油圧バイスとは
油圧バイスとは、油圧の力を利用して強力に対象物を固定する工具です。
2枚の口金の間隔を外部からハンドルを回して調整することができ、その間隔に応じて対象物を挟み込む強度が変化します。油圧を利用するため、手動のみでは難しい締付け精度で、少ない力で強力に固定することができます。
抑え込む力が強い場合、口金の一方が浮き上がり、対象物の位置が動いてしまうことがあります。こうした現象を防ぐためには浮き上がり防止機構の付いた油圧バイスが使用されます。
油圧バイスの使用用途
油圧バイスは、金属加工や木材加工を行う際に、材料を強力に固定したい場合に使用されます。
具体的には、固定した材料の切断、溶接あるいは研磨などが挙げられます。通常の手動バイスでも固定は可能ですが、重量物などでより強力に固定したい場合や、加工精度が求められる場合には、その位置が動くことを避ける必要があります。
そのような場面では油圧バイスを用いて材料を固定します。多くの工作作業をする場面で広く用いられる工具です。
油圧バイスの原理
バイスとは、2枚の金属板の間に対象物を挟み込み、強力に固定する工具のことです。和名では万力 (まんりき) と呼ばれます。
油圧バイスは油圧の力を利用したバイスのことで、軽い力で材料を挟み込むことができます。通常、外部からハンドルを回し、その回転量に応じて締め付ける強度を調整することができます。この方法はパスカルの原理に基づく油圧発生機構によるものです。
仮に容器内に液体を封入し、一方から液体に圧力を加えると、容器内を均一に圧力が伝搬します。圧力は面積が大きくなるほど力が大きくなるため、面積の小さなピストンを押し込んだとしても、出力時の大面積領域では大きな力を加えることができます。
油を内部に保持した「油圧内蔵式」と、外部から注入する「外部供給式」とがあります。油圧内蔵式は油圧の調整を要せず、ただちに使用できるメリットがあります。油圧機構を働かせたくない場合や油圧の強度を調整したい場合には外部供給式を選択します。
参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/055/
https://www.nabeya.co.jp/search.php?grp=J