タップ除去工具

タップ除去工具とは

タップ除去工具とは、ねじ山をタップで切る際に誤って折れて詰まったタップを取り除く専用工具です。

タップは金属やプラスチックなどの材料にねじ山を切るための工具です。ドリルで開けた下穴にハンドルでタップをねじ込みながらねじ山を作ります。このタップに横方向の強い力が加わると、折れて下穴に詰まってしまうことが多いです。

手作業でタップを取り除くと、周囲の部品を傷つけるリスクがあります。タップ除去工具を使用することで、周囲の破損リスクを最小限に抑えることが可能です。また、 タップ除去工具を使用することで、破損タップを取り除いた後も部品を再利用できる場合があり、材料や部品の無駄を減らすことができます。

タップ除去工具の使用用途

タップ除去工具は主に破損したタップを取り除くために使用されます。以下はその用途の一例です。

1. 建設業

建設業では鉄骨や鋼材などの金属を使用して、構造物の組み立てを行います。タップ除去工具はこれらの金属部品に対する加工時に、ねじ穴を作るために使用されるタップの詰まりを除去する際に使用されます。これにより、タップ加工に失敗した鋼材を再利用できる場合も多いです。

2. 加工業

加工業では機械部品の加工を行う際に、タップが破損することがあります。タップ除去工具は効率的に破損したタップを取り除くために使用され、作業の進行を円滑にすることが可能です。特に金属加工や精密機械加工の分野で重要な役割を果たします。

3. 電子機器産業

電子機器の製造には、小型で精密な部品が多く使用されます。これらの部品にタップを使ってねじ山を切ることがありますが、小口径のねじ山を使用するため、タップの折損リスクも高いです。タップ除去工具はこれらの製造や修理の際に無駄なくタップを除去できます。

タップ除去工具の原理

タップ除去工具の基本的な仕組みは、破損したタップに逆回転をかけることです。タップは通常時計回りに回して内ねじを切りますが、破損したタップを取り外す際には逆回転をかけてタップを緩めて取り出します。逆回転の力が破損部分に作用することで、タップが穴から外れる方向に回転し、取り外すことが可能です。

タップ除去工具には、タップの破損部分をしっかりと掴んで回転させるための『エクストラクター』が組み込まれる場合が多いです。

エクストラクターはタップの破片に噛みつくような形状になっており、工具を回転させることでタップを引き抜く力を加えます。破損したタップに対してしっかりと密着し、タップを引き抜くために強力なトルクを発生させます。

また、一部のタップ除去工具には、タップの中心部分に小さな穴を開ける機能が備わっています。破損がひどい場合などにはセンタードリルでタップの中心に穴を開け、その穴からエクストラクターを挿入してタップを取り除きます。タップが完全に壊れている場合や、非常に頑固に詰まっている場合に有効です。

タップ除去工具の選び方

タップ除去工具を選ぶ際には、以下を考慮することが重要です。

1. 寸法

タップ除去工具は、使用するタップのサイズに合わせて選定する必要があります。タップ寸法に合わない工具を使用すると、破損したタップをうまく取り除けないだけでなく、周囲のねじ穴や部品に損傷を与えるリスクも高まります。

2. 材質

タップ除去工具の材質は工具の耐久性や使用環境に大きく影響します。タップ除去工具は高トルクや高圧に耐える必要があり、適切な材質を選ばなければ破損や摩耗が早く進みます。高炭素鋼や合成鋼及びチタン鋼などの材料を選定することが多いです。

3. ハンドル

付属するハンドルの種類も重要です。ハンドルは、作業時の安定性や力の加わり方に影響します。

ハンドルの形状には、直線的なものやL字型、T字型などがあります。T字型やL字型のハンドルは、タップ除去の際に高いトルクをかけやすく、効率的に作業を進めることができます。直線型は比較的細い径の部品に適しています。

また、作業中に手が滑らないように、グリップ性が良いハンドルを選ぶことも重要です。長時間使用する場合、手の疲労を軽減するためにエルゴノミクス設計が施されたハンドルを選ぶと快適に作業が進みます。

VPXボード

監修:株式会社エスアールシー

VPXボードとは

VPXボード

VPXボードとは、従来のVMEバスに代わる次世代のモジュール式電子基板で、特に高性能が求められるシステムに対応するための標準規格として広く使われています。

VPXはVITA (VME International Trade Association) が策定したバス規格で、主に軍事、航空宇宙、産業オートメーションなどの分野で採用されており、ハイパフォーマンスなデータ転送や強力な通信性能を提供する規格です。

VPXボードは、従来のVMEバスの限界を超えて、ギガビットイーサネットやPCI Express、シリアルRapidIOなどの高速通信プロトコルをサポートします。これにより、複雑なシステム構成や高度なリアルタイム処理が必要な環境での使用に適しています。

VPXボードの使用用途

1. 軍事および防衛産業

VPXボードは、高性能なレーダーシステム、電子戦システム、情報処理システムなどで使用されます。これらのシステムは高速データ転送とリアルタイム処理が求められるため、VPXの高性能が役立ちます。また、耐環境性が高いため、過酷な戦場環境でも信頼性の高い動作が可能です。

2. 航空宇宙

航空機や宇宙船のシステムは、軽量かつ高性能な電子基板が必要です。VPXボードはこれらの要件を満たし、飛行制御システム、ナビゲーションシステム、データ収集・処理システムに組み込まれています。

3. 産業オートメーション

製造業では、産業ロボットや自動化システムの中核としてVPXボードが使われています。高いデータ処理能力は、複雑な作業工程の管理やリアルタイムなデータ解析の支援が可能です。

4. 医療機器

VPXボードは医療用画像機器や診断装置においても使用されています。高精度なデータ収集と解析が求められる医療分野では、VPXの性能が活かされ、正確な診断や処置をサポートします。

