ダイヤフラムとは
ダイヤフラムとは、工業分野や医療分野などで広く使用される重要な部品です。
機械の構造の一部としてセンサー、バルブ、ポンプなど幅広く使用されています。屈伸部はゴム製、接液部はフッ素樹脂などが使用される場合が多いです。
ダイヤフラムは電気、エアー、油圧など様々な動力を用いて動かされます。ダイヤフラムは伸縮性のある膜なので、圧力認識や閉塞などにも有用です。
ダイヤフラムの使用用途
1. ポンプ
ポンプの制御部品としてよく利用され、ポンプ内のダイヤフラムは動いている液体を完全に隔離し、シールする役割を果たします。
薬品や化学物質の取り扱いに適しており、ゴムやフッ素樹脂などの耐久性が高い素材を使用したダイヤフラムは、摩耗にも耐えるため長寿命で信頼性のあるポンプ制御が可能です。
2. バルブ
バルブの制御部品としても頻繁に使用され、特に薬品や食品、医薬品産業などでは、ダイヤフラムバルブが採用されることが多いです。これは、ダイヤフラムが液体の流れを効果的にコントロールできるため、精密なバルブ制御が可能となるからです。
3. ガス制御
ガス制御にも広く用いられ、高純度ガスの取り扱いや精密な圧力制御が必要な産業分野で重宝されています。ダイヤフラムは微小な動きに対しても素早く反応し、高精度のガス制御を実現します。
4. 電気・電子産業
電気・電子産業において、ダイヤフラムは高い電気絶縁性を持つ特性を活かして利用されます。コネクターやスイッチ、センサーなどの部品製造に使用されるほか、真空ポンプやガス供給装置などの電子機器の制御部品としても利用可能です。
ダイヤフラムの原理
ダイヤフラムポンプは、ケーシングの一部分がダイヤフラムになっています。エアー動力や電気動力を用いてダイヤフラムを、押したり引いたりを繰り返します。この働きによりサクション側とデリバリ側のそれぞれで吸引・送液を繰り返します。脈動起きることが難点です。
ダイヤフラムバルブは、流路にダイヤフラムがあるバルブです。ハンドルを回すことで軸が降りていき、それに伴いダイヤフラムが延ばされます。伸びたダイヤフラムは流路を塞ぐようになり、流量制御を行うのに使用します。流体抵抗が少ないのが特徴です。
差圧式レベル計は、ダイヤフラムの変形を圧力として認識するセンサーです。タンクなどの底部に圧力計を取り付け、取り付け位置から液面高さまでのヘッド圧がダイヤフラムにかかります。その圧力を電気信号へ変換し、液面高さに応じた圧力が発生するため、その信号をタンク内の液面レベルとして使用することができます。
ダイヤフラムの種類
1. ゴムダイヤフラム
ゴムダイヤフラムは、一般的なポンプやバルブの制御に広く用いられています。ゴム素材は柔軟性に富んでいるため、ダイヤフラムの形状を変えることが容易です。
液体や気体の流体を効果的に封じ込めることができます。また、ゴムの耐久性は摩擦や振動にも耐えるため、長寿命で信頼性の高いダイヤフラムとして重宝されています。
2. メタルダイヤフラム
金属ダイヤフラムは、その高い耐久性と耐圧性により、厳しい環境下での使用に適しています。特に化学プラントやオイル・ガス産業、航空宇宙産業などで活用される製品です。
高温・高圧の環境でも優れた性能を発揮し、重要な制御部品として用いられます。また、金属ダイヤフラムは高精度な計測にも使用されるため、精密な産業分野でも重要な役割を果たしています。
3. プラスチックダイヤフラム
プラスチック製のダイヤフラムは、軽量で耐薬品性に優れている特徴を持ちます。そのため、薬品や食品産業、水処理施設などで広く利用されている製品です。
プラスチックは導電性を持たないため、電気絶縁性が求められる場面でも重宝されます。腐食性の強い化学薬品に対しても耐久性があり、様々な産業分野で重要な役割を果たしています。
4. フッ素樹脂ダイヤフラム
フッ素樹脂ダイヤフラムは、その耐薬品性と耐高温性により、特に腐食性の強い化学薬品の取り扱いに適した製品です。化学プラントや半導体産業などで頻繁に使用され、高い性能を発揮しています。
フッ素樹脂は非常に滑らかな表面を持ち、薬品の付着や堆積を防ぐため、衛生的な環境が必要な産業分野でも重宝されています。
参考文献
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/40/
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0379.html