製本機械とは
製本機械 (英: Book binding machinery) とは、用紙を糊付けやステッチ (ホチキスのようなもの) などで1冊の本や冊子にまとめて製本する機械です。
製本の方法には、中綴じ製本、平綴じ製本、無線綴じ製本 (くるみ製本) 、上製本、リング製本 (めがね製本) 、テープ製本などがあり、それぞれ特徴が異なります。
製本機能を持つプリンターや複合機 (英: Multi-function printer) も数多くあり、小型で簡易な事務用の機械から商業用や産業用の高速で大型の機械まで幅広いです。
製本機械の使用用途
本を製作する用途で用いられます。製本の方法により対応可能な本の種類が分かれ、製本の方法別に紹介します。
1. 中綴じ製本
中綴じ製本はページ数の少ないカタログや雑誌などで使用されます。表紙の外側の折り目の中心部にステッチでとめて製本します。
2. 平綴じ製本
マニュアルや教科書、企画書などに用いられます。
3. 無線綴じ製本 (くるみ製本)
厚めのカタログや教科書、情報誌などに使用されます。重ねた折丁 (製本のために1ページ大の大きさに折られた用紙) の背の部分を糊で接着して製本します。
4. 上製本
ハードカバーで作られる製本で、アルバムや単行本などに使用されています。
5. リング綴じ製本 (めがね製本)
スケッチブックやリングノート、書類などに用いられます。原稿に穴を開け、プラスチックや金属の螺旋状のリングで留めます。
製本機械の原理
本の形状には並製本と上製本があります。並製本は表紙の紙が柔らかくて曲げやすい本で、上製本は表紙に硬い厚紙や皮などを使った本です。製本の方法は3種類に分類されます。
1. 針金で綴じる
中綴じや平綴じは並製本の代表的な綴じ方です。製本の中で最も単純な方法で、簡易製本と呼ばれます。針金で綴じられており、針金の位置で中綴じと平綴じに分類されています。
2. 糊で綴じる
無線綴じやアジロ綴じは並製本と上製本の両方で使用されます。糊で綴じられる無線綴じやアジロ綴じも幅広く用いられています。
3. 糸で綴じる
糸かがり綴じは印刷した紙を糸で縫い綴じ、上製本でよく使用されます。糸の縫い方で名称も違い、日本古来の和綴じも糸かがり綴じの一種で、古くから用いられてきた製本方法の一つです。製本の耐久度が高いため長期保存に向いています。
製本機械の種類
製本機械には複数の製本の種類があります。
1. 中綴じ製本
見開きの状態で用紙を重ね、中央部分をステッチで綴じてから二つ折りにする製本です。
2. 平綴じ製本
重ねた折丁の端から5mm付近をステッチでとめてから背の部分に糊を塗布して表紙を貼り付けます。
3. 無線綴じ製本 (くるみ製本)
折丁を重ねて背の部分に糊を塗布し、表紙でくるんで製本する方式です。
4. 上製本
厚くて硬い表紙とページに製本用の糸や接着剤などを使用して製本します。表紙はハードカバーと呼ばれ、芯の部分にボール紙を使用します。
5. リング綴じ製本 (めがね製本)
用紙を重ねて背になる部分に穴を開け、プラスチックや金属のリングを通して綴じる製本です。
製本機械の選び方
製本機械のメリットとデメリットを考慮して選択する必要があります。
1. 中綴じ製本
本を開いたときに根本までしっかりと開くため、2ページにわたって写真や図を載せる場合などは見やすく、比較的安価に製本できます。しかしステッチで綴じるため、ページ数の多い場合には向きません。
2. 平綴じ製本
ページ数の多い冊子の製本に向いています。ステッチでとめている構造上、本を180°まで開けません。
3. 無線綴じ製本 (くるみ製本)
ページ数の多い商品カタログなどでよく使われています。ページ数の少ない冊子は背に塗布する接着剤の量が少ないため、ページが取れる可能性があります。
4. 上製本
芯のボール紙は薄い紙でくるむことが多いですが、レザーや布などでくるみ高級感を出す場合もあります。
5. リング綴じ製本 (めがね製本)
360°開けてページが勝手に閉じることもなく、使い勝手が良いです。
参考文献
https://www.34insatsu.com/column/log/eid2.html
https://www.ddc.co.jp/words/archives/20070220124520.html