高圧ポンプ

高圧ポンプとは高圧ポンプ

高圧ポンプとは差圧を用いて動作するポンプの中でも、吸引・吐出のための圧力が高いポンプのことを指します。

「高圧」といっても圧力値に関する明確な定義はありません。

メーカーによって「超高圧ポンプ」という名称の商品を1,000MPa以上の性能の機種に対して呼ぶこともあれば、300MPa程度の性能の機種に対して同様に呼んでいることもあります。

同様に、高い揚程(流体をくみあげることのできる高さ)を可能にするポンプのことを高圧ポンプと呼ぶこともあります。 

高圧ポンプの使用用途

高圧ポンプは、発電用ボイラの給水ポンプ (BFP: Boiler Feed Pump) に用いられたり、洗濯機、冷蔵庫、自動車等の製造工程ではデスケーリングポンプとして、さらに、海水淡水化の(中東など、水不足が深刻な地域で海水から真水を生成して飲料水に利用する)技術の用途に用いられたり等、非常に幅広い分野で用いられています。

また、高圧ポンプを使用すれば、少ない水量で強力な洗浄、剥離を行うことが可能であること(いわゆる「ジェット洗浄」)から、高圧洗浄機にも使用されます。 

高圧ポンプの原理

高圧を生み出すポンプは非容積式ポンプのうち、遠心ポンプにより実現されます。

遠心ポンプの圧力を生み出す能力は、渦巻ポンプタービンポンプ、多段渦巻ポンプの順に高くなりますのでこれらのタイプの原理について順に説明します。

渦巻ポンプにはケーシング内部に羽根車があり、モータで羽根車を回転させます。羽根車が取り付けられる回転軸の方向から液体を吸い込むと、内部に満たされた液体は羽根車が回転すると中心部と外周部との間に圧力差が生じます。液体は低圧の中心部から吸い込まれると、遠心力により軸直角方向(遠心方向)、つまり、外側へ押し付けられ、ケーシング内の渦形室(ボリュート)でさらに圧力が高められて最終的に吐出口から送り出されるしくみになっています。

タービンポンプの場合は、これに加え、回転する羽根車の外周に案内羽根(ガイドベーン)と呼ばれる回転しない固定された翼が配置されており、羽根車から出た液体の速度が案内羽根に導かれ、その案内羽根の間を通過するうちに徐々に減速し、代わって圧力エネルギーへと変換されて、最終的に高圧の液体が吐出されるしくみになっています。

多段渦巻ポンプでは一つの軸に回転羽根とケーシングを何段も重ね、段階的に揚程を上げるしくみになっており、これにより、更に高い揚程の実現が可能になります。

参考文献
https://www.ebara.co.jp/about/technologies/abstract/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/08/24/251_P04.pdf
https://www.ebara.co.jp/about/technologies/abstract/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/08/24/251_P04.pdf
https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4599#h3_5

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です