Uボルトとは
Uボルト(英語:U-Bolt)は、配管施工のパイプ布設の際に、パイプを架台、ブラケット、ステーなどに固定するために使用するボルトです。
ボルトはU字形で両端部にネジ加工が施されていて、Uボルト1本でパイプを容易で確実に固定することができます。
図1. Uボルトのイメージ図
従来Uボルトの規格として JIS F3022 船用鋼管取付Uボルト で規定されていましたが、使用実績が少なく利用頻度も低いことから2006年08月10日に廃止されています。JIS F3022には、A形、B形、C形がありました。しかしいま現在も旧規格で製作されているものもあります。今現在は、各メーカーにより仕様や寸法が規定されています。
図2. Uボルトの構造
Uボルトの使用用途
Uボルトは主にパイプ(配管)を固定する用途で使用されます。Uボルトはパイプ外径ごとにサイズ分けされており、パイプ外径にきれいに沿うようにボルトが丸く曲げられていて、曲面がなじみやすく相性が良いという特徴があります。
また配管用以外にも、トラックやバスなど重量の重い自動車のリア足回りのリーフスプリングと車軸の締結にも、使用されています。
固定したい対象物が角パイプやチャンネのような矩形の場合は、U字形ではなくコの字型Uボルト(コ型ボルト、コの字ボルト)を使用します。
図3. コの字型Uボルト
Uボルトの原理
Uボルトも通常のボルトと同じくナットを用いて対象物を固定しますが、U字で対象物を挟み込みため、対象物の径を正しく計測してそれに適合するボルトを選択することが重要です。
配管用でパイプを固定する場合には、Uボルトの「呼び寸法」はパイプ外径(呼び径もしくは外径)で示されているため、パイプ外径と同じ「呼び寸法」のUボルトを選定します。
角パイプにコの字形Uボルトを使用する場合も、必要な角パイプサイズが示されているUボルトの「呼び寸法」を選定します。
また、パイプを固定する部材が厚い場合は、全長の長い足長Uボルトを使用します。
UボルトのJIS規格は廃止されているため、メーカーにより細かな寸法にバラツキがあることがありますので注意が必要になります。
Uボルトの一般的な材質は、軟鋼、オーステナイト系ステンレス鋼(SU304、SUS316、SUS316L)などがあり、軟鋼にユニクロメッキ、溶融亜鉛メッキなどの防食対策としての表面処理を施したものがあります。用途や使用環境に適した材質を選定します。