超音波洗浄機

超音波洗浄機とは

超音波洗浄機

超音波洗浄機とは、超音波を利用して物体や表面の汚れを効果的に取り除く機器です。

超音波は人間の聴覚範囲を超える高周波音波であり、水や洗浄液中で発生させることができます。小さな隙間や細かい部品の表面に付着した汚れや油脂、酸化物などを効率的に洗浄することが可能です。また、物理的な摩擦を最小限に抑えるため、繊細な品物や電子部品などの洗浄にも適しています。

一方、材質や形状によっては洗浄不良が生じるものがあります。アルミニウムは金属の中で比較的柔らかく、長時間洗浄すると表面にダメージが生じる可能性があります。また、銀も柔らかく光沢がなくなるなど、不具合が生じる場合が多いです。

超音波洗浄機の使用用途

超音波洗浄機はさまざまな用途で使用されます。以下は超音波洗浄機の使用用途一例です。

1. 宝石やアクセサリーの洗浄

宝石店やジュエリー製造業者では、ダイヤモンドや貴金属などの宝石やアクセサリーを超音波洗浄機で洗浄します。超音波洗浄機は、細かい隙間や微細な部品に付着した汚れを除去し、宝石の輝きを回復させるのに効果的です。

ただし、振動や衝撃を加えて汚れを落とすため、キズや割れのある宝石類は洗浄するとキズや割れが広がる恐れがあります。装飾品の場合は、変色や装飾剥がれの原因になってしまう可能性があるため注意が必要です。

2. メガネ・レンズの洗浄

眼鏡店や光学機器業者では、眼鏡やカメラレンズなどの光学機器を超音波洗浄機で洗浄する場合も多いです。超音波洗浄は、フレームやレンズの表面に付着した指紋や油脂、ホコリなどを除去し、クリアな視界を確保します。

ただし、プラスチックレンズの眼鏡も長時間の洗浄を行うと、小さな傷が超音波振動によって広がる可能性があるため、事前に傷がないかどうかの確認が必要です。

3. 電子部品の洗浄

電子機器の製造業者や修理業者では、基板やプリントヘッドなどの電子部品を超音波洗浄機で洗浄します。超音波洗浄によって、部品の表面に付着したフラックスや汚れを効果的に除去し、動作の安定性や信頼性を確保します。

半導体部品の洗浄や、メッキ加工前の脱脂洗浄に使用されることも多いです。ただし、小さな衝撃でも大きな影響を受けてしまうような精密機器は洗浄することができません。

超音波洗浄機の原理

超音波洗浄機の原理は、超音波の発生とその波動を利用して汚れを除去することにあります。まず、超音波洗浄機には超音波を発生させるための超音波発生器が備わっています。この発生器は高周波振動を生成し、洗浄槽内の水や洗浄液に伝えます。一般的には、圧電素子や磁気振動子などの技術が使用されることが多いです。

超音波発生器から発せられる高周波振動は、洗浄液中を伝播する仕組みです。この振動が液体中の分子を圧縮・膨張させることで、超音波の波動が形成されます。波動は液体内を広がり、汚れや付着物に作用します。

波動が液体内に伝播する際に生じる現象の1つが、キャビテーション効果です。キャビテーションは液体中の空洞や気泡が急速に生成・収縮する現象であり、強力なエネルギーを発生させます。これにより、気泡の収縮や崩壊が汚れの表面で発生し、物理的な力が働いて汚れを剥がしたり、細かな隙間に浸透したりします。

超音波洗浄機のその他情報

超音波洗浄機の洗剤

超音波洗浄機に使用される洗剤は、水系、炭化水素系、溶剤系などさまざまな種類があります。

1. 水系洗浄剤
水系洗浄剤は、脱脂や切粉・ほこりの除去やスケール除去に使用されます。不燃性で比較的扱い易い点が特徴です。ただし、すすぎ回数が多く必要であり、シミも発生しやすいです。

2. 炭素水素系
炭化水素系は、脱脂やフラックスの洗浄を目的として使用されます。イソパラフィン系やノルマルパラフィン系などがあります。安価で再生使用が可能であり人体への影響も少ない点が特徴です。

3. 溶剤系
溶剤系は、脱脂や切粉・ほこりの除去を目的として使用されています。フッ素系・臭素系は溶解力や乾燥性が高く、高価ながら再生使用が可能です。アルコール系は引火性があるもの乾燥性が高く、安価に入手することが可能です。

参考文献
https://www.sankyo-chem.com/wpsankyo/969
https://www.honda-el.co.jp/industry/cleaner_genri.html
https://www.kaijo.co.jp/sansen/product/uscunderstand5m.html
https://www.honda-el.co.jp/industry/solution.html

http://www.tocho.com/faq/
https://www.kaijo.co.jp/sansen/technical/kouka.html

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