FVコンバータ

FVコンバータとは

FVコンバータとは、回転速度や移動速度に比例した周波数 (Frequency) を電圧 (Voltage) に変換する機器です。

周波数の変化をモニターしたり解析するときなどに使います。逆変換装置として、VFコンバートと呼ばれる機器もあります。

ハイブリッド車や電気自動車に使われているモータ、生産工場での製造ラインの高速化にも対応した機器です。立ち上がり特性や定常回転時の微小回転変動、流速変化の過渡現象も高速応答で計測できます。

FVコンバータの使用用途

周波数は目に見えるものではないため、FVコンバータで周波数を電圧に変換します。ノイズに弱いアナログ信号は長距離の移動に向かないことから、さらにADコンバータ (アナログ信号をデジタル信号に変換する装置) を一緒に用いると、デジタル数値として認識することが可能です。

確認できる項目としては、モータの立ち上がり特性、各種回転機器の回転性能計測、エンジンやモータの回転変動測定、過負荷による回転性能試験などがあります。

FVコンバータの原理

FVコンバータにパルス信号を通すことで時間の経過とともに減衰していく信号を作り出し、その重なりによりパルス周波数に応じた電圧信号を得ることが可能です。アナログチャンネルとデジタルチャンネルを使用します。

センサからの信号は、コンパレータでのゲート開閉信号を作ります。測定範囲を変更することで基準周波数が切り替わり、入力周波数の周期に応じてゲートが開閉します。

この間に行うのがクロック数の積算です。次の周期でカウンタの内容がD/A変換器に送信することでアナログ信号に変換された出力が得られます。

FVコンバータの種類

種類により、回転速度計測での多チャンネル計測・小振幅信号検出器への対応をしている機器もあります。予測演算を搭載し、減速時でも滑らかな出力を得ることが可能で、駆動部の加減速や挙動解析試験等に有用です。

ロータリエンコーダの多パルス化に伴い入力周波数が高く、入力アンプの広帯域化にも対応してしているものなどさまざまな製品が展開されています。

FVコンバータのその他情報

1. フィルタリング

一体型のローパスフィルタリング又はプログラム可能なフィルタリングの機能があります。一体型フィルタは一部の信号入力周波数を通しますが、その他は遮断します。

ローパスフィルタには、しきい値が設定されています。しきい値を下回る信号は通過できますが、 上回る信号はブロックされます。

2. 急減速追従機能

FVコンバータの中には、急減速追従機能を有するものもあります。この機能は回転体などで入力信号が急激に減速した際に、前のパルス間隔以上入力が無い場合、回転出力を減速して停止する機能です。

追従機能がONの場合は設定回数分のパルス間隔待っても信号入力されないと、すぐにアナログ出力は0になります。追従機能OFFの場合は入力信号が0になってから、時間が経った後にアナログ出力が0になります。

3. トリガ機能

トリガできる電圧パルス信号を入力すると、その周波数に比例した1パルス応答のF/V変換出力を行うことができます。トリガレベルは機器によって規定されており、規定内のレベルであれば任意に設定可能です。

4. 線形性

FVコンバータでは周波数に比例した直流電圧を得ることができますが、周波数範囲を広く取ると周波数-電圧間の線形性が低下する特徴があります。

パルス信号の周波数が高い場合に、回路内コンデンサに蓄えられた電荷の放電が完了しないうちに新たなパルス信号が入力されることが原因です。

そこで、短時間でコンデンサ内の電荷を放電するために、新たに放電経路を追加したFVコンバータもあります。従来の回路では高周波数帯域で線形性が劣化していたのが、線形性を保ったまま変換が可能となります。

参考文献
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/tach/fv1500.htm

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です