食品トレー

食品トレーとは

食品トレー

食品トレーとは、魚や肉などの生鮮食料品を乗せた、薄くて柔らかい化学製品のトレーです。

主に発泡スチロールなどの成型加工がしやすい樹脂製で、食品を取り扱うことから衛生面、安全面、食品の鮮度保全での高い要求を満たしています。また、油に強く、-40℃から+110℃までの広い温度に耐えられるもの、電子レンジで加熱しても変形しないなど、優れた特性を持った製品があります。

従来は使い捨てでしたが、消費者の環境意識の高まりとともに、回収を求める声が大きくなりました。これを受けてスーパーなどの業界団体は1990年から店頭に回収ボックスなどを設置して、使い終わった食品トレーを回収してリサイクルに廻す取り組みを始めました。また、今日では家庭ごみの分別回収が進み、多くの食品トレーが回収されています。

食品トレーの使用用途

食品トレーは、スーパーやコンビニを始め食料品を販売する殆ど全てのお店で使用されています。肉や魚を始めとした生鮮食料品、お寿司やお惣菜などの調理済み食品など多くの食品の販売に使用されています。

食品トレーは衛生面と保存性に優れており、食品売り場での商品の陳列に使われる他、消費者にその商品が購入された後は、そのまま自宅の冷蔵庫内での保管にも使用されるなど、現在の食生活の必需品になっています。

食品トレーの原理

食品トレーは原油を精製して得られるナフサを出発点として作り出されます。ナフサを原料としたスチレンモノマーを重合させてできるプラスチック樹脂の一種が、ポリスチレン樹脂です。ポリスチレン樹脂を発泡剤と共に加熱して押出成形すると、発泡スチレンシート (英: Polystyrene Paper, PSP) ができます。

発泡スチレンシートは発泡スチロールの一つの形です。発泡過程で発泡スチレンシートはポリスチレン樹脂の約10倍に膨らみます。中は気泡構造で、発泡していないポリスチレン樹脂と比較して同じ体積で重さが10分の1になります。そして、発泡スチレンシートは熱を加えることで容易に加工できる特性を持っています。

この発泡スチレンシートを真空成型して食品トレーを製造します。従って、食品トレーは発泡スチレンシートの素材としての良さをそのまま引き継いでいます。

食品トレーの種類

食品トレーには様々な大きさや形があり、表面を着色したトレーもあります。また、発泡スチレンシート以外の材料を使用したものもあります。近年ではプラスチックごみによる海洋汚染が問題視され、日本ではスーパーのレジ袋が有料化されました。

トレーメーカーはプラスチックではなく、植物由来の食品トレーの開発も進めています。原料となる植物にはトウモロコシやキャッサバなどがあります。2000年ころから日本でも栽培され始めたケナフを使ったトレーは、通販で購入することができます。

食品トレーのその他情報

1. 食品トレーの特徴

発泡スチレンシートから製造された食品トレーはいくつもの優れた性質を持っています。具体的には、軽い、強い、断熱性に優れている、耐水性がある、衝撃を吸収できる、衛生的である、食品の鮮度を保てるなどです。

肉や魚などの生鮮食料品の販売は、発泡スチレンシートから製造された食品トレーが登場する以前は、商品が見える冷蔵のショーケースを間に挟んで、客と店員が向き合う対面販売が主流でした。発泡スチレンシートから製造された食品トレーが普及したことにより、肉や魚を食品トレーに乗せて、冷蔵棚に陳列する現在のスーパーマーケットのスタイルが出来上がりました。

2. リサイクルの変遷

環境保護と資源保護の観点から、石油から作られるプラスチック製品の使い捨てが問題視されるようになったため、1990年からは業界全体で食品トレーをリサイクルして再利用する取り組みが進められてきました。その結果、回収した食品トレーをリサイクル資源として使用し、新しい食品トレーを製造する仕組みが完成しています。

スーパーマーケットなどに設置してあるトレー回収ボックスから回収した食品トレーはメーカーのリサイクル工場に集められます。そこで、白いトレーと、カラートレー、リサイクルできないトレーに選別されます。

白いトレーはポリエチレン樹脂のペレットに再加工され、発泡スチレンシートの製造工程に投入されます。リサイクル原料を利用する分だけ石油原料の使用を減らすことができ、原油からポリスチレン樹脂を製造するまでの工程を省略できます。そのため、石油からポリエチレン樹脂を製造する場合と比較して、生産工程で二酸化炭素の排出量を約30%削減できると言われています。

また、回収されたトレーの中で、食品トレーの原料として使われなかったものは、雑貨用品など他のリサイクル原料に廻されます。

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Portable pH meter

What Is a Portable pH Meter?

