エアーリークテスター

エアーリークテスターとは

エアーリークテスター (英: air leak tester) とは、対象物の内部からの空気漏れを検出する機器です。

対象物内を加圧や減圧し、その圧力を直圧式、差圧式など様々な方式で検知することでリークテストを行います。対象物の形状や、中に空気や水以外の物が入っているかなどで、適切なエアーリークテスターの型式は変わります。

石鹸水などで行う簡易的なリークテストとは違い、エアーリークテスターを使えば、リーク箇所とリーク量を正確に検知することが可能です。

エアーリークテスターの使用用途

エアーリークテスターを用いることで、単なる漏れチェックばかりでなく、漏れ量の定量的把握や検査の自動化ができるようになります。

なお、具体的な漏れ検査は以下のとおりです。

  • 冷却用水道配管の継手
  • ガスコンロやガスボンベのレギュレーター
  • LPGや炭酸ガスなどの高圧ガスの圧力容器
  • 自動車のシリンダーやオイルポンプなどの各種部品
  • 医療器具の輸血用ポンプ
  • 土木機器の油圧配管や油圧シリンダー

また、流量制御を行う回路などのリークテストにも用いられ、自動車用パーツの検査に多く使われていますが、これはウォッシャー液のタンクや、エアバッグなどエアーリークが許されないパーツが自動車用パーツに多いからです。

エアーリークテスターの原理

リークテストの方法は、「JIS Z 2330:2012 漏れ試験方法の種類及びその選択」に詳細の規定があります。

空気などの気体を使用する漏れ試験には、液没法、発泡法、圧力変化法、差圧変化法、流量測定法、超音波法など多くあります。

1. 液没法

液没法は、対象物を気体で加圧し、液体の入った槽の中に対象物を水没させて、そこから出てくる気泡を確認する方法です。おもに目視検査で行うため、作業者の熟練が必要で、ばらつきが出る短所があります。また、定量的なデータ管理が困難です。

2. 発泡法

対象物の表面に界面活性剤などを含む発泡液を塗布し,気体の漏れを発泡現象で検出する方法です。液没法に比較して、漏れの感度が高い方式です。

3. 圧力変化法

圧力変化法は、対象物に内圧付加又は減圧をして、内部の圧力が一定になる圧力を確認する方法です。

4. 差圧変化法

差圧変化法は、圧力のかけ方は圧力変化法とほぼ同じで、測定基準品と対象物との差圧の変化を確認する方法です。

5. 流量測定法

流量測定法は、対象物に内圧をかけ、漏れによる空気を補う流量を測定する方法です。

6. 超音波法

対象物の漏れ箇所から気体が漏れる時に、発生する超音波を超音波検出器でで検出する方式です。

エアーリークテスターの種類

エアーリークテスターには、大きく分けると、直圧式と差圧式があります。

1. 直圧式エアーリークテスター

直圧式のエアーリークテスターは、実際の圧力を連続的に計測することでリークテストを行います。まず、対象物を加圧又は減圧を行います。加圧・減圧工程中は空気の温度や体積が安定せず圧力も不安定なため、一定圧力に平衡するまで待ちます。

平衡状態を確認したら、そこから圧力を連続計測します。もし、どこかでリークがあれば、この圧力が緩やかに降下するため、それを検出することでリークチェックができます。

2. 差圧式エアーリークテスター

差圧式のエアーリークテスターは、基準の圧力との差圧を測定する方式です。この方法は、マスターと呼ばれるリークの無い計測物を用意し、そのマスターと対象物を接続します。

その後、直圧式と同じく加圧、平衡の手順を経て、マスターと対象物との間につないだセンサーにより、圧力差を計測します。もし、対象物のどこにもリークがなければ差圧は生まれませんが、対象物にリークがあれば、リーク量による差圧が検知されます。

エアーリークテスターの選び方

1. ワークの特徴

加圧下で使用されるワークやワーク内部に液体が入るものは、加圧方式のリークテスターが適しています。

2. ワークの形状

たとえば、開口部分が多くあるものは内圧式のタイプが、少ないものは外圧式のリークテスターが適しています。

3. 減圧方式

ワークが負加圧下で使用される場合は、減圧方式のリークテスターを選びます。

エアーリークテスターのその他情報

エアーリークテスター導入のメリット

1. 自動化・省力化
リークテストは圧力変化などを数値化ができるので、自動検査が可能です。リークテスターにより、省力化が可能です。

2. 品質向上
リーク検査の定量把握ができ、人の熟練に頼らない検査ができるので、精度が向上して品質向上に貢献します。また、データの統計処理や解析ができます。

3. コスト低減
クレーム減少、不良率低減、検査の効率化などコスト低減のメリットがあります。

参考文献
https://www.cosmo-k.co.jp/leak-test/leak-technology/leak-inspection/
https://showcase.ulvac.co.jp/ja/how-to/product-knowledge07/leakage.html
https://www.yamahafinetech.co.jp/support/downloads/file/437/leaktester_catalog_01.pdf

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