アルミナ

アルミナとは

アルミナ

アルミナはアルミニウムの酸化物である酸化アルミニウムのことです。化学式はAl2O3で、高い融点を有する白色の固体です。α-アルミナやγ-アルミナなど複数の結晶構造が存在します。コランダム、ルビー、サファイアの主成分として有名です。

α-アルミナは耐熱性、絶縁性、耐薬品性などを有しており、耐火材、切削工具研磨剤などに使用されています。また、γ-アルミナは比表面積が大きく、触媒担持体として利用されています。

アルミナの使用用途

アルミナは水酸化アルミニウム(化学式: Al(OH)3)を焼成することによって製造することができます。アルミナには数多くの結晶形態がありますが、最も安定で汎用性のあるのがα-アルミナです。

α-アルミナは融点が非常に高く、高い耐熱性を有しています。また非常に硬く、絶縁性、耐薬品性などにも優れています。これらの性質を利用して、耐火材、スパークプラグ、半導体基板、研削工具・研磨剤、るつぼなど幅広い用途に利用されています。

アルミナの特性

アルミニウムは原子番号13の元素で、その酸化物である酸化アルミニウム(化学式: Al2O3)のことをアルミナと言います。アルミニウムは地殻中に多く含まれ、酸素、ケイ素に続いて、3番目に多い元素です。

天然にはコランダムとして産出します。これに微量の鉄、クロム、チタンが混入すると、ルビーやサファイアになります。また、アルミニウムはボーキサイトと呼ばれる赤褐色の鉱石に多く含まれます。ボーキサイトを苛性ソーダで溶解しアルミン酸ナトリウムにした後、加水分解して水酸化アルミニウムを生成します。その後、水酸化アルミニウムを焼結することでアルミナを得ることができます。

アルミナにはα-アルミナやγ-アルミナなどの複数の結晶構造が存在しますが、α-アルミナが特に安定な構造とされています。γ-アルミナを高温で加熱すると、種々の中間相アルミナを経て、最終的にα-アルミナに変化します。α-アルミナは融点が 2000℃以上もあり、耐熱性、高硬度などの性質を有しています。

アルミナの毒性

アルミナ自体に毒性はなく、基本的には安全な物質です。一方で、粉塵状のアルミナを取り扱う場合は、目や皮膚、呼吸器系への悪影響を与える可能性があるので、保護メガネや防塵マスクなどの保護具を使用して取り扱う必要があります。アルミナ製品の安全データシートによると、アルミナをラットに吸入させると、肺に保持されて炎症を引き起こしたことが報告されています。

アルミナのモース硬度は9と非常に高く、優れた耐摩耗性や耐久性を有しています。このため生体用セラミックスとして利用されています。例えば、人工関節や人工骨が挙げられます。これらの用途では、長期間人体に埋め込んでも害が無いことが非常に重要です。過去の研究では、急性毒性試験、溶血性試験などの生物学的安全性試験では陰性を示したことが報告されています。また、アルミナ自体に発がん性が無いことも併せて報告されています。

セラミックスとアルミナの違い

アルミナはセラミックスの中の無機材料の1つです。

セラミックスとは元々焼き物などの窯業製品、ガラス、セメントなどを指す言葉ですが、近年では無機材料を高温で加熱し、焼き固めてつくった製品全般を指します。使用される無機材料としては、アルミナをはじめ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素などが挙げられます。セラミックスの中でも細かな分類があり、使用する材料や製造方法の違いから、オールドセラミックスやファインセラミックスなどに分けられます。粘土や珪石などの天然材料を使って製造される製品をオールドセラミックスといいます。代表例としては、陶磁器が挙げられます。

一方で、天然から得たものに手を加えてさらに純度を上げた材料や、組成や粒径などの性質を人工的に調製した材料を使って製造される製品のことをファインセラミックスといいます。従来のセラミックス製品と比較して、高機能、高付加価値を有しています。このため、電子材料や生体材料など様々な分野でファインセラミックスは欠かせない尊司となっております。アルミナ自体はセラミックス材料の1つですが、高純度化されたアルミナはこのファインセラミックスに属します。

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