圧力変換器

圧力変換器とは

圧力変換器

圧力変換器とは、圧力センサーとも呼ばれ、あらゆる圧力を電気信号に変換して送信する機器です。

主に、圧力制御を行う際にセンサーとして用いられます。基本的には信号として、DC4-20 mAの電気信号もしくは20-100 kPaの空圧信号に変換して伝送します。ただし、空圧信号の採用は減少傾向です。

圧力を測る対象として、気体・液体・蒸気などが挙げられます。また、圧力変換器には絶対圧と相対圧の2種類がありますが、用途に応じた使い分けが必要です。 

圧力変換器の使用用途

圧力変換器の中でも差圧伝送器の用途としては、差圧式流量測定用や圧力測定用、液面レベル測定用、液体の密度測定用などがあります。その中でも、差圧式流量測定用は最も使用用途が多く、半分以上を占める状況です。

圧力変換器は、タンクの液面レベルを圧力変換器にて測定し、現在の液面高さを測る用途で使用します。また、ある圧力になった時に別の動作をさせるといった制御用途でも用いられます。 

圧力変換器の原理

圧力変換器は主に圧力を電気信号に変換して伝送しています。圧力に伴う変位が電気信号となり伝送されますが、伝送する際には信号増幅を行った後に直流信号で伝送します。安定性を考え、ダイヤフラムを用いる場合が多いです。

1. 流量測定用

流量測定用の場合は、プロセス配管にオリフィスを設けることで測定できます。オリフィス前後の圧力 (差圧) は流量の2乗に比例するため、圧力から流量を測定することができます。

気体流量を測定する場合は、温度と圧力の補正が必要となりますが、この機能を内蔵した圧力変換器もあります。

2. 液面レベル測定用

液体が入っている容器において容器底面にかかる圧力は、液面レベルと液体密度の積に比例します。つまり、圧力を測定することで液面レベルを相対的に測定することが可能です。

容器底面に内圧がある場合は圧力変換器、内圧が無い場合は差圧伝送器を用いることで測定することができます。こちらも、ダイヤフラムシール式の使用が増えてきています。

圧力変換器の構成

ブルドン管ダイヤフラムベローズなどを用いて、圧力に伴う変位を圧力変換器で測定します。圧力変換器の代表的な構成部品は、以下の通りです。

1. オリフィス

流量測定用の圧力変換器に使用するオリフィスとは、しぼり流量計に使用されるしぼり機構の1種です。

孔のある薄板を管内に設けることで、オリフィス板の上流と下流の間に生じる圧力差を利用して、流量を測定します。

2. ブルドン管

圧力変換器で使用するブルドン管とは、断面が扁平になるよう加工したパイプです。ヘリカルの金属パイプ内に、開口固定端から測定圧力を導入すると圧力に応じてパイプの曲率が変化します。

管先の変位量は、弾性限界内で圧力に比例します。管先にリンクした拡大機構で指針が回転し、その位置の目盛り板上の位置が測定圧力となります。

圧力変換器のその他情報

圧力変換器で測定する圧力の種類

圧力変換器で測定する圧力の種類は、圧力の基準を何にとるかによって異なります。

1. 絶対圧
絶対真空をゼロ基準として表しており、大気圧力や理学系で使用する圧力です。大気圧とゲージ圧の和が絶対圧になる関係を持ちます。ゲージ圧と近藤しないようabs.を便宜上表記することもあります。

2. ゲージ圧
大気圧もしくは周辺の圧力をゼロ基準として表した圧力です。工業的には、断りの無い限り通常単に圧力と呼んでいます。ISOではPeやGageをつけた表記を推奨しています。

3. 差圧
特定の圧力を基準にして、2つの圧力の差を測定した圧力です。2つの圧力の差を表すため負の値を取ることもあります。

圧力変換器では、2つの圧力を受けてこの両者の差を信号に変換して外部へ伝送する仕組みです。工業計測制御システムで重要な位置を占めています。

参考文献
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_03-06-05-01.html
https://www.m-system.co.jp/rensai/pdf/r0211.pdf
https://www.yokogawa.co.jp/

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