レーザー切断機

レーザー切断機とは

レーザー切断機

レーザー切断機とは、高出力のレーザービームを使用して材料を切断するための機械です。

レーザーによって、金属やアクリルなどの材料を溶かすことで切断します。レーザー切断機は、非常に高い精度で切断作業を行える点が特徴です。レーザービームは狭い焦点サイズで集光されるため、微細な切れ込みや複雑な形状の切断も可能となっています。

高精度かつ加工スピードの速さから大量生産に非常に向いており、さまざまな産業や場面で使用されている機械です。以前は高価な機械でしたが、近年では10万円以下のモデルが存在します。したがって、DIYを趣味とする個人が購入することも可能になりました。

レーザー切断機の使用用途

レーザー切断は、さまざまな産業や製造業界で多くの使用用途があります。以下に代表的なレーザー切断機の使用用途を例示します。

1. 金属加工

鋼板やステンレス鋼などの金属材料の切断に広く使用されています。レーザービームの高エネルギー密度により、金属の表面を溶かして吹き飛ばすことで切断を行います。金属の厚さによって適切な出力やパラメータを調整し、高精度の切断が可能です。

自動車産業における車体製作や部品製作に使用されます。また、航空宇宙産業における航空機部品にも使用されることが多いです。

2. シートメタル加工

シートメタルは、自動車部品や建築材料などの製造に頻繁に使用される薄い金属シートです。レーザー切断機は、シートメタルの切断や穴あけなどの加工を効率的に行うために使用されます。高い切断精度と狭い切削幅により、複雑な形状のパーツを正確に切り出すことが可能です。

3. プラスチック加工

プラスチック部品の製造業界でも広く使用されています。プラスチックの切断や穴あけは、高精度な切断と熱影響の少ない加工が求められます。レーザー光は極細となるため、微細な切り込みや複雑な形状の加工が可能です。

電子機器、医療機器、パッケージ製品などのプラスチック部品の製造に使用されます。

4. 医療

近年では医療の現場でもレーザー切断 (メス) の導入が進んでいます。レーザービームは高精度かつ血管を同時に凝固させることができるため、出血を最小限に抑えながら正確な切除を行うことが可能です。レーザー眼科手術などで利用されます。

レーザー切断機の原理

レーザー切断機の構成は、レーザー発振器、光路、集光部などです。架台にはテーブルや駆動装置が付属する場合が一般的です。

運転を開始すると、レーザー発振器が設定されたレーザー強度を元に照射します。一般的にはCO2レーザーが使われることが多いです。製品によってはYAGレーザーが使われている場合もあります。

照射されたレーザーは光路を通って集光部へ進行します。集光部ではレーザー光を0.05mm~0.4mm程度の大きさまで集光し、対象物へと照射します。 材料は強力なレーザーで溶かしながら切断しますが、切断屑は噴射エアーによって吹き飛ばされる場合が多いです。

レーザー加工では、熱をどれだけ加えるかも重要です。材料の熱耐性を調べ、それに合ったテーブルの送り速度に設定します。適切な速度でなければ切断面が荒れたり、不完全となる場合もあるため注意が必要です。

レーザー切断機の選び方

レーザー切断機を選ぶ際には、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 材料の仕様

切断したい材料の種類と厚さに応じて切断能力を選定することが肝要です。異なる材料に対して、最適なレーザー波長や出力が異なる場合があります。また、切断可能な最大厚さにも注意が必要です。

2. 切断精度と速度

必要な切断精度と作業速度も考慮します。高い切断精度を求める場合は、光学系の精度やレーザーのフォーカス能力に注目する必要があります。

また、作業速度は生産性に関わる重要な要素です。大量加工が必要な場合は、作業可能な速度も十分考慮します。

3. 安全性と規制

レーザー切断機は高出力のレーザービームを使用するため、適切な安全対策が必要です。レーザーセーフティ機能や適切な保護装置を備えた機種を選びます。また、国や地域の規制に適合していることも確認して購入することが大切です。

参考文献
http://www-it.jwes.or.jp/

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