アルミヒートシンクとは
アルミヒートシンクとは、電子部品や半導体素子から発生する熱を効率的に逃がすために用いられる放熱部品の一種です。
ヒートシンクには銅製やグラファイト系のものもありますが、日本国内で最も広く普及しているのはアルミニウム製のヒートシンクです。アルミは軽量で加工性に優れ、比較的安価であるうえ、熱伝導率も高いため、放熱部材として非常に適しています。
市販されているアルミヒートシンクは、形状や加工方法によってさまざまな種類があります。もっとも一般的なのは押出式ヒートシンクで、アルミ材を金型から押し出すことで、フィン(放熱板)を一体成形するタイプです。ほかにも、複雑な形状に対応できるダイカスト式、基材にフィンを機械的に圧着するカシメ式、ベース材からフィンを切削するブローチング式などがあります。
アルミヒートシンクの使用用途
アルミヒートシンクは標準品としてサイズや形状が豊富に揃っているほか、使用する機器に合わせたカスタム設計も行われています。
1. 半導体・パワーエレクトロニクス分野
アルミヒートシンクの代表的な用途は、パワー半導体やインバータ装置の冷却です。パワートランジスタや整流素子は稼働時に大きな熱を発生させますが、適切に放熱しなければ素子の性能低下や故障の原因となります。アルミヒートシンクを取り付けることで、効率的に熱を逃がし、長期安定動作を実現できます。
2. LED照明機器
LEDは省エネ性能に優れた光源として普及が進んでいますが、点灯中に半導体素子が高温になるため、放熱対策が欠かせません。市販のアルミヒートシンクは、街路灯や投光器、店舗照明などのLEDランプに組み込まれ、安定した光量と長寿命を確保しています。
3. コンピュータ・通信機器
コンピュータのCPUやGPU、サーバー機器のプロセッサも高い熱を発するため、ヒートシンクが必須です。ファンと組み合わせた強制空冷方式だけでなく、自然空冷でも高い放熱効果を発揮できる構造が求められます。さらに、基地局や通信装置などの連続稼働が前提の機器にも採用され、安定稼働を支える重要な役割を担っています。