VPXボードの特徴

VPXボード

VPXボードの特徴の特徴は下記の通りです。

1. 高速データ転送

VPX規格は、PCI Expressや10ギガビットイーサネット、シリアルRapidIOといった高速通信バスを採用しているため、大容量のデータを短時間で転送することが可能です。これにより、高度な計算処理やデータ収集を行うシステムに対応します。

2. モジュール化されたアーキテクチャ

VPXはモジュール方式を採用しており、用途に応じた組み合わせが可能です。このアプローチはシステムの拡張や改修を容易にし、メンテナンスの効率を向上させます。

3. 高い耐環境性能

軍事や航空宇宙産業で用いられるため、VPXボードは高い耐環境性能を持っています。極端な温度や振動、衝撃に耐えられるよう設計されているため、過酷な条件下でも安定して動作します。

4. オープンスタンダード

VPX規格はオープンスタンダードであるため、複数のメーカーが製品を開発しており、ユーザーはベンダーに依存することなくシステムを構築できるのが特徴です。これにより、カスタマイズや将来の拡張がしやすくなっています。

VPXボードの種類

1. A/D・D/Aボード

A/D (アナログ-デジタル) およびD/A (デジタル-アナログ) ボードは、アナログ信号とデジタル信号を相互変換するための役割を担うVPXモジュールです。具体的には、A/Dボードはセンサーなどから得られたアナログ信号をデジタル信号に変換し、D/Aボードはデジタル信号をアナログ信号に変換してアクチュエータなどの制御に利用します。

2. CPUボード

CPUボードは、システムの中核として処理能力を提供するVPXモジュールです。CPUボードは、プロセッサ、メモリ、チップセットなどが搭載されており、基本的な演算処理や制御を行います。これにより、他のボードと連携して複雑な計算処理やシステム全体の制御を担当します。

3. FPGAボード

FPGA (Field-Programmable Gate Array) ボードは、ユーザーが設計・プログラムできるハードウェアロジックを搭載したVPXモジュールです。FPGAボードは、データの並列処理に特化しており、高速な演算処理が求められる場面で大きな威力を発揮します。ユーザーは必要に応じてロジックを再構成できるため、カスタマイズ性が非常に高いことが特徴です。

4. DIOボード

DIO (デジタル入力/出力) ボードは、システムにおいてデジタル信号の入出力を行う役割を持つVPXモジュールです。DIOボードは、外部機器や他の電子システムと通信するためのインターフェースとして使用されます。これにより、制御信号の入力や出力を迅速に行い、システムの制御性を向上させます。

5. Switchボード

Switchボードは、複数のVPXモジュールや外部システムを接続し、データ通信を管理する役割を果たすボードです。これらのボードは、高速なデータ転送プロトコル (例えば、10ギガビットイーサネット、PCI Express、シリアルRapidIOなど) をサポートし、システム全体のネットワークを形成します。

VPXボード

本記事はVPXボードを製造・販売する株式会社エスアールシー様に監修を頂きました。

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網カゴ

網カゴとは

網カゴは、金属やプラスチックなどで作られたメッシュ状のカゴで、工業や建設現場、農業、さらには日常の収納や整理にも用いられる器具です。

網カゴは、通気性や視認性の高さが特徴で、湿気に弱い物の収納や仕分けに役立ちます。耐久性に優れた素材で作られたものが多く、さまざまな場面で使用されています。特に工業用の網カゴは、耐荷重に優れた頑丈な設計が施されていることが一般的です。金属製のものが多く見られ、さびにくい加工やメッキ処理がされているため、過酷な環境でも長持ちします。素材は金属以外にプラスチックやステンレスもあり、用途に応じて最適な選択が可能です。

網カゴの使用用途

工業用網カゴは、さまざまな分野で活躍しています。代表的な使用例を以下に紹介します。

1. 製造業や工場での部品管理

工場内では、小さな部品やネジ、ボルトなどを整理し管理するために網カゴが使われます。整理や管理以外では、洗浄工程やメッキなどの表面処理分野も、網カゴの使用用途の一つです。網カゴによって作業効率が向上し、紛失や混在を防止できます。通気性が良いことで、湿気によるサビの発生を抑えられるため、特に金属部品の保管に適しています。

2. 輸送や保管

輸送時に商品の仕分けや固定に使用されます。開放的な構造で中の物をすぐに確認できるため、在庫管理が容易になります。金属製の網カゴは、大型機器や重い物の運搬にも適した運搬・収納機材です。

3. 水や泥を使う環境

農業や水中作業など、水や泥にさらされる環境でも、耐水性が高いステンレス製やプラスチック製の網カゴが利用されます。これにより、簡単に清掃でき、耐久性が求められる場面で役立ちます。

網カゴの種類

使用環境や用途によって、網カゴはいくつかの種類に分かれています。

1. 金属製網カゴ

最も一般的なタイプで、鉄、アルミニウム、ステンレススチールなどで作られた製品が一般的です。特にステンレス製はさびにくく、耐食性があるため、化学薬品や水を使用する環境で重宝されます。これらの網カゴは、高い強度を持ち、重量物の保管や輸送にも適しています。

2. プラスチック製網カゴ

軽量で取り扱いが簡単なプラスチック製は、部品管理や軽い物の保管に適しています。金属製に比べて安価で腐食にも強いのが特徴です。

3. 折りたたみ式網カゴ

使用しないときにコンパクトにたためるため、倉庫や作業場のスペースを効率的に使いたい場合に便利です。収納の柔軟性が高く、必要に応じてすぐに展開できるメリットがあります。

