ベアリング押さえピンとは
ベアリング押さえピンは、ベアリングの固定に使用する部品の一つです。
該当ベアリングのサイズに合ったピンで、軸受の幅を押さえながら、ねじで規定の箇所にベアリングを配置することができるピンです。
各種ベアリングとは別に、ピン単体で販売されています。ベアリングとは別に購入する場合は、対応するベアリングのサイズを確認してピンを選ぶ必要があります。
ベアリングの固定で類似の方法が、ベアリングユニットの使用です。
ベアリングユニットはボルト等で設置し、軸を挿入して荷重を支持するよう使用します。
押さえピンとベアリングユニットでは、固定方向と固定部分とが異なります。
ベアリング押さえピンの使用用途
ベアリングは単体で購入すると、通常、ベアリング外径面を既定のはめあい寸法であるハウジングの内径面に挿入し、さらに、ベアリングの内径面に軸となる部品を挿入して使用しなければ機能しません。
しかし、軸やハウジングに、直接ベアリングを組み込むと、交換等の補修が非常に困難になるケースが多数あります。
その補修作業を簡単にするため、この押さえピンを使用することがあります。
固定方法は異なるが、ベアリングユニットを使用しても、同様に補修作業が簡単になります。
ベアリング押さえピンの原理
構造は非常にシンプルで、押さえピンは、ボルトによく似た形状をしています。
ボルトのねじが切られている側と反対側には、六角穴等が加工されており、六角穴付きボルト同様、簡単に回せるようになっています。こちら側の外径面はベアリングの内径寸法より若干大きな直径寸法となっており、ねじで締めこむと、ベアリングの幅面を押さえられる様になっています。
ベアリングの内径寸法より大きな直径寸法の隣には、ベアリングが挿入される(軸となる)部分があります。
ベアリングが挿入される部分の隣に、ねじが切られている部分があります。
例えば、ベアリングが構造体・ベース(高剛性部材)等に焼き嵌め等で内蔵されており、別部品の軸を挿入して、その軸を回転軸として使用する場合は、軸に所定のタップ穴をあけるだけで、軸とベアリングを、押さえピンで固定することが可能になります。
この場合、押さえピンを外すことで軸を外すことが可能になるため、補修作業が簡単になります。
ベアリングユニットを使用する場合は、構造体・ベース(高剛性部材)等の任意の場所にタップ穴をあけるだけで、ベアリングユニットを配置でき、軸の設置が可能になります。
2個のベアリングユニットを使用してはめ合いがルーズである軸を支える場合、片方のベアリングユニットのボルトを外すことで、軸の取り外しが可能になるので、補修作業が簡単になります。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/c1229.html
https://www.ntn.co.jp/japan/products/bearingunit.html
https://www.asahiseiko.co.jp/product/bearings/series.html