リブとは
リブは反り防止や機械強度を増すために使われる機械構造の一つです。
リブ構造が最もよく用いられるのは成形品です。特に薄い板を成形する場合、様々な要因で反りが発生します。その反りを抑えるためにリブ構造が用いられます。
単純に板厚を増すと使用材料が増えたり逆にボイドと呼ばれる空気が入りやすくなったりするため、強度を高めるという点では、剛性に影響する断面二次モーメントや強度に影響する断面係数を大きくするためのリブ構造をつける方が効果的です。
リブの使用用途
力が加わる箇所の強度を増したいところで使用されます。単純に板厚を厚くすることで、強度を増すことができますが、部品が重たくなったり、材料費が高くなるなどの問題もあるため、剛性に影響する断面二次モーメントや強度に影響する断面係数を大きくするためにリブ構造が用いられます。
また、意匠面など外観部品で複雑な形状に向いているプラスチックの成形品の場合、平面部が反ってしまい、意匠を損ねることがあるので、反り対策にも用いられています。
リブの原理
板金部品で強度を増すためにはリブを溶接する方法もありますが、曲げ部に三角リブとよばれるプレス加工によるリブ形成の方法もあります。プレス加工の場合、溶接ほどの作業工数がかからないため、安価に補強リブをいれることができます。
プラスチック成形品の場合、リブが太ければ太いほど反りは減りますが、太すぎるとリブの裏側は凹んでしまうヒケを引き起こしてしまいます。裏側の意匠が気にならない場合は、ある程度太くても問題ありませんが、通常は板厚の1/2程度の太さのリブをつけることでヒケを防ぐことができます。
また、リブの高さは板厚の3倍以下、根元のRは板厚の1/4~1/2程度が基準となっています。高すぎるとリブがショートなど成形不良の原因になり、根元のRが小さい場合は、応力集中により壊れやすくなります。逆にRが大きすぎると、その部位だけ肉厚となりヒケが発生したり、ボイドが発生して逆に強度を弱めてしまいます。
成形品なので抜き勾配も必要で、0.5~1.5°が必要です。