10本以上の細い芯線を持つ多芯ケーブルが採用され、狭いスペースでも配線が容易です。またコネクタの採用により、ロジックコントローラやその他の電子機器との迅速な接続が可能です。
3. 端子台部分の役割
端子台部分は、配線を安定的に接続し安全性を確保するために重要です。多くの場合ねじ込み式やプラスねじ端子が使用されており、小型の産業装置にも適しています。リレーの接点容量が5A以下である場合が多いため、適した小型端子が採用されています。
リレーターミナルの種類
リレーターミナルの種類として、制御用リレーターミナル、絶縁用リレーターミナル、配線簡略化リレーターミナルの3種類を解説します。
1. 制御用リレーターミナル
制御システム向けに設計されたリレーターミナルは幅広い電流容量に対応しており、産業機器の大部分で使用されています。
2. 絶縁用リレーターミナル
絶縁を目的としたリレーターミナルは、精密機器を外部干渉や高負荷から保護するために使用されます。
3. 配線簡略化リレーターミナル
配線作業の効率化に特化したリレーターミナルは、接続の迅速さと正確性を提供します。配線簡略化リレーターミナルは多芯ケーブルを使用することで複雑な配線を簡単にし、作業時間を大幅に削減します。