アングルプレートとは
アングルプレートとは特定の角度 (angle) に切り出された金属製のプレートです。
金属加工の固定具などとして使用される治具で、板材などの加工において正確な角度出しを行いたいときに用います。直角に切り出したい場合や、30度、45度などの角度で切り出したい場合など、求める角度に合わせたプレートが販売されています。なお、最も種類が多いのは直角のアングルプレートです。
なお、材料の切り出しなどの用途とは別に、天体観測等で用いる小型で角度を変えられるアングルプレートも販売されており、カメラ等の業界では「アングルプレート」といえばこちらの製品を指すことが多いです。
アングルプレートの使用用途
材料加工の分野で使用されるアングルプレートは、金属等の加工時に使用します。特に直角を重要とされる切削、研削のマスターブロックとして活用される治具部品です。板金の端面を削るときに直角の部材を用いて固定、加工することで安定した加工ができます。中ぐり盤、ラジアルボール盤、プレナーや、マシニングセンタ、ジグボーラーなどに対して治具として使用される場合もあります。
また、アングルプレートは完成した製品の角度確認に用いることも可能です。角度が異なる複数のプレートを組み合わせることで所定の角度を測定することもあります。
アングルプレートの原理
1. 概要
アングルプレートの構造は非常にシンプルで、所定の角度を有する金属板です。金属加工時に用いるアングルプレートは直角型になっているものが多く、加工時の固定、角度出しに用いられます。用途に応じて溝有り、溝無しのタイプがあったり、材質が異なります。
アングルプレートの中には三角定規のように30度、45度、60度の角度を有するプレートもあります。これらのプレートは加工後の製品が所定の角度になっているか確認するために使用されることが多く、内角検査用ゲージ、もしくは内角検査用ゲージと呼ばれている場合もあります。プレートを組み合わせることで様々な角度のものを確認することが可能です。
2. 素材
アングルプレートは、一般的な治具部品として、SK材やFC300、FC250などが材料に用いられます。SK材とは、炭素工具鋼鋼材のことで、0.55〜1.5%の炭素を含有し、特別にクロム・モリブデン等の合金元素を添加していない高炭素鋼です。
FC250やFC300とは、片状黒鉛鋳鉄 (ねずみ鋳鉄) の一種です。数字は、引張強さを表しています。耐摩耗性に優れた強靭な材質です。また焼入れにより耐摩耗性が高められる素材であり、焼入がされている場合が多いです。破面はねずみ色であり、微細なパーライトに微細で均一な片状黒鉛が分布した組織をしています。
3. バリエーション
アングルプレートをVブロックと組み合わせた製品も販売されています。これは特定の角度で材料を加工するときに用いる道具です。このような所定の角度で加工する場合、従来はサインバイスなどの道具を使用していましたが、このプレートとVブロックを組み合わせた製品はセッティングに要する時間が短く、生産性向上につながります。
アングルプレートの種類
アングルプレートには、前述の通り直角、30度、45度、60度などの角度の種類があります。大きさは様々な種類があり、1辺15cm程度の小型の製品から1m近くになる大型の製品まで様々です。小型製品では重量2kg程度ですが、超大型製品では数百kgにも及びます。ワークを固定するT溝付きや、ネジ穴加工がされている製品もあり、一部の製品ではユーザー側でタップ穴、T溝等の追加加工を行うことが可能です。穴の大きさ・形状、ピッチにも様々なものがあります。
また、自由に傾斜角度を変えることができるスイベル型のアングルプレートもあります。この場合、傾斜角度は-30~90度程度が可能です。
その他、研削仕上げが施された製品や、横型マシニングセンター用取付穴が開いているもの、リブ有り・無しなど、バリエーションは様々です。用途に合わせて、適切なものを選択することができます。
参考文献
http://mecha-tech.la.coocan.jp/angle_plate/angle_plate.htm
https://www.fujitool.co.jp/products/jig/000106.html