配線保護材

配線保護材とは

配線保護材

配線保護材は、各種の配線にかかる力や電気的な作用から保護する役割を持つ製品です。

ホルダー、ブッシュ、集束するスパイラルチューブなど様々な形状があります。中でも特にチューブ型が多く、スナップボタンで留める仕様や、スリットが入っているものなど、さらに分類することができます。

代表的なチューブは、コルゲートチューブ・スパイラルチューブ・ネットチューブの3種類です。使用する場所や使用用途によって適切なものを選定します。

配線保護材の使用用途

配線保護材は、扉渡り線の束線・盤内配線の保護・電子部品のハーネス結束などでよく使用されています。配線保護材は、柔軟性や耐久性の面で使い勝手が良く配線の結束性に優れているのが特徴です。配線保護材の種類によって、使用用途は異なります。

1. コルゲートチューブ

スリットが入った蛇腹形状のコルゲートチューブは特にワイヤーハーネスを保護する目的で自動車、建機、農機、家電や住宅に至るまで幅広く使用されています。

2. スパイラルチューブ

スパイラルチューブは、産業機械の可動部に配線するケーブルやホースの保護材としてよく使用されています。

3. 伸縮編組チューブ (ネットチューブ)

伸縮編組チューブ (ネットチューブ) は、軽量でしなやかなのが特徴です。配線保護材として柔軟に配線をまとめることが可能であるため、飛行機の配線やコンサート、劇場の音響や照明機器の集束に使用されています。

4. グロメット

グロメットは、配線引き出し口などのパネルの穴の損傷から配線を保護する際に使用されています。

配線保護材の原理

配線保護材は、基本的に配線の周囲をチューブ等で覆うことによって保護しています。スリットが入っている保護材の方が配線を入れやすい構造です。保護材に適合する電線の内径と、チューブの自然内径を比較しながら品番を選択します。また、チューブの材質によって使用用途が変わってくるため、適切な選定が求められます。

1. ポリプロピレン

絶縁性で電気を通しません。柔軟性があり、ひび割れしにくいので、標準的なチューブによく利用されています。安価でサイズや色の展開が豊富です。

2. ナイロン

100℃程度の高温にも耐える素材で絶縁性です。ポリプロピレンよりも若干硬くて値段は高い傾向があります。耐候性に優れており、屋外での使用に好まれます。

3. 防ネズミ用忌避剤含有ナイロン

屋内外での使用時にネズミにかじられてしまう被害を抑えることができます。ネズミがかじると刺激や辛味を感じる仕様になっており、断線を予防します。

4. クロロトリフルオロエチレン

伸縮性に富んでいて、滑りがよく150℃程度まで耐熱性を持ちます。値段は高価です。

 

その他、シリコン編み込みやガラス編み込みチューブなど、自己消火性が高く、耐熱温度が180℃程度まである製品もあります。

配線保護材の特徴

1. コルゲートチューブ

コルゲートチューブは、配線保護用部材として使われる配線保護チューブの一つです。電源の供給や信号の通信などに用いられる複数の電線・配線を束にする配線用ハーネスのひとつでもあり、電線や配線を束ねるだけでなく、様々な外からの衝撃から守る役目も担っています。

チューブの表面は波の形状になっているため、標準的なチューブよりもソフトで、取り回しが容易です。そのため、狭い所や変わった形をした空間でも使用できます。チューブの長さは、短いものから長いものまで、多種多様にラインナップされており、はさみなどでカットし、使用条件に合わせ長さ調節することも可能です。

チューブの材質は、大別してポリプロピレンとナイロンの2種類があります。ポリプロピレンは柔軟性と丈夫さを併せ持った素材で屋内用に多用されます。ナイロンは単価は高いのですが、劣化しにくいので、屋外用に適しています。用途に合わせて最適な材質を選べる点もコルゲートチューブの魅力です。

2. スパイラルチューブ

スパイラルチューブは配線保護を目的としたチューブです。弾力がある素材なので、それを活かして産業用のケーブルやチューブとして広く実用されています。また、ワイヤ保護やバンドの目的の他に、配線類の整理整頓としても活用されています。配線の整理整頓に使用する時は、バンドしたい配線を1ヶ所にバンドして、外枠をチューブで巻きつけるだけなので非常に簡単です。

スパイラルとは英語で螺旋を意味し、渦巻き状に巻き付いたチューブのような形状に特徴があります。スパイラルチューブの素材はプラスチックのほか、ナイロンやポリエチレンフッ素樹脂など、様々な素材が使われています。

3. 伸縮編組チューブ (ネットチューブ)

ネットチューブは特殊製法で編み組みされており、どこからでもハサミでカットして使用できるソフトタイプのチューブです。すぐにカットができるため、効率良く容易に保護結束をすることができます。また、カット時もきれいな状態を保持できる点が魅力です。

その他、ネットチューブは編み組みされた構造となっているので、チューブ内部に熱や湿気を溜めずに長期間維持することが可能で、網込み密度も高いため製品の保護力に優れています。可動部での電線の保護に使用する際に最適なチューブです。

参考文献
https://kurashi-no.jp/I0015516
http://www.shinagawashoko.co.jp/jp/cat4.html
https://www.panduit.co.jp/column/nattoku/4378/
https://www.panduit.co.jp/column/nattoku/2689/

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