カレントセンサー

カレントセンサーとは

カレントセンサーとは、回路に流れる電流を測定する装置です。

電流センサーなどとも呼ばれることがあります。電流が流れる回路や導体に取り付けられ、通過する電流の量や特性を監視します。カレントセンサーは一般的に堅牢な設計であり、長期間の使用が可能です。

また、適切に設置されれば、高い信頼性で測定することもできます。一部のカレントセンサーは非接触で電流を計測することが可能であり、高電圧や危険な環境での電流計測ができる点が特徴です。

ただし、測定したい電流範囲に応じて適切な電流容量を選択する必要があります。過負荷や過電流が発生すると、センサーが損傷をするケースも考えられるためです。許容電流範囲を確認し、適切に設計することが重要になります。

カレントセンサーの使用用途

カレントセンサーは主に電気回路で使用されます。以下はカレントセンサーの使用用途一例です。

1. 電力制御

電力供給装置や電力変換装置において、電流の監視と制御を行います。太陽光発電システムや風力発電システムでは、カレントセンサーによって発電電流の量や特性を監視し、安定した電力供給が可能です。

また、回路や機器を過電流から保護するために使用されます。電力供給装置や電力回路において、定格電流を超える電流をカレントセンサーで検出して保護回路を作動させることが可能です。過電流保護は短絡などによる機器故障から、安全性を確保するために重要です。

2. バッテリー制御

電池の充放電電流を監視するバッテリー管理システムに利用されます。電流の測定により、バッテリーの状態評価や残存容量の推定などが可能です。カレントセンサーによるバッテリーモニタリングは、電気自動車やモバイルデバイスなど、さまざまな応用分野で重要です。

3. モーター制御

カレントセンサーはモータードライブ制御において重要な装置です。モーターの電流を測定し、制御アルゴリズムにフィードバックすることで、モーターのトルクや速度を制御します。主にインバータなどの駆動装置で広く使用されます。

カレントセンサーの原理

カレントセンサーの原理は、アンペアの法則に基づいて電流を測定することです。アンペアの法則は、導体を通過する電流と導体の周りの磁場との関係を示しています。

アンペアの法則によれば、導体を通過する電流は、その周りに形成される磁場の強さと比例します。カレントセンサーはこの磁場または電流の影響を検出して、それを電圧や他の信号として検出することが可能です。具体的なカレントセンサーの原理に応じて、さまざまな方法が使用されます。

カレントセンサーの種類

カレントセンサーには測定原理に応じて、さまざまな種類が存在します。以下はカレントセンサーの種類一例です。

1. シャント抵抗型カレントセンサー

電流が流れる回路にシャント抵抗を直列に接続することで、電流値を測定するカレントセンサーです。シャント抵抗に流れる電流は、オームの法則によって抵抗値と測定される電圧降下によって計算します。抵抗値が既知であるシャント抵抗の両端電圧を測定することで、電流を測定することが可能です。

シャント抵抗型は高精度で電流を測定することができます。また、構造が簡単なため、安価で製造することが可能です。基板上や大電流の整流回路などに使用されます。

2. ホール効果型カレントセンサー

ホール素子を使用して電流を検出するカレントセンサーです。ホール素子は電流が流れる導体の近くに配置され、磁場の影響によってホール電圧が発生します。このホール電圧を測定することで、電流を検出します。

直流電流を非接触に測定することが可能です。直流の可搬式クランプ電流計などに使用されます。

3. 変流器型カレントセンサー

交流電流を変流して測定するカレントセンサーです。二次巻線となる導体から構成されており、一次巻線電流に応じて変化する二次巻線電流を測定します。これにより、交流電流を計算することが可能です。

安価かつ測定精度が高いため、産業機器に広く使用されます。ただし、重量が重く、使用するための面積が大きいことが欠点です。

参考文献
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/sensors/sensor_what6

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