Portable pH meters

A portable pH meter is a pH meter that is specially designed to be carried. Basically, the measurement mechanism is no different from that of a stationary pH meter in a laboratory. The pH is measured using a glass electrode. The main body of the pH meter can be held in one hand, and unlike stationary pH meters, there is no stand to hold the electrode in place.

Uses of Portable PH Meters

The portable pH meters are designed to withstand field measurements, such as water quality measurements in the field, but can also be used in the laboratory, of course. They are robust and designed to withstand a wide range of usage conditions. It is waterproof, dustproof, and resistant to drop impact. They are often sold with a carrying case for easy transport. Ergonomically designed and small enough to fit in one hand, they can be used on production lines and in other practical settings.

Principle of Portable PH Meters

A pH is an indicator of hydrogen ion concentration. The glass electrode used to measure pH is made of a glass film that reacts to hydrogen ions. When this electrode is placed in a sample, an electromotive force corresponding to the hydrogen ion concentration is generated on the surface of the glass membrane. Theoretically, it is not possible to extract this electromotive force alone. Therefore, a voltmeter is placed between the reference electrode (comparison electrode) and the glass electrode, and this potential difference is displayed on the voltmeter. Before measuring a sample, the pH can be determined by measuring a liquid of known pH concentration (pH standard solution) and creating a calibration curve with the electromotive force. However, the relationship between pH and potential difference changes slightly with temperature. A temperature element is built into the electrode to compensate for changes in the electrode. Although a thermostatic bath can be used to equalize the temperature of the pH standard or sample, temperature compensation is an important feature for portable pH meters that are intended for field use. Temperature compensation is an important function for portable pH meters that are intended for use in the field.

紙容器

紙容器とは

紙容器は、紙を主材料とした容器で、内面にプラスチックフィルムを貼る、アルミニウム箔を貼る、ワックスを塗る等の表面処理を施して、液体が漏れないように加工処理された容器です。

日本では1980年代に、ガラス瓶で供給されていた学校給食の牛乳を、テトラ社が開発した四面体の紙製容器「テトラパック」に入った牛乳に置き換えることで普及が進みました。

当時の紙容器は、ガラス瓶と比較して軽くて割れず、使用前は小さく折りたたんで保管でき、使用後は捨てられることが利点とされました。紙容器は改良が続けられ、長期保存が可能な容器も実用化され、酒類への適用など用途が広がりました。

その後、環境意識の高まりとともに紙容器にもリサイクルが求められるようになり、平成12年 (2000年) に制定された容器包装リサイクル法により、紙容器の回収とリサイクルを進めてゆくことになりました。

紙容器の使用用途

紙容器は1980年代に「三角牛乳」と呼ばれた牛乳容器として登場しました。割れずに使い捨ての紙容器は学校給食の牛乳の容器として使用が拡大しました。しかし、当時の紙容器は長期保存に適さないことや、遮光性や保香性に弱いところがあり、用途が限られていました。

その後の改良で容器の内部に複数の素材を組み合わせてバリア層を作ることで、保存性、遮光性、保香性など容器に求められる性能を高めて行き、使用範囲を拡大してきました。

紙容器は、飲料用としては牛乳や清涼飲料水、清酒、ワイン、焼酎などのアルコール飲料、そしてジュース類などに使用されています。

飲料以外の食品用としては、しょうゆ、めんつゆ、酢、食用油、ドレッシングなどの調味料を入れる容器としても使用されています。

食品以外の紙容器の使用例としては、シャンプー、ハンドソープ、入浴剤など日用品や、カーシャンプー、クリーナー、バッテリー液、モーターオイルなどのカー用品、農薬、昆虫駆除剤などの化学薬品の容器などがあります。

