8ビットマイコン

8ビットマイコンとは

8ビットマイコンとは、マイクロコントローラの略称であるマイコンの中でも、処理用のビット幅が8ビットに限定されたものです。

ある入力に対して、出力をプログラムできるという特長を持ちます。一般に普及しているマイコンの中ではその処理能力は低く、高速度通信などには適しません。

しかし、単純な照明のオンオフなど、ごく簡単なプログラム操作には十分な性能を持ちます。また、市場流通も多いため、入手しやすく安価であることから、今でも身近な多くの電子機器に採用されています。

8ビットマイコンの使用用途

8ビットマイコンは、処理用のビット幅が8ビットのため、簡単な動作を安価かつ手軽に表現する際に使われます。そのため、市販されている多くの電子機器には、無数の8ビットマイコンが内蔵されています。

例えば、冷蔵庫に内蔵された8ビットマイコンは、庫内を一定温度に保ったり、ドア開閉時の照明を点灯させたりするのが役割です。炊飯器では、スイッチが押されたら炊飯がスタートする、予約タイマー機能がセットされたら、そのタイマーが作動するために使用されています。

8ビットマイコンの原理

マイコンの中身は大きく分けて、入力部と処理部および出力部から構成されます。入力部では、外部スイッチなどからのオンオフの信号を受け取ります。その入力を受けた場合、入力信号に応じて処理を実施し、適切な出力をします。

この処理部の中身をソフトウェアとして捉え、あとから変更することができるのがマイコンの利点です。マイコン無しで組まれた回路では、このデータ処理の部分を変更しようとした場合、実基板の回路を変更する必要があります。それに対して、マイコンであればソフトウェアを書き換えることで対応することが可能です。

複雑な回路構成を変更するには、多くの時間と労力を要します。しかし、あらかじめ入力信号による条件分岐をマイコンへ担わせることで、あとから多量の基板の制御変更が起こったとしても容易に対応できます。

また、回路構成が複雑になればなるほどトランジスタなど必要部品が多くなるため、装置が大型になりがちです。マイコンを使うことでその大部分を集約できるため、装置の小型化も同時に実現されます。

8ビットマイコンの構成

マイコンはI/O、CPU、ROM、RAM、周辺回路の部品で構成されています。

1. I/O

マイコンは外部のさまざまな回路や装置の間で信号のやり取りを行います。最も基本的な仕組みを汎用I/O、またはGPIO (General Purpose I/O) と呼びます。汎用I/Oはマイコンの持つ入出力ピンを指します。

2. CPU

中央演算処理装置 (英: Central Processing Unit) の略です。マイコンの中で命令を実行する装置に当たります。パソコンとマイコンの大きな違いとして、このCPUの処理能力が挙げられます。マイコンはパソコンと比較すると単位時間当たりの命令実行数が少なくなります。

一方で、マイコンが持つCPUのメリットとしては安価で消費電力が小さいこと等があります。

3. ROM

「Read Only Memory」の略で、読み出し専用のメモリのことです。不揮発性メモリと呼ばれており、電源を消去しても記憶したデータを保持できる性質を持ちます。

4. RAM

「Random Access Memory」の略になります。読み書きが可能なメモリであり、CPUの演算結果等の一時的なデータを格納する役割等を持ちます。

8ビットマイコンのその他情報

8ビットマイコンのメリット

高性能マイコンと呼ばれるものは、現在多数あります。高速、大容量な処理は、32ビットマイコンや64ビットマイコンなどが圧倒的に能力が高く、8ビットマイコンでは到底太刀打ちできない差があります。

それでも8ビットマイコンが使用されるのは、少ないセンサやスイッチの情報を元に最低限の動作や表示の制御をすればよい場合に、必要以上に複雑な制御ロジックを組む必要がないからです。扱いがシンプルで安価な8ビットマイコンを採用した方が、コストパフォーマンスが良いという結果になります。

また、複数の機能を有するシステムの場合は、動画や通信などの制御は32ビットマイコンを選択し、それ以外の基本動作は8ビットマイコンで対応するなど、1システム中に複数のマイコンを装備するようなケースも多いです。

参考文献
https://www.renesas.com/
https://jp.rs-online.com/

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