COD計とは
COD計は水中の化学的酸素要求量(Chemical oxygen demand: COD)を測定するための機械です。
*COD: 水試料中の有機汚濁を測るための指標として用います。主に湾岸や、湖沼等の閉鎖性水域において、環境を評価する際に使われています。CODの値が高ければ高いほど(試料の酸素要求量が多いほど)、汚れた水であるといえます。
CODと同様に水質の指標として生物化学的酸素要求量(Biochemical oxygen demand: BOD)が用いられています。
*BOD: 微生物が水中の有機物を分解する際に必要になる、酸素量を表す指標であり、河川の基準項目として用いられます。
COD計の使用用途
CODは、有機物が分解される際に消費される酸素の量を、酸化剤(過マンガン酸カリウムを用いることが多い)によって測定します。有機物が多いほど、酸化剤を加えた際に必要とされる酸素の量は多いので、CODは高まります。
環境省により、CODの基準値・目標値は決められており、環境評価や排水処理の際の基準となります。これらの基準値は、ノリの養殖・工業用水など、水域の種類や用水の使用用途より異なります。また、CODはmg/Lで表されますが、測定方法により、値が異なるので注意が必要です。
日本では、事業所の排水量に応じて、簡易 COD計の使用が認められています。
COD計の原理
COD計の測定方式として、以下の方法が採用されています。
1. COD自動測定器(酸性法・アルカリ性法)
自動測定器においてシェアを占めているのが酸性法です。
試料への試薬の添加と、加熱・過マンガン酸カリウムの測定までを自動化して行います。
以下の方法は、簡易COD計において採用されている方法です。野外や現場で手軽に測定することができます。
2. クーロメトリー(電量測定)方式
試料に電極を入れ、電解することで酸化剤を生み出し、滴定を行います。滴定に使用した電気量を元にCOD濃度を求めます。
3. 比色法
酸化剤である過マンガン酸カリウムの残留量を、試料に一定の波長を照射して、吸光度により求めます。これを元に、CODを算出します。試薬の濁りや試料中の懸濁物質によって吸光度の測定に影響される場合があるので注意が必要です。より簡単な方法として、パックテストを用いた比色法も存在します。
この他に手分析による測定方法もありますが、今回はCOD計に関する解説のため、省略します。
参考文献
https://www.jswe.or.jp/publications/jutaku/wsi/pdf/seikasyu-003.pdf
https://aqua-ckc.jp/products/cod.html
http://www.env.go.jp/kijun/wt2-2.html
https://www.jemima.or.jp/tech/5-02-04.html