最近では、大気中に放出される二酸化炭素の削減や、海洋に流れ出るプラスチックごみの問題など、環境に対する問題意識の高まりを受けて、紙容器にて販売される商品が増えています。

紙容器の原理

紙容器はパルプから作られる板紙を主原料として、複数の素材をラミネート加工して作られます。パルプは木材や植物から摂りだしたセルロース繊維の集合体であり、再生可能な原料です。板紙はラベルをカラフルに印刷することが容易なうえ、安定性と強度に優れています。

板紙の厚さは、必要以上に厚くすることはせず、容器として安定するのに必要なだけの厚みを確保しています。板紙の容器の内面となる側には、容器の中に入れた飲料などの漏れを防ぎ、品質を確保するための包材を付けます。一方、外側となる面には、板紙を損傷から守るためのフィルムを包材として使います。

包材は複数の素材によってできており、この包材をどのような構成にするかによって紙容器の特性が決まります。代表的な包材としては、アルミとポリエチレンフィルムがあります。

アルミは遮光性に優れており、光劣化しやすいもの、酸化しやすいもの、香りを逃がさない機能が必要なものなどの容器に使われます。

ポリエチレンは、容器を外部の湿気から保護する機能、アルミを容器に固着する機能が有ります。

ラベルの印刷とラミネート加工が終了した板紙は、カットされてロール状にまとめられます。このロールを容器を作る原型に切り出し、折り曲げて、必要部分を接着することで紙容器が出来上がります。

また、紙容器には、軽くて、中に液体を充填するまでは小さく折りたたんで保管が可能という優れた点があります。同じ容量の瓶と比較して、資材保管庫の収納スペースが約50分の1で済み、輸送コストも半分で済むという説もあります。

紙容器の選び方

紙容器は金属やガラスの容器と比較すると加工が簡単なので、様々な容量と形状の容器があります。容器の屋根の部分を変形させたり、取り出し口をつけるなどの加工もしやすくなっています。

その一方で、包材をどのように選んでラミネート加工するかで、どのようなものを中に入れられるか、どれくらいの期間保存できるか、常温保存か冷蔵保存かなどの仕様が変わってきます。従って、保存するものの特性と条件に合わせた容器を選ぶ必要があります。

また、最近では環境保護に対する消費者の意識が高くなっています。紙容器のアルミ層を作る際に、アルミ箔を貼るよりは、蒸着によってアルミ層を作る方が、接着剤を使用しない分だけ、環境に優しいと言えます。

ポリエチレンフィルムは石油から作られるものと、植物から作られるものがあります。植物由来のポリエチレンフィルムは、植物が成長過程に取り込む二酸化炭素を考慮すると、石油由来のものと比較して、製造の際に約10%の二酸化炭素を削減できると言われています。

このように環境にやさしい製造方法や材料を選択することも、今後は重要な選択肢になって来るでしょう。

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Polyurethane Sponge

What Is a Polyurethane Sponge?

Polyurethane sponges are made from polymer compounds containing urethane bonds, formed by reacting polyisocyanate with polyol. Known for their ability to absorb, contain, and release liquids, these sponges are molded into porous shapes. They are characterized by excellent thermal insulation and ease of molding, available in soft and hard types.

Uses of Polyurethane Sponge

Soft polyurethane sponges, with lower density, are used in sound-absorbing materials, cushions, clothing, and furniture. High-density variants are used for thermal insulation and buoyancy due to their superior thermal properties. Semi-rigid polyurethane sponges, with high resilience and elasticity, are suitable for furniture, mattresses, and vehicle parts. Other applications include filters and bacterial growth media.

Principle of Polyurethane Sponge

Polyurethane sponges are produced by selecting specific types and additives, including catalysts, blowing agents, foaming agents, and flame retardants. The foaming process creates small, independent bubbles, resulting in sponges with excellent air permeability and drying properties. Soft foams primarily use water as a foaming agent, while rigid foams use hydrocarbon-based agents like HFC compounds and cyclopentane.

Types of Polyurethane Sponge

1. Foamed Polyurethane Sponge

This lightweight and flexible material is made by adding a foaming agent to polyurethane resin, creating a sponge with cushioning properties and heat insulation. It’s used in cushioning, packaging, and construction.