4. 特殊加工網カゴ

メッキ加工や耐熱加工が施されている網カゴも存在します。これにより、過酷な温度や腐食環境での使用が可能となり、長寿命を期待できます。

網カゴの選び方

網カゴを選ぶ際には、使用する目的や環境に応じて適切な種類を選ぶことが大切です。

1. 材質

湿気や化学物質がある環境では、耐腐食性が高いステンレス製やプラスチック製を選ぶのが賢明です。重い物を保管する場合は、鉄やアルミニウムなどの金属製網カゴが適しています。

2. 耐荷重

保管する物の重量に応じた耐荷重の網カゴを選ばなければなりません。耐荷重を超えて使用すると破損や事故の原因となるため、余裕を持って選ぶことが安全対策になります。

3. サイズと形状

網カゴの大きさや形状は、保管物や設置場所に合わせて選定することが大切です。効率的な収納や輸送を考慮し、最適なサイズと形状を選ぶ必要があります。

4. 通気性と視認性

網カゴは中身が見える点がメリットですが、用途によって網目の大きさを選ぶことが重要です。視認性を重視する場合は開放的な構造を、細かい部品を保管する際には目の細かい網カゴを選ぶことになります。

計測器管理システム

監修:日本メカトロン株式会社

計測器管理システムとは

計測器管理システムとは、自社内に保有する計測器の分類、校正期日管理、持ち出し管理、予約管理などを一元的に担うことのできるシステムです。

計測器を適切に管理するためには、保有する計測器の一元的な管理による把握が必要です。計測器管理システムは、このような台帳管理とともに、購入実績や校正履歴、修理履歴、トラブル履歴、附属書類の管理など、履歴の管理を行うことができます。

また、校正計画と日常点検の実施など、予定事項についても管理することが可能です。

計測器管理システムの使用用途

1. 対応している計測器

計測器管理システムは、工場などで使用されている計測器一般の管理に対応しています。温度、圧力、力計、流量、長さ、電気などの各計測器に対応しており、具体的な例としては下記のようなものが挙げられます。

  • 機械計測機器 (ノギスやマイクロメーター、プラグゲージ、リングゲージ、ねじゲージ)
  • 角度計、圧力計
  • 抵抗や電流などを計測する電子計測機器・装置一般 (マルチメータ、電圧標準器、分圧器、標準電池、電流センサ、LCRメーターなど)
  • 秤量機器
  • 温度計 (抵抗温度計、放射温度計、など)、熱電対
  • 環境計測器
  • 流量計
  • 照度計・放射照度計

製造業一般で汎用される計器のほか、化学プラント系の圧力、流量、秤量や、炉の温度計・熱電対なども管理が可能です。

2. 導入目的・効果

計測器管理システムを活用して計測器情報を一元的に管理することにより、次のような効果が得られます。

  • 管理業務の効率化と管理コストの削減
  • 紛失防止
  • 遊休資産の削減・過剰購入の抑制
  • 計測器運用効率の向上
  • 計測器予約機能を活用し、社内の計測器の共用利用を促進
  • 把握した利用状況の情報から、最適な計測器の調達・運用・管理

また、ISO9001では、検査、測定及び試験機の管理において次のような項目が要求されており、計測器管理システムはこれらの遵守に役立っています。

  • 必要な正確さと精密さを持つ測定器を選択すること
  • 使用する計測器が、使用頻度に応じ規定した間隔で校正、調整されていること
  • 合格していることの根拠となる記録を作成し、維持していること

計測器管理システムの原理

計測器管理システムには、主に下記のような機能が搭載されています。

  • バーコード・ICタグを用いた棚卸し
  • 持ち出し・貸出・返却時のステータス管理
  • 利用予約
  • 校正結果・履歴、修理履歴、稼働率、の把握
  • 校正期限のスケジュール管理・リマインダーアラート
  • 月次、年次校正スケジュールの作成
  • レポート作成
  • 校正費用の管理
  • 取扱説明書・校正手順書の管理
  • 廃却記録

計測器管理システムで一元的に台帳管理を行うことにより、計測器の保有数や保有種類の適正な管理が可能です。また、校正期限・スケジュールを自動管理することにより、使いたい計器が校正切れになっているシチュエーションを防ぐことができます。

また、計器回収を指示する回収指示書の自動発行や、校正手順書・計測器説明書など付属書類の一元管理も可能です。

計測器管理システムの種類

計測器管理システムは、様々なシステム製品が提供されています。それぞれのシステムで特色ある機能が搭載されています。

例えば、持ち出し記録の入力方法では、QRコード、バーコード、ICタグなどがあります。発行・登録は簡便で、持ち出し・返却はスキャンするだけです。工場マップをシステム内に読み込んでマッピングを行うことができるシステムも有ります。特に、ICタグを用いているシステムでは、紛失防止のための位置管理にも有効です。

多くのシステム製品でクラウド型管理が可能です。Webブラウザのみで操作が完結する製品もあります。また、一部の製品では、基本機能を無料で使用することができ、追加料金にて予約機能などの拡張機能を使用することが可能です。

本記事は計測器管理システムを製造・販売する日本メカトロン株式会社様に監修を頂きました。

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Soap Dispenser

What Is a Soap Dispenser?

A soap dispenser is a device that automatically or manually supplies an appropriate amount of liquid soap for hand washing and hygiene.

They are widely used in public facilities, offices, medical institutions, and homes to help maintain a hygienic environment. The automatic type is equipped with a sensor and delivers soap simply by holding up a hand, effectively preventing infectious diseases.

In contrast, the manual type, with its pump mechanism, is a popular, simple, and low-cost option. Recently, many products have featured adjustable usage volume and refillable bottles, making them more cost-effective and environmentally friendly.

Uses of Soap Dispensers

Soap dispensers are used in various industries, including the following:

1. Manufacturing Industry

Sanitation is especially important in the manufacturing industry, particularly in food and pharmaceutical production. Soap dispensers are required because hand contamination can affect product quality.

