プローブカード

プローブカードとはプローブカード

プローブカードとは、半導体の製造工程におけるウェーハレベルの検査に必要な器具です。

ウェーハ検査装置に取り付けて使用されます。半導体のコストの多くは製造設備で決まりますが、製造段階においてはパッケージ本体やパッケージングのコストも大きく影響します。このため、半導体としての製造工程を終えたウェーハレベルで製品の良否を判定し、良品だけを以降の工程に送るとコストを抑制することが可能です。

1枚のウェーハ上には数百~数千個のチップが並んでおり、これを個々に切断してパッケージングする前に良否を判定して選別する工程がウェーハ検査であり、ここで必要となるのがプローブカードです。

プローブカードの使用用途

ウェーハ検査は、チップに対してテストパターンと呼ばれる電気信号を入力し出力信号パターンを期待値と比較して判定するLSIテスタと、1つ1つのチップの電極端子に正確に信号接続するためのチップレベルの位置決め制御を行うウェーハプローバと、チップ内の数百~数万の電極端子に正確に当たるように位置決めされた同数の針 (プローブ) を持つプローブカードで実施されます。

このため、プローブカードはチップのデザイン毎に専用に作成する必要があり、それ自体にコストが掛かる上、使用による摩耗等により再作成も必要となりますが、製造コスト全体を考えると必須です。半導体チップはコンピュータだけでなく、生活の中のほとんどの製品の中で無数に使用されており、プローブカードはその支えの一つです。

プローブカードの原理

プローブカードは、ウェーハプローバ上に取り付けられ、ウェーハプローバを介してチップの電極端子とLSIテスタをつなぐコネクタの役割を果たしています。

LSIテストヘッドにはスピリングコンタクトピンや高密度ピンが接続用に実装されていますが、半導体チップの電極端子の配置ピッチは狭いもので数十ミクロンとテストヘッドのピンの配置密度よりも微細なため、プローブカードを介して両者を接続することが必要です。

プローブカードの構造

プローブカードの上側の面にはテストヘッドとの接続端子、下側には半導体チップの電極端子と接続するための針が取り付けられています。

テストヘッドとプローブカードの接続端子を繋ぎ、更に半導体チップの電極端子とプローブカードの針を繋ぐことで電気的な接続を構成し、LSIテスタからの電気信号による良/不良の判定をすることでシリコンウェーハ上の1つ1つの半導体チップに対して検査を行います。

プローブカードにはアドバンスト型、カンチレバー型があり、アドバンスト型は垂直型の端子が付いたブロックが基板に取り付けられていてプローブの配列が自由でメンテナンスしやすいです。カンチレバー型ではプローブがブロックを介することなく基板に直接取り付けられており、狭ピッチの端子に対応しやすい特徴があります。

プローブカードのその他情報

ウェーハ検査における微細で高度な信頼性を求められるため、プローブカードはセラミック製の基板が多く用いられています。例えば京セラの場合、DRAMフラッシュメモリやロジックデバイス等のプローブカード用に薄膜単層や薄膜多層のメタライズ付きセラミック多層基板が用いられています。

一般的に、LSI又はシステムLSIと呼ばれる大規模集積半導体回路の信号接続部分は、その端子にスプリングコネクタや高密度コネクタが用いられています。プローブカードはこのテストヘッドと検査対象のウェーハとの間の仲介役としての役割も持ち、高度な接続信頼性と電気検査性能機能を求められているため、その機構も材料も繊細です。セラミックなどの材料が使用されています。

しかし、プローブカードの耐久性には限界があり、物理的な衝撃による僅かな歪みでも使用目的を満たせず、修理も困難な消耗品でもあるため定期的に交換する必要があります。

参考文献
https://www.seiken.co.jp/semiconductor/probecard.html
https://news.mynavi.jp/article/20200603-1047480/

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