2. High-Density Polyurethane Sponge

High-density polyurethane sponges offer enhanced strength, sound insulation, and vibration absorption. They are used in acoustic rooms, machinery vibration control, and fields requiring shock absorption and durability, like construction and automotive.

3. Structural Polyurethane Sponge

Known for its lightweight and impact resistance, a structural polyurethane sponge is used in construction for earthquake resistance and thermal insulation, in automotive parts for shock absorption, and aircraft for structural strength and vibration absorption.

4. Water-Absorbing Polyurethane Sponge

Designed for efficient water absorption, these sponges are used in kitchen and car wash applications. They are effective in removing dirt and grease, quick-drying, and reusable, making them ideal for household and cleaning products.

ペットボトル

ペットボトルとは

ペットボトル

ペットボトルとは、飲料水やお酒を入れて販売するための容器です。

プラスチックの一種であるポリエチレンテレフタレート (英: Polyethylene terephthalate, PET) を原料としてできています。薄いプラスチックでありながら、加温できる容器や、炭酸の圧力に耐え得る容器、極限まで薄くして軽くした容器などがあります。

また、リサイクル率が非常に高いく、日本では8割を超えます。高いリサイクル率を得るために、ペットボトルの製造や飲料水のボトリング工程などで様々な工夫がされています。

ペットボトルの使用用途

ペットボトルは様々な飲料水、お酒、ミネラルウォーターを販売する容器として使用されています。

また、リサイクル率の高さから、優秀なリサイクル資源とも言われています。ここではリサイクル資源としてのペットボトルの使用について記述します。

一般社団法人プラスチック循環利用協会が2022年に制作した「ペットボトル6つの謎」というビデオでは、日本のペットボトルのリサイクル率が84% (2018年PETボトルリサイクル推進協議会調べ) に達すると紹介しています。

日本ではこの高いリサイクル率を達成するために、ペットボトルの色を無色透明として、着色材料や、印刷インクなどボトル本体に不純物を混ぜない、ラベルとキャップは簡単に取り外しできるように定められています。回収したペットボトルから、様々な工程を経て不純物を取り除き、PETのフレークやペレットが作られます。

フレークやペレットは、各種シート類や、衣服やカーペットに使われる化学繊維などの原料になります。また、液体洗剤の容器に成形加工される他、一部は飲料水のペットボトルとして、再成形されるようになってきています。

ペットボトルの原理

ペットボトルは石油を原料とするポリエチレンテレフタレート (Polyethylene Terephthalate, PET) を原料として製造されます。

ポリエチレンテレフタレートを熱で溶かして金型に流し込み、冷却した後に金型を外すと、ペットボトルの原型であるプリフォームができます。プリフォームは、ペットボトルよりもかなり小さく、飲み口が付いた試験管のような形状をしています。

次に、プリフォームを約100℃まで加熱して、ボトル用の金型に差し込みます。プリフォームを内側から治具で伸ばしながら空気を送り込んで加圧し、膨らませながらボトルの形状に加工します。冷却した後に金型を開くと、ペットボトルが出来上がります。熱を加えると自由に変形するプラスチックの特性を利用した製品です。

また、一部の製造ラインでは、成形時の余熱をボトル滅菌に利用することで滅菌効果をアップしています。このラインでは、滅菌処理をする装置、飲料水を充填する装置、キャップを付ける装置を連続して配置して、ペットボトルの無菌充填ラインを構築しています。無菌充填ラインは、ミネラルウォーターなど加熱処理しないでそのままボトルに充填する飲料水のラインで使用されています。

ペットボトルの種類

ペットボトルには、温めて飲むことを想定した温め可能なもの、内部からの強い圧力を想定した炭酸飲料を入れるもの、強度を保ちながら薄さとコストを追求したミネラルウォーターを入れるもの等があります。

温め可能な耐熱ボトルは、温度差による容器の変形を防ぐために、ボトルの壁面に四角い凸凹した部分が設けられています。この部分を耐熱吸収パネルと言い、温度差による変形を受け止め、ボトル全体の変形を防いでいます。一般的に耐熱ボトルの飲み口は白くなっています。これは着色によるものではなく。耐熱性を高めるために熱処理をして結晶化させているためです。

