ポジショナとは
ポジショナとは、外部からの指令を基に位置決めを実施する装置です。
モーターや油圧シリンダーなどのアクチュエータと組み合わせて使用され、目標位置に移動させるために設計されます。機械加工やコントロールバルブなどに使用され、高い位置決め精度や速度、耐久性が求められる場合があります。
ポジショナの使用用途
ポジショナは位置決め用制御装置の1種で、幅広い装置に使用されます。以下はポジショナの使用用途一例です。
1. コントロールバルブ
ポジショナはコントロールバルブの開度制御に使用されることが多いです。コントロールバルブ用制御機器を指してポジショナと呼ぶこともあります。コントロールバルブにポジショナが付属して販売される製品も多いです。
プロセス系のプラントに用いられることが多いです。化学プラントや石油化学、製鉄所や火力発電所などが代表例です。反応用空気の流量の制御や排ガス圧量の制御に使用します。
2. 自動化ラインや組立ラインでの位置決め
自動化ラインや組立ラインでは、製品パーツの位置決めが非常に重要です。ポジショナを使用することで、高い位置決め精度を実現し、製品の品質向上や生産性の向上につながります。
また、産業ロボットにおいても高度な位置決めが求められるため、ポジショナが使用されることがあります。これらはアセンブリ系の工場で使用されることが多く、自動車産業などがその一例です。
3. 機械加工
機械加工の業界でも位置決め制御機器をポジショナと呼びます。機械加工では高精度な位置決めが必要とされる場合があります。
ポジショナを使用することで、高度な位置決め制御が実現し、製品の精度向上や加工時間の短縮につながります。旋盤加工や曲げ加工、溶接などでの加工に使用されます。
ポジショナの原理
ポジショナは、一般的に位置検出素子によって位置情報を取得します。それに基づいてモーターや油圧シリンダーなどのアクチュエータを駆動して、目標位置に制御精度をもって移動させることで、位置決めを行います。
具体的には、位置検出素子として光学式センサーやマグネチックセンサーなどが使用されます。これらのセンサーで目標位置と現在位置の差を計測することで、位置情報の取得が可能です。
位置情報を取得した後はそれに基づいてアクチュエータを駆動して位置決めを行います。アクチュエータには、電動式のステッピングモーターやサーボモーター、油圧式のシリンダーなどが使用されます。これらのアクチュエータは制御信号に基づいて位置決めを行い、目標位置に制御精度をもって移動します。
位置検出センサーとアクチュエータを組み合わせてフィードバック制御を行うことで、より高度な位置決め制御を実現することが可能です。フィードバック制御では、位置検出センサーから得られた現在位置情報をもとに、アクチュエータの駆動量を調整することで実施します。
ポジショナの種類
ポジショナにはいくつかの種類が存在します。以下はポジショナの種類一例です。
1. 電空ポジショナ
電空ポジショナは電気信号を入力し、位置決め駆動装置に空気圧を利用する方式のポジショナです。センサーは磁気式や光学式などが使用され、圧電素子などによって制御を行います。
コントロールバルブの場合は、このポジショナが使用されることが多いです。空気圧と電気信号を入力して開度を制御するバルブが多く販売されています。
2. 電電ポジショナ
電電ポジショナは電気信号を入力し、位置決め駆動装置に電気を利用する方式のポジショナです。センサーは光学式やマグネチック式が使用され、アクチュエータとしてはステッピングモーターやサーボモーターが使用されます。大型のバルブなどで一般的な誘導モーターが使用される場合もあります。
3. 空空ポジショナ
空気圧式ポジショナは空気圧信号を入力し、位置決め用駆動装置に空気圧を利用する方式のポジショナです。危険物施設などの防爆が必要な場所などで使用され、電気を導入したくない場合などに適しています。
参考文献
https://www.emerson.co.jp/ja-jp/automation/valves-actuators-regulators/controllers-instruments/positioners
https://www.azbil.com/
http://energy-kanrishi.com/position/