Automatic dispensers can supply the right amount of liquid soap by simply holding up a hand, allowing for efficient and hygienic hand washing. Choosing a refillable type can help reduce costs while maintaining hygiene.

2. Research Institutions and Laboratories

In research institutions and laboratories, hand hygiene is essential when handling chemicals and biological reagents. Soap dispensers enable proper hand washing before and after experiments, preventing cross-contamination.

Automatic dispensers can be used without touching, reducing the risk of contamination. This is essential in environments where hygiene control directly affects accuracy and safety.

3. Public Facilities and Government Agencies

Public facilities and government agencies require thorough hand washing due to the high number of visitors. Installing soap dispensers in restrooms and other facilities makes hand washing convenient, and the automatic type is particularly effective in preventing infections by avoiding contact.

With growing eco-awareness, dispensers with refillable bottles and reusable materials are increasingly popular choices.

4. Medical Institutions

In medical institutions, hygiene control is crucial to prevent the spread of infectious diseases. Installing soap dispensers in hospitals, clinics, and operating rooms supports thorough hand washing. Automatic dispensers can be used without direct contact, reducing infection risks for medical staff even after glove removal.

5. Environmental Friendliness and Cost Reduction

Modern soap dispensers are increasingly made with environmentally friendly materials and proper dosage functions. Choosing such products helps reduce environmental impact and costs.

Types of Soap Dispensers

Soap dispensers come in various types based on function, material, and design:

1. Automatic Soap Dispenser

Automatic soap dispensers use sensors to detect hands and automatically dispense soap, avoiding contact and helping prevent infections. This type allows employees, researchers, and medical staff to wash their hands hygienically, minimizing cross-contamination risks.

Automatic dispensers also help control soap usage, reducing unnecessary waste and costs.

2. Manual Soap Dispenser

Manual soap dispensers, which dispense soap through a pump mechanism, are easy to install and offer high cost-performance. They are especially suited for high-use locations where durability and ease of use are important.

By using refillable bottles, running costs can be reduced, and environmental impact minimized.

3. Wall-Mounted Soap Dispenser

Wall-mounted soap dispensers save space, making them suitable for restrooms and washrooms. In manufacturing and research institutions, they provide an efficient way to encourage hand washing. Large-capacity options also allow for extended use without frequent refilling.

4. Tabletop Soap Dispenser

Tabletop soap dispensers are compact and portable, suitable for areas with limited space or low foot traffic. They can be easily installed in specific areas or departments as needed.

5. Dispenser Materials and Design

Soap dispensers are made from materials like plastic, stainless steel, and aluminum. Plastic is lightweight and cost-effective, while stainless steel and aluminum are more durable.

For manufacturing and research settings, choosing materials that are chemical and impact-resistant is essential. Additionally, selecting a design that complements the facility’s décor is recommended.

How to Select Soap Dispensers

The following are tips for selecting an appropriate soap dispenser:

1. Choosing the Right Type for Intended Use

Select a dispenser based on its intended location and usage frequency. For example, in manufacturing plants and research institutes, durable automatic dispensers are ideal due to frequent use. In public facilities and government agencies, either manual or automatic types that are easy to use are suitable.

2. Design Suitable for Installation Location and Space

Choose a dispenser design that fits the intended location and space. Tabletop types work well in compact spaces, while large-capacity wall-mounted options are best for high-use areas.

3. Balance Between Frequency of Use and Capacity

Select a dispenser with a capacity appropriate to its usage frequency. Large-capacity dispensers in high-use areas can reduce the need for frequent refilling and maintenance.

4. Ease of Maintenance

Ease of maintenance is important, especially for automatic dispensers. Choose models with accessible sensor cleaning and soap refilling options. Refillable types also help lower running costs and support waste reduction.

5. Environmental Friendliness and Cost Efficiency

Dispensers that support reusable bottles and eco-packs help reduce waste and environmental impact. Dispensers that release an appropriate amount of soap prevent overuse, minimizing waste and reducing costs.

6. Confirming Safety and Durability

In manufacturing and research environments, chemical resistance and durability are crucial. Dispensers made from stainless steel or chemical-resistant materials provide long-term stability and reliability.

ソープディスペンサー

ソープディスペンサーとは

ソープディスペンサーとは、手洗いや衛生管理の際に液体石鹸を自動または手動で適量供給する装置です。

公共施設やオフィス、医療機関、家庭などで広く使用され、衛生的な環境を保つ際に役立ちます。自動タイプはセンサーを搭載し、手をかざすだけで石鹸を供給するため、感染症対策にも効果的です。

一方、手動タイプはポンプを押す仕組みで、簡便かつ低コストの選択肢として人気があります。最近では、使用量を調整できる機能やリフィル可能なボトルを採用した製品も多く、コスト効率や環境への配慮が高まっています。

ソープディスペンサーの使用用途

ソープディスペンサーの使用用途は以下の通りです。

1. 製造業

製造業では、特に食品や医薬品の製造現場での衛生管理が重要です。手の汚染が製品に影響を与える可能性があるため、ソープディスペンサーの設置が求められます。

自動ディスペンサーは、手をかざすだけで液体石鹸を適量供給でき、効率的かつ衛生的な手洗いが可能です。リフィル可能なタイプを選ぶことで、コスト削減と衛生管理を両立できます。

2. 研究機関・実験室

研究機関や実験室では、化学物質や生物学的試薬を取り扱う際、手指の衛生が欠かせません。ソープディスペンサーにより、実験前後に適切な手洗いができ、交差汚染を防ぎます。

自動ディスペンサーは触れることなく使用できるため、リスクの低減が可能です。衛生管理が精度や安全性に直結する環境では、必須の設備と言えます。

3. 公共施設・行政機関

公共施設や行政機関では、来館者が多いため手洗いの徹底が求められます。トイレなどにソープディスペンサーを設置することで、簡単に手洗いを行え、特に自動タイプは接触を避けるため感染症予防に効果的です。