炭酸飲料水を入れる耐圧ボトルは、プレーンな形状をしており、炭酸ガスの圧力に耐えるようにできています。また、ボトルの底の形状は、圧力によって変形しにくい形状です。

ミネラルウォータを充填するボトルは、加熱された飲料水や、炭酸を含んだ飲料水などを充填しないことを前提に、肉厚が薄くて軽いボトルになっています。ボトルの周りには強度を確保するために、複数の凹凸のあるストライプを作っています。さらに、耐熱と耐圧の両方の特性を兼ね合わせたペットボトルもあります。

液体紙容器

監修:大日本印刷株式会社

液体紙容器とは

液体紙容器とは、主に液体を充填するための紙製容器のことを指します。

日本では主に「紙パック」と表され、飲料やアルコール、調味料などに使用されています。紙とフィルム、アルミなどを組み合わせて、紙素材にバリア性と密封性を持たせています。その結果、内容物の劣化要因である酸素や水蒸気などを遮断することが可能になります。ペットボトルなどと比較した際に、プラスチック使用量が削減できるため、環境面においても高く評価されています。

液体紙容器の使用用途

液体紙容器はその名の通り、液体を容器に入れて運ぶための物であるため、さまざまな内容物に対して使用することができます。

飲料分野では清涼飲料水、清酒やワイン、焼酎などのアルコール飲料に使用されています。 調味料分野では、しょうゆ、めんつゆ、酢、食用油、ドレッシングなどに使用されています。 また、非食品分野ではシャンプー、入浴剤、モーターオイル、バッテリー液、化学薬品や農薬などに使用されています。

液体紙容器の原理

液体紙容器では、紙をベースに複数の素材を組み合わせて、バリア性と密封性を持たせています。以下では、液体紙容器に使用される素材と、その特長について記しています。

1.紙

再生可能資源で強度があり、液体紙容器ではベースの素材として用いられています。

2.アルミ箔/アルミ蒸着フィルム

酸素や水蒸気など外部の劣化要因から内容物を保護し、遮光性や官能特性(匂い抜けの防止など)を付与することを目的としています。

3.プラスチックフィルム

液漏れ防止のために用いられ、酸素や水蒸気に対するバリア性を付与することも可能です。

4.プラスチック成形品

注ぎ口などに用いられ、液体紙容器の利便性を向上させる役割があります。

液体紙容器の構造

一般的に、牛乳容器などの従来の液体紙容器は、液体接触面から、ポリエチレン>紙>ポリエチレンの順番に構成されています。それに対して、アルコール用の液体紙容器は、液体接触面からポリエチレン>PET>アルミ箔や透明蒸着フィルム>ポリエチレン>紙>ポリエチレンの順に構成されています。このような構造にすることで、高い密封性やバリア性、遮光性の付与が可能となり、内容物の品質を維持し、常温で長期間保存することができます。

液体紙容器のその他情報

液体紙容器の特長

液体紙容器を利用するメリットは、以下の点が挙げられます。

1. バリア性
液体紙容器は複数の異素材を組み合わせることで、内容物の長期保存が可能となります。バリア層には、アルミ箔やアルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルムなど適切なバリア層を設けています。アルミ箔を使用した紙容器は、酸化しやすい内容物や光劣化しやすい内容物、フレーバーバリアが必要な内容物に適しています。 アルミ蒸着フィルムを使用した紙容器は、遮光性と環境への配慮を両立したバリア層となります。透明蒸着フィルムを使用した紙容器は、アルミを使用していないため環境負荷を低減することができ、金属探知を行う状況下でも使用可能となります。

2. 省スペース化
液体紙容器はプラスチック成形ボトルやガラスびん・缶からの代替により、折りたためる紙の特長を活かすことで充填前の資材保管スペースを削減できます。また、充填後の製品においても形状特性から積載効率がよく、輸送コストや占有スペースの削減ができ、物流効率にも優れています。

3. 環境への配慮
液体紙容器はプラスチックボトル等と比較して、プラスチックの使用量を削減することができ、海洋プラスチックごみ汚染や地球温暖化などの環境問題の解決に貢献します。また、従来アルミ箔を使用しているバリア層を、透明蒸着フィルムに置き換えることや、森林認証紙、植物由来プラスチックを組み合わせることで、さらなる環境負荷の低減を実現します。

4. 広告として利用できる表示面積の大きさ
液体紙容器は、ガラスびんやプラスチックボトルなどと比較して、文字やイラストを印刷できる面積が大きいため、商品の訴求や、購買者とのコミュニケーションにおいて役立ちます。

本記事は液体紙容器を製造・販売する大日本印刷株式会社様に監修を頂きました。

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Polyimide Tape

What is Polyimide Tape?

