絶縁型ゲートドライバとは
縁型ゲートドライバ(英語: Isolated gate driver)とは、スイッチング電源やスイッチングレギュレータに用いられるスイッチング素子(パワーMOSFET、IGBTなど)のオン/オフを制御する電子回路の一つで、制御システムから信号が入力される低電圧側とスイッチング素子を駆動する高電圧側が分離されています。
つまり、制御システムを大電力の電力変換部から電気的に隔離させることができるため、電源システムの安全性を向上させることができます。
絶縁型ゲートドライバの使用用途
大電力を扱う電源システムでは、スイッチング素子をはじめ電力変換部の各部品には数百 Vの高電圧が印加されたり、数十 Aの大電流が流れることがあります。
万が一、電源システムの故障や各部品の損傷が発生した場合、そのような高電圧や大電流が制御システムに突入し、制御システムが破壊される可能性があります。さらに、そのシステムをユーザが扱っている場合、感電の危険性もあります。
このような事故を防ぐために、絶縁型ゲートドライバを用いて制御システムを電力変換部から隔離することは有効な手段であると言えます。
絶縁型ゲートドライバの原理
ゲートドライバには低電圧側の制御システムで高電圧側のスイッチング素子を駆動する際のインタフェースの役割があります。
例えば、スイッチング素子としてパワーMOSFETを用いる場合、オンさせるときはソースに対してゲートにかける電圧をしきい値電圧より十分に高くする必要があります。通常この電圧は制御システムより高い電圧になります。また、高速にオン/オフさせるために、ゲート容量の充放電時間を早くすることも重要です。つまり、ゲートドライバはレベルシフタとしての機能とアンプとしての機能を持っています。
絶縁型ゲートドライバによって低電圧側と高電圧側が分離されるため、使用する際はそれぞれに異なる電源を供給します。また、信号パスも分離されるため、信号を伝搬する手段としてトランスやフォトカプラといった部品が用いられます。
これらの絶縁する手段によって、同相過渡耐圧(CMTI)やサージ耐圧といった性能が変わってくるので、用途に応じて適切に選ぶ必要があります。また、信号の伝搬遅延時間や立ち上がり/立ち下がり時間といった性能も考慮する必要があります。
参考文献
https://www.analog.com/media/jp/analog-dialogue/volume-52/number-2/articles/isolated-gate-drivers-what-why-and-how_jp.pdf
https://detail-infomation.com/gate-driver-type/