エコ意識の高まりを背景に、リフィル可能なボトルや再利用可能な素材のディスペンサーが選ばれる傾向も強まっています。

4. 医療機関

医療機関では、感染症拡大防止のために衛生管理が最も重要です。病院や診療所、手術室などにソープディスペンサーを設置することで、手洗いの徹底をサポートします。特に自動ディスペンサーは、医療スタッフが手袋を外した後でも触れずに使用でき、感染リスクの低減に貢献します。

5. 環境配慮とコスト削減

最近のソープディスペンサーは、環境に配慮した素材や適量供給機能を備えたものが増えており、このような製品を選定することで環境への負荷軽減、コスト削減が可能です。

ソープディスペンサーの種類

ソープディスペンサーには、機能や素材、デザインなどに合わせて、以下のような種類があります。

1. 自動ソープディスペンサー

自動ソープディスペンサーは、センサーで手を感知し、石鹸を自動で供給します。これにより接触を避けることができ、感染症予防に有効です。従業員や研究者、医療スタッフが衛生的に手を洗えるため、交差汚染リスクを低減します。

また、適量供給ができるため、無駄な石鹸の使用を防ぎ、コスト削減が可能です。

2. 手動ソープディスペンサー

手動ソープディスペンサーは、ポンプを押して石鹸を取り出すタイプで、設置が簡単でコストパフォーマンスが高いのが特徴です。特に高頻度で使用される場所に適しており、耐久性や使いやすさが重視されます。

リフィル可能なボトルを選ぶことで、ランニングコストを抑えられ、環境負荷軽減が可能です。

3. 壁掛け型ソープディスペンサー

壁掛け型ソープディスペンサーは、スペースを取らず、トイレや洗面所などに適しています。製造業や研究機関では、効率的に石鹸を供給し、手洗いの励行に寄与します。また、大容量のため長期間使用でき、頻繁な補充を避けられる点も魅力です。

4. 卓上型ソープディスペンサー

卓上型ソープディスペンサーは、カウンターやテーブルに置いて使用でき、可動性に優れています。コンパクトなため、限られたスペースでも設置が可能で、主に少人数の施設での使用に適しています。特定のエリアや部門で気軽に導入が可能です。

5. ディスペンサーの素材とデザイン

ソープディスペンサーには、プラスチック製、ステンレス製、アルミ製などの素材があります。プラスチック製は軽量で低コストですが、ステンレス製やアルミ製のほうが耐久性に優れています。

製造業や研究機関では、薬品耐性や耐衝撃性を重視して素材を選ぶ必要があります。また、施設の内装に合ったデザインを選ぶことも大切です。

ソープディスペンサーの選び方

ソープディスペンサーの選び方のポイントについて、以下にご紹介します。

1. 用途に応じたタイプ選び

ディスペンサーを選ぶ際には、設置場所や使用頻度に応じて選定することが重要です。例えば、製造業の工場や研究機関では、頻繁に使用されるため、耐久性が高く自動供給タイプが適しています。公共施設や行政機関では、誰でも簡単に使用できる手動タイプや自動タイプが便利です。

2. 設置場所とスペースに適したデザイン

ソープディスペンサーは、設置場所やスペースに合わせたデザイン選びが大切です。限られたスペースには卓上型、使用頻度の高い場所には大容量の壁掛け型が適しています。

3. 使用頻度と容量のバランス

ディスペンサーの容量は、使用頻度に合わせて選ぶことが重要です。頻繁に使用される場所では大容量のディスペンサーを選ぶことで補充作業を減らし、メンテナンスの手間も軽減できます。

4. メンテナンスのしやすさ

ディスペンサーを選ぶ際はメンテナンスがしやすさも重要です。特に自動タイプでは、センサーの清掃や石鹸の補充が簡単に行えるものを選びましょう。また、リフィル可能なものは、ランニングコストを削減し、廃棄物削減にも適しています。

5. 環境配慮とコスト効率

再利用可能なボトルやエコパックに対応したディスペンサーは、廃棄物を削減して環境への配慮が可能です。また、適量供給機能により石鹸の無駄遣いを防ぎ、コスト削減にもつながります。

6. 安全性と耐久性の確認

特に製造業や研究機関では、薬品耐性や耐久性が重要です。ステンレス製や耐薬品性に優れたディスペンサーを選ぶことで、長期間の使用に耐え、安定した運用につながります。

Hand Dryer

What is a Hand Dryer?

A hand dryer is a device designed to dry hands after washing, using airflow without requiring physical contact. They are commonly installed in public restrooms within commercial facilities, restaurants, and other high-traffic areas. Compared to paper towels, hand dryers are cost-effective and promote quick drying.

Uses of Hand Dryers

Hand dryers are strategically placed in hand washing areas, mainly in restrooms, to enhance cleanliness and user convenience. Unlike paper towels or cloth rolls, hand dryers reduce maintenance costs by eliminating the need for towel replacements and waste disposal. Furthermore, as hand dryers do not produce paper waste, they contribute to environmental sustainability.

Hand dryers are commonly found in:

  • Restaurants
  • Commercial facilities and department stores
  • Office buildings
  • Public transportation hubs
  • Medical facilities
  • Welfare centers
  • Food production factories
  • School cafeterias
  • Kindergartens and nursery schools

Principle of Hand Dryer

Hand dryers operate by using sensors to detect hands and blowing air to dry them. There are two main types of mechanisms: warm air and jet air. Warm-air hand dryers use warm air to gradually evaporate water, typically taking 30-40 seconds to dry hands. Jet-air hand dryers, on the other hand, use high-speed air to blow water off in about 5-9 seconds, making them ideal for busy restrooms with high user turnover.