Polyimide tape is an adhesive tape that uses polyimide film as the tape base material.

Polyimide has excellent heat resistance and insulation properties due to its high thermal decomposition temperature. Its main applications are heat-resistant masking of electronic substrates and heat-resistant insulation.

Polyimide is a general term for polymers that are polymerized by imide bonds. The first industrial application of polyimide film was commercialized by DuPont of the United States, which used aromatic polyimide.

Many polyimide tape products use a silicone adhesive, which has the advantage of leaving no adhesive residue after removal.

Applications of Polyimide Tape

Polyimide tape is mainly used under high temperatures and high voltages due to the ultra-high and ultra-low temperature resistance of the polyimide film used as the base material. It can be applied in a variety of places, from repairing railroad and aircraft parts that require heat resistance to insulating circuits.

Many of them are thin and translucent, making them suitable for repairing small parts and fine electronic circuits. Since it is removable again, it can also be used in situations where repeated fine adjustments are required. Common uses include masking electronic circuits during soldering operations and insulating and insulating printed circuit boards.

In addition, since many products have high chemical resistance, they are often used for fixing when applying strong acidic chemicals or for protection during partial etching.

Polyimide Tape Principle

The majority of polyimide tapes consist of a polyimide film coated with a silicone adhesive. Some rubber-based adhesive products and acrylic adhesive products are also available for applications where silicone residue is to be prevented.

The characteristics of polyimide tape are due to the properties of the polyimide film and the adhesive. Polyimide has a higher heat resistance temperature than the adhesive, so the heat resistance temperature of the product is generally determined by the type of adhesive.

Properties of Polyimide

Polyimide is a general term for high-molecular compounds that are polymerized by imide bonds. Polyimide tape is made of aromatic polyimide, which is an aromatic compound polymerized by imide bonds. Because of the extremely strong bonding, polyimide tape has high strength and excellent heat resistance and insulation properties. The thermal decomposition temperature is 500°C or higher.

 

医薬品包装

監修:大日本印刷株式会社

医薬品包装とは

医薬品包装とは、医薬品を包装するために使用される包装材料や容器のことです。

医薬品包装には、医薬品の品質を保つために、光や酸素、湿気などの外部要因から医薬品を保護する機能が求められます。また、医薬品の適正使用や使用者の安全確保に適した物である必要があります。医薬品包装の設計段階で確認すべき適格性には、保護、適合性、安全性、機能の要素が含まれます。

医薬品包装の重要性としては、以下の事柄が挙げられます。

  • 医薬品の品質保持
  • 輸送、保管の確実性
  • 保存および投与量に関する関連情報の表示
  • 使用時の利便性向上
  • 小児が誤って使用することの防止
  • 偽造防止

医薬品包装の原理

医薬品包装には一次包装、二次包装が存在しています。直接医薬品に接触する包装・容器のことを一次包装と呼び、一次包装を補うための単一または複数の包装であり、直接医薬品に接触しない包装のことを二次包装と呼びます。

1. 一次包装

医薬品の一次包装は、医薬品と直接接触してその化学組成を保護するために使用されます。医薬品に応じて防湿、遮光、ガスバリア性などを付加して内容医薬品を保護します。加水分解されやすいなど水分が品質に影響を与える恐れのある医薬品では、乾燥剤を使用することや、水蒸気透過性の低い包材を用いることで防湿包装とすることができます。また患者に医薬品が正しく確実に使用されるような表示も含めた配慮が必要になります。なお、一次包装においては、材料組成を保証できないようなリサイクルされた包材を使用することはできません。

2. 二次包装

二次包装の主な目的は、医薬品の品質を保持するとともに、医薬品使用時の過誤防止、利便性などの機能を付与することです。一次包装のみで内容医薬品の品質確保ができない場合は、二次包装を含めて複数の包材を組み合わせて品質を確保します。

