USBアナライザとは
USBアナライザとは、USBバス上で通信を行うホストと周辺デバイス間に挿入してバス上を流れるデータパケットをキャプチャすることにより、USBプロトコルに従ってバスの解析を行うために使用する機器です。
USBバスが規格化されるまではPCと周辺デバイスとのインターフェースは機器ごとに異なり、キーボード、マウス、プリンタ等、別々に用意する必要があったため非常に煩雑かつ高額でした。なぜなら、それぞれのインターフェース規格に合わせてバスを駆動する回路並びに、ドライバソフトウェアを用意する必要があったからです。
USBバスのプロトコルがリリースされたことにより、周辺機器はインターフェースとしてUSBバスプロトコルにのみ対応すれば良いようになりました。
USBアナライザの使用用途
USBはPCやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話をはじめデジカメやプリンタ、PC周辺機器、さらに最近では車にも使用されるようになりました。また、1台の機器でも数個のUSB端子を有するものもあります。
それぞれの機器に装備されたUSB端子は、機器のサイズやその制約から複数の形状が用意されています。
1. Type-A
Type-Aは、コネクタの挿入口が、外から覗き込んだときに長方形をしています。このタイプは標準的なコネクタで通常PC用として利用されています。
2. Type-C
差し込む方向を気にせずに利用可能で、高速転送をサポートしたUSB3.1規格に対応しているのがType-Cです。最近では、ノートPCやスマートフォンの小型化に伴い、軽量化され小型化も進んでいるこのタイプのコネクタも増えてきています。
3. Type-B・MicroUSB
プリンタ等の比較的大きな機器に利用されているのがType-Bです。その他、スマートフォン等に使用されているMicroUSBやデジカメ等に利用されているMiniUSBがあります。
USBアナライザは以上の様なUSB端子を有する機器におけるUSBバス上のデータ通信の解析を行うための機器です。
USBアナライザの原理
USBバスでは、1台のホストに対して、最大5台の中継器 (ハブ) を従属的に接続可能で、最大127台の周辺機器を接続することができます。
USBアナライザは、以上のUSBバスにおいて定められたプロトコルに従いバスの解析を行います。USBにおいてはビット列のかたまりを最小の単位としたパケットにより、ホストと周辺デバイスの間で通信を行います。
このパケットを複数集めたデータ列の通信が、トランザクションと呼ばれるものです。これがデータ通信の基本となり、この物理的な通信の上で行われる通信の転送モードとして、コントロール転送、インタラプト転送、バルク転送、アイソクロナス転送の4種類が存在します。
USBアナライザの種類
USBアナライザは、大きさから機能まで多種多様なものがあります。一般的な据え置きで常時PCと接続しているタイプのほかに、以下に紹介する2種類が代表的なタイプのものです。
1. PCレスタイプ
PC無しで測定結果を確認できるタイプです。表示用モニタが付いているので目視確認できるほか、結果をプリントアウトする簡易プリント機能や後でPCにデータを移せるようSDカードなどのストレージがさせるようになっているものもあります。
2. 小型タイプ
胸ポケットにはいる軽量超小型サイズのものです。携帯に便利で、USBバスパワー駆動のためAC電源やアダプタも不要です。どのような環境下でも使用できることを考慮し、バンドルソフトもWindows、Linux、MacOSXなどの各種OS対応のものを用意してある場合が多くあります。
USBアナライザのその他情報
通信プロトコルのメリット
USB周辺デバイスとして、マウスが接続された場合を考えます。一般的に新たなデバイスとしてマウスがPCに接続されても、デバイスドライバのインストールを求められることはありません。
USB周辺デバイスが、自分が何者であるかをPCに接続して、通信が開始された直後にホストに知らせるという手続きを取るからです。この周辺デバイスからの情報をもとにホストは、内部に保持している標準のデバイスドライバを取り出して設定します。
これにより、USB周辺デバイスが新たに接続されるたびにデバイスドライバのインストールを要求されることがなくなります。
参考文献
http://www.kumikomi.net/archives/2011/06/usb_guide.php
https://www.pro.logitec.co.jp/about_hdd/hddssd/20191018/
https://www.sanwa.co.jp/product/cable/howto/usb.html
https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/pc-techo/2014/201403.html