Within jet-air dryers, there are two varieties: the standard type, which blows air to dry hands, and the suction type, which additionally draws in air to minimize water droplets and airflow scatter. Standard jet dryers require users to move their hands side-to-side through the dryer, while suction dryers have users insert their hands vertically, reducing splash and ensuring a cleaner drying process.

Types of Hand Dryers

Hand dryers come in various designs, sizes, and functionalities, catering to different usage needs and installation environments.

1. Size

Hand dryers are available in standard and slim designs to accommodate different spaces. Slim models are ideal for compact areas, while more powerful models, typically in standard sizes, offer faster drying times. Some models are designed for countertop installation, especially for private or multipurpose restrooms, while commercial units are usually wall-mounted.

2. Functionality

Hand dryers primarily operate on either a warm-air or jet-air mechanism. Jet-air dryers are preferable for locations requiring quick drying times, such as high-traffic restrooms. Among jet dryers, some only blow air, while others have a suction feature to contain water droplets.

In a standard wall-mounted jet dryer, air blows from both sides, enveloping the hands. Compact versions blow from above, directing air across the hand surface for uniform drying. For environments with heightened hygiene requirements, high-performance models may include sterilizing lights or continuous air-cleaning functions to maintain a clean air environment around the unit.

倍速チェーンコンベヤ

監修:NKE株式会社

倍速チェーンコンベヤとは

倍速チェーン

倍速チェーンコンベヤとは、搬送速度がチェーン速度の約2.5倍となるチェーンコンベヤです。

倍速チェーンコンベヤは、小径ローラと大径ローラを組み合わせた構造であり、大径ローラが小径ローラの回転に同期することにより、チェーン速度の約2.5倍で搬送することが可能となっています。

チェーン自体の速度を低速にすることができるため、モータの消費電力を抑えることができ、低騒音でアキュムレートが可能です。

倍速チェーンコンベヤの使用用途

倍速チェーンコンベヤは、製造業における「フリーフロー搬送」や「パレット搬送」において活用されています。

例えば、コンベアフレームにストッパ機構や位置決め機構を取り付けることにより、フリーフローラインのメインコンベアとしてラインを構成することが可能です。 特に、チェーンとの接地面が平らなワーク (パレット、トレイ、コンテナなど) のアキュムレート搬送に適しています。また、ワークとチェーンの接地面がローラであるため、ベルトコンベヤに比べてアキュムレート時にワークに傷がつきにくい特徴があります。

重量物の搬送・アキュムレートも可能です。例えば、50番手の場合、1メートルあたりの搬送重量は樹脂ローラで160kg、スチールローラで320kg。最大搬送質量は850kgです。

倍速チェーンコンベヤの原理

1. 特徴

倍速チェーンコンベヤは、大径ローラの外側に小径ローラが同じ軸になるように組み合わせられた構造です。大径ローラと小径ローラの間に摩擦力がはたらくことにより、両者が同一回転となる特徴があります。(図1)

半径の比は概ね1:1.5ですが、搬送速度がチェーン速度の約2.5倍になります。

2. 搬送時

大径ローラ(○印)と小径ローラ(●印)間の摩擦力によって両者は同一回転となり、
ローラ径の比により搬送速度はチェーン速度の約2.5倍になります。

倍速チェーンコンベヤ

搬送速度がチェーンの約2.5倍になる具体的な計算は次のようになります。
・チェーン速度 : ν パレット速度 : V
・小径ローラ半径 : r 大径ローラ半径 : R  とすると。

チェーンが速度νで走行すると、小径ローラ外周(レール走行面の転がり速度)の周速度はνとなります。
このとき大径ローラと小径ローラは同一角速度で回転するため、
大径ローラ外周の周速度は半径の比より(R/r)×νとなります。
よって搬送物速度Vは、周速度(R/r)×νとチェーン速度νを合わせたものになります。

V=(R/r)×ν+ν
V=(R/r+1)×ν

ここで半径の比(R/r)≒1.5を代入すると、

V≒(1.5+1)
ν≒2.5ν

となり搬送速度はチェーン速度の約2.5倍となります。
なお、搬送物が軽量すぎる場合 (概ね1kg以下)やチェーン速度が5~15m/minの範囲外では、倍速効果が得られない場合があります。

3. アキュムレート時

制動力が大径ローラ(○印)に作用するため、
大径ローラと小径ローラ(●印)間でスリップしフリーフローになります。

倍速チェーンコンベヤ

倍速チェーンコンベヤの種類

倍速チェーンコンベヤは、様々なローラサイズ・ローラ材質やチェーン材質を選択でき、オプションも充実しております。

例えば、チェーンの隙間からボルトやナットがフレーム内に落下・かみ込むのを防ぐカバーや、コンベア端での挟まれ・巻き込まれ事故を防止する安全カバー、オートテンション機構による長期ノーメンテナンス仕様などさまざまなオプションを使用してカスタマイズが可能です。

1. チェーン材質

倍速チェーンコンベヤのチェーンには、「スチールチェーン」、「メッキチェーン (HCP仕様) 」 、「無給油チェーン」、「ステンレスチェーン」などが用いられます。

メッキチェーン(HCP仕様)は、硬質クロムメッキ加工が施されており、簡易的なクリーンルームなどのサビを嫌う用途でも使用が可能です。ステンレスチェーンは、非磁性・耐食を必要とする場面に用いられ、無給油仕様のチェーンは給油できない・しない用途で活用されます。

2. ローラ材質

倍速チェーンコンベヤで用いられるローラ材質には「エンプラローラ」、「ウレタンローラ」、「スチールローラ」などがあります。「エンプラローラ」には、汎用ローラの他に「高摩擦ローラ」、「導電ローラ」、「導電高摩擦ローラ」などの小分類があります。