医薬品包装の使用用途

医薬品の剤型には内服薬、注射薬、外用薬があり、医薬品包装は、目的や状況に応じて、様々な物が選択され、使用されます。

一次医薬品包装としては、以下の物があります。

  • PTP
  • ストリップ包装
  • ドリンクびん
  • プラスチックバッグ、プラスチックボトル
  • バイアル、アンプル
  • ゴム栓
  • シリンジ
  • チューブ

二次医薬品包装としては、以下の物があります。

  • ピロー包装
  • カートン
  • トレー
  • プラスチックフィルム

包装機能としては、以下の物があります。

  • ガスバリア包装
  • 遮光包装
  • チャイルドレジスタンス包装
  • 防湿包装

1. PTP包装

ブリスター包装の一種で、プラスチック成型品とアルミ箔などの押し出し性の良い材料を用いた包装で、錠剤やカプセル剤などの経口固形製剤に用いられます。

2. ストリップ包装(SP包装)

じかに医薬品を2枚の包装材料の間に挟み込み、その周囲を接着した包装で、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などに用いられます。

3. プラスチックバッグ

ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック樹脂を単独または複合の材料として用いて、一つまたは複数の開口部をもつ柔軟な容器で、通例、栓体としてゴム栓を用います。主に輸液剤のような容量の大きな容器に用いられます。

4. バイアル

透明または着色のガラス製またはプラスチック製の容器で、ゴム栓およびアルミキャップを用いて密封されます。注射剤などの薬液または凍結乾燥した医薬品に用いられます。

5. チャイルドレジスタンス包装

小児の誤飲事故防止を目的とし、誤って開封、服用がされないように設計された容器で、成人は適正に使用することが可能です。

6. 防湿包装

医薬品を湿気の影響から保護する目的で防湿機能を有する包装材料を用い、必要に応じて乾燥剤などを用いることで、内部を乾燥状態に保つことができます。

本記事は医薬品包装を製造・販売する大日本印刷株式会社様に監修を頂きました。

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Polyoxymethylene

What Is Polyoxymethylene?

Polyoxymethylene

Polyoxymethylene (POM) is a resin with acetal bonds in the main chain and is mainly a homopolymer of oxymethylene or a copolymer of oxymethylene and oxyethylene. It has advantages such as excellent rigidity, abrasion resistance, and chemical resistance, and is used for pump parts, gears, bearings, and fasteners.

On the other hand, Polyoxymethylene has disadvantages such as white color and poor transparency, poor weather resistance due to the cleavage of carbon-oxygen bonds in the main chain by UV light, and low resistance to strong acids due to hydrolysis.

Advantages and Uses of Polyoxymethylene

Polyoxymethylene (POM) is a resin with an acetal bond in the main chain, mainly consisting of oxymethylene repeating units. Polyoxymethylene is called POM for polyoxymethylene, but some POMs also contain oxyethylene.

Polyoxymethylene has advantages in rigidity, abrasion resistance, chemical resistance, low water absorption, and low coefficient of friction with metals. Because of these advantages, Polyoxymethylene is used in a wide range of industries and applications, including pump parts, water pipe joints, gears and bearings, fasteners, and laundry tubs.

Structure of Polyoxymethylene

Polyoxymethylene is obtained through anionic polymerization of formaldehyde. After polymerization, the ends have an unstable hemiacetal structure, which is stabilized by acetylation with acetic anhydride. Copolymer POM, which is polymerized by adding oxyethylene in addition to formaldehyde, is also commercially available.

Compared to copolymers, formaldehyde homopolymers have higher crystallinity and mechanical strength, but lower moldability and thermal stability. Copolymers also have better long-term mechanical properties than homopolymers, making them suitable for use in mechanical parts.

Disadvantages of Polyoxymethylene

While Polyoxymethylene is a plastic with excellent properties, it also has some disadvantages: POM is white, lacks transparency, and has low weather resistance because the carbon-oxygen bonds or acetylated ends of the main chain are cleaved by UV light. POM with improved durability has been commercialized by adding colorants such as carbon black.

POM also has no durability against strong acids because the carbon-oxygen bonds in its main chain undergo hydrolysis when it comes into contact with acids. Other disadvantages include poor