記録計

記録計とは記録計

記録計は、電流や電圧、熱電対や測温抵抗体といったセンサーから得た温度などのデータを記録することができる機械です。

使い方は簡単で、入力信号と接続して操作します。測定するセンサーを変えて圧力、流量、濃度などの複数のデータの記録も可能です。

以前は紙にデータを印字するタイプが主流でしたが、最近では電子データとして表示し、内部メモリー等に保存しているペーパーレスタイプが多くなっています。データロガーとも呼ばれます。

記録計の使用用途

記録計はセンサーにより計測した各種のデータを記録することができます。また、記録計は比較的緩やかに変化するデータを長期間記録することが得意なので、そういった実験や製造工程における情報を管理しています。場合によっては数年間という単位でデータを記録しています。

水位や湿度、温度、圧力、流量など様々なデータを記録し、バーグラフやデジタル表示などデータを見やすい方法で表示させることができます。データの分析のため、同時に複数の測定データを記録し表示させる場合もあります。

記録計の原理

ペーパーレスタイプと紙に記録するタイプでデータの表示と記録の原理が異なります。入力部では両方とも電圧、変換した電流、熱電対等の信号を受け取ります。

ペーパーレスタイプでは、入力信号を画面上に表示させ、内蔵されたメモリーに記録していきます。時刻表示や数値のデジタル表示、トレンド表示など表示方法を選択することができます。測定したデータをパソコンにつないで表示させる機種とパソコンなしで表示させる機種があります。

紙に記録するタイプでは打点式とペン式があります。打点式では設定された時刻ごとにスイッチの数の分が打点されます。ペン式ではペンサーボが使用されます。入力信号に比例するようにペンサーボが移動し、記録します。小型のステッピングモーターによりペンサーボが移動し光エンコーダが位置を検出しています。

両方のタイプとも熱電対を使用した温度測定の信号の場合には、測定箇所と記録計の距離が離れている場合には、補償導線の選定や、基準接点温度補償の設定等を適切に行う必要があります。

記録計のその他情報

1. アナログ記録計

現在、記録計の殆どがデジタル化された中で、アナログ記録計は稀少な製品となっています。
そんな中で、EL3000シリーズは長年愛用される記録幅100mmの最も新しい機種です。
2か3か6入力の伝統的な打点式機種と1~3入力のペン書式機種があります。
入力の種類や目盛は固定仕様ですが、設定項目が少なく誰でも簡単に使えて製造現場で人気です。
熱電対や測温抵抗体などの入力に関しても温度の目盛は直線的で読み取りし易いアナログ方式です。
しかし、熱電対と測温抵抗体などの異なる種類の入力組合せも可能です。

また電源100~240Vで、ACのフリー電源が採用されています。
その他の一般仕様としては、消費電力12~22VAで打点の数によって変わっています。
ケースは昔ながらのガラスの扉で、後ろ側はABS樹脂ケースになっています。
取付方法はパネルを埋め込むタイプで、総重量は約1.6Kgのため持ち運びも便利です。

2. 記録計のペーパーレス化

最近の記録計トレンドにおいて、半導体メモリの低価格化やパソコンの測定システムが簡単に構築出来る様になった影響は多大です。
結果として、確実にペーパーレス記録計にユーザーは移行しており、最近発売される記録計はほぼペーパーレス記録計と言うのが現実です。
ペーパーレス記録計の歴史自体は古く、1950年代にデジタルマルチメーターが登場したことにより、その歴史は始まりました。
それとプリンターとスキャナーを組み合わせたデータロガーが計測システム製品として登場したのです。
その後、データロガーは小型化、電圧・温度測定可能で一体型の装置となりました。当時の代表的な製品はYODACシリーズがあります。

現在ではカラー画像ディスプレイの複数チャンネル品や測定結果表示をパソコンで実施するもの等、多彩な製品が開発されています。
本体に操作パネルのないペーパーレス記録計は、パソコンから記録検索・加工・表示・記録保存等の操作を行う為、パソコンソフトの重要性が高まっています。
また、測定結果を画面に表示できる記録計は本体だけで記録されたデータの表示や検索が容易に操作できる機能を持っています。

参考文献
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-Recorder-01/
https://www.chino.co.jp/products/recorders/el3000/
https://ednjapan.com/edn/articles/1812/04/news003_3.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です