エンプラローラは、低騒音が特徴で、無給油での使用も可能です(チェーン部は要給油。無給油チェーンは除く)。高摩擦タイプは、立ち上がりが素早いことが特徴です。ウレタンローラは樹脂と比べて柔らいので、よりワークに傷がつきにくい特徴があります。スチールローラは、給油が必要で湿潤雰囲気下では錆びる性質があるものの、高負荷での使用に向いています。

本記事は倍速チェーンコンベヤを製造・販売するNKE株式会社様に監修を頂きました。

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ワークステーション

ワークステーションとは

ワークステーションとは、複雑な演算処理を高速で実行できる高性能なコンピューターです。

ワークステーションは、一般的なPCに比べて高性能なCPU、GPU、メモリを搭載しています。マルチタスク性能に優れ、膨大なデータ処理や複雑な画像・動画処理を高速で行うことが可能です。3D設計やCG制作、AI開発、科学技術など様々な分野においてワークステーションは活用され、業務が効率的に行われています。

ワークステーションの使用用途

以下に、ワークステーションの使用用途の一例を記載します。

1. 3Dモデリング・CAD設計

製造業や建築業などで、精密な3Dモデリングや3次元 CAD設計に使用され、高速でスムーズな作業が行えます。

2. 映像編集・CG制作

動画編集やCG制作、3Dグラフィックス、アニメーションなどのクリエーター業務で使用され、画像編集ソフトのスムーズな動作や高品質のグラフィックス制作を可能にします。

3. データ分析・AI・機械学習

ビッグデータの分析や機械学習、AI開発など、大量のデータを処理する業務に使用されます。特にディープラーニングでは、並列処理能力が高いワークステーションを使用することにより効率的に行うことができます。

4. 科学技術計算・シミュレーション

物理、化学、生物学、医学、気象学、金融などの分野で、シミュレーションや解析に使用されています。

ワークステーションの構造

ワークステーションは、CPU、GPU、メモリ、ストレージといった主要構成要素に加え、拡張性に優れたマザーボードや冷却システムが重要です。以下に、主なパーツについて記載します。

1. CPU (英: Central Processing Unit)

CPUはワークステーションの性能を左右する重要なパーツで、コア数が多いほど処理能力が上がります。ワークステーションは、高コア数のCPUを搭載し、マルチタスク性能に優れ、重い作業や複数の処理を同時に行うことができます。

2. GPU (英: Graphic Processing Unit)

3Dグラフィックス、映像編集、機械学習などの処理を高速で行うデバイスが、グラフィックスカードに搭載されたGPUです。ワークステーションでは、長時間でも安定して使用できるプロフェッショナルモデルのGPUが多く選択されます。

レンダリング、データ解析、AI学習などに必要な演算性能を持ち、CADやCG制作におけるグラフィック処理の速度や品質に大きく貢献します。

3. メモリ

データの一時的な保管場所であるメモリは、ワークステーションでは大容量であることが必須です。

また、多くのワークステーションには、メモリエラー訂正機能であるECCメモリ( 英: Error Checking and Correcting) を搭載することにより、データの信頼性を高めています。なお、ECCメモリを使用する場合は、ECCメモリ対応のCPU及びチップセットにする必要があります。

4. ストレージ (HDD・SSD)

OSやアプリケーションの読み込み、データの保存に使用されます。アクセス速度と容量、耐久性が重要視され、SSDとHDDを併用することも多いです。

5. マザーボード

マザーボードは、各パーツを接続しデータ通信を管理する重要な基盤です、拡張性が高く、長期的なパーツ増設やアップグレード可能なものを使用します。

6. 冷却システム

ワークステーションは高発熱パーツで構成されています。高負荷状態でも長時間安定した動作を維持できるよう、専用の冷却ファンや水冷システムが搭載されているモデルもあり、冷却性能が高く静音性にも優れた設計が採用されています。

7. その他

互換性や安定性に優れたOS、安定した電源供給のできる電源ユニット、最適化されたエアフロー性能と防塵機能を持つケースなどから構成されます。

ワークステーションの選び方

ワークステーションはパソコンより高価になるため、選ぶ際には使用用途に適した仕様のワークステーションを選択する必要があります。以下に、選択時の主な観点を記載します。

1. 使用目的に適したCPU・GPU

ワークステーションを選ぶ際は使用目的に適したCPUやGPUを選択することが重要です。例えば、3Dモデリングやシミュレーション、科学技術計算、AI開発などでは、複数のコアを持つCPUを選択し、演算処理能力を上げる必要があります。

対して、動画編集などのグラフィック性能が重要な場合や、科学技術計算やAI開発など並列処理により演算性能を上げたい用途では、高性能のGPUを選択することが重要です。

2. メモリ

作業内容によりメモリ容量を決めます。一般的な業務向けには32GB〜64GBが多く、ビッグデータ解析やAI開発には128GB以上必要な場合もあります。ECCメモリを搭載し、メモリエラーに起因するトラブルを未然に防ぐことが推奨されます。

3. ストレージ

高速な作業が必要な場合、SSDを選ぶのが基本です。大容量のデータが発生する業務では、SSDとHDDを併用し、SSDにOSとアプリケーション、HDDにデータを保存する方法が効果的です。

4. 拡張性

長期間使用する場合、将来的なパーツの追加や交換が必要になることがあります。タワー型のワークステーションは拡張性が高く、メモリ、ストレージ、GPUの増設が容易です。

5. 耐久性や信頼性

求められる業務に適した設計がなされ、長時間稼働の耐久性や信頼性の高いパーツで構成することが重要です。行う業務に特化した、プロ用アプリケーションの動作確認・認証がなされているものもあります。

6. サポート体制

業務での使用では、迅速なトラブル対応ができるサポート体制を確認しておくと安心です。

FRP加工

監修:ユタカ産業株式会社

FRP加工とは

FRP加工とは、繊維強化プラスチック (FRP:Fiber Reinforced Plastics) 製の部品を成形したり、接合や切断、切削などの加工を施したりする工程です。

FRP加工は、材料の成形や強化繊維の配置、樹脂の含浸、硬化などの一連の工程を経て、製品に求められる形状と性能を実現する技術です。また、FRPは樹脂と強化繊維の組み合わせにより特性が大きく変わるため、加工方法も製品や用途によってさまざまな種類が存在します。FRP加工は、軽量化と耐久性が必要な分野において不可欠な技術です。

FRP加工の使用用途

1. 自動車・航空機分野

自動車の外装や内装、航空機の部品など、軽量で高強度な構造部材として使用されます。特にカーボンファイバーを使用したCFRP加工は、軽量化が求められるスポーツカーや航空機の機体で多く採用されており、燃費向上や運動性能の向上に貢献する技術です。

2. 建築・土木分野

建築物の外装や内装材、トンネルや橋の補強材も、耐候性と耐久性に優れたFRP加工品の用途です。FRPは腐食しにくく軽量なため、設置が簡単で、特に錆びやすい環境での長期的なメンテナンスを削減できます。

3. 船舶・マリン分野

FRPは水に強いため、船体やデッキなどの船舶部材も主な使用用途です。軽量で耐腐食性が高いFRP加工品は、船体の強度を維持しながら燃費効率を高めることができるため、漁船からレジャーボートまで幅広い船舶で採用されています。

4. スポーツ用品分野

ゴルフクラブやテニスラケット、サーフボード、自転車のフレームなど、強度と軽量化が重要なスポーツ用品にもFRP加工が利用されています。耐衝撃性に優れたFRPは、使用者にとってのパフォーマンス向上にもつながる重要な素材です。

5. 日用品・産業製品

家庭用の浴槽やキッチンカウンター、タンクや配管といった産業用の設備にもFRPが採用されています。耐水性と耐久性が必要な場面や、複雑な形状が求められる場面は、FRP加工の特性が活かされる領域です。

FRP加工の種類

FRP加工は、現在は成形を含む工程として認識されています。ここではFRPの成形方法と、成形以外の加工について、主なものを説明します。

1.成形方法

ハンドレイアップ法

最も基本的なFRP加工方法の一つで、型に繊維シートを敷き、その上から樹脂を塗布して積層し、硬化させる手法です。人の手でレイアップ (積み重ね) を行うため、複雑な形状にも対応できますが、製造に手間がかかるため大量生産には不向きです。カスタムメイドの製品や、特注の部品製造に適しています。

スプレーアップ法

スプレーアップ法は、樹脂と短くカットしたガラス繊維をスプレーガンで吹き付けて成形する方法です。複雑な形状にも均一に吹き付けられるため広範囲にわたる加工が可能です。ただし、積層厚みの制御が難しいため、ハンドレイアップ法に比べて製品の強度が劣ります。

RTM法 (樹脂注入法)

RTM (Resin Transfer Molding) 法は、密閉された型の中に繊維をセットし、樹脂を注入して硬化させる方法です。樹脂の含浸が均一であるため、強度の高い製品が作成できます。また、大量生産も可能なため、自動車部品などで多く使用されます。

 オートクレーブ成形

高温高圧のオートクレーブ (加圧蒸気炉) を使って成形・硬化する方法で、圧力と熱を加えることで高密度のFRP製品を作成できます。特に航空機部品やレーシングカーの部品は軽量かつ高強度が必要であり、オートクレーブ加工が適した領域です。

2.その他の加工

ライニング・接合

ライニングとは、基材の表面を比較的厚い層で覆う表面処理を言います。類似するものにコーティングがありますが、一般的にライニングはコーティングよりも層が厚いものとされています。

FRP製品は劣化によってヒビ、穴あきなどが生じます。FRPのライニング加工は、劣化した部分にFRPの層を形成し、強化する技術です。ライニングを応用することで、FRPの配管同士を接合し、エルボやチーズと呼ばれる3本の管を接合することもできます。

切削

FRPの規格の板・丸棒・パイプ・アングル・チャンネルなどの材料を切削加工して機械部品などを製造する方法もあります。
寸法精度が求められるものなどに適しています。

FRP加工の選び方

1. 製品の使用環境

使用する環境に応じて、適切な材料と加工方法を選ぶ必要があります。たとえば、屋外で使用する製品には耐候性や耐紫外線性が求められるため、適切な表面処理やコーティングが施されたFRPが適しています。また、高温にさらされる製品には、耐熱性を強化する加工が必要です。

2. 強度と耐久性の要求

製品が求める強度や耐久性に応じて、最適な繊維材料と成形方法を選ぶことが大切です。

自動車や航空機の部品には軽量化と高強度が必要なため、カーボン繊維とRTM法やオートクレーブ成形が適しています。一方、耐衝撃性が重要なスポーツ用品にはガラス繊維を使ったハンドレイアップ法やプル形成法が適しています。

3. コストと生産量

製造コストや生産量も加工方法の選択に影響します。ハンドレイアップ法やスプレーアップ法は少量生産向き、RTM法やプル形成法は大量生産向きです。コストを抑えながらも強度を確保したい場合、材料費と加工コストのバランスを考慮した選択が重要です。

4. デザインの自由度と制約

FRP製品ではデザインが製品の強度に大きく影響します。強度の低い樹脂を基材に繊維で強化しているため、繊維の方向で強度や剛性が大きく変化します。適切な繊維の配向の決定は、FRP製品の設計において重要な要素です。

 

本記事はFRP加工を提供するユタカ産業株式会社様に監修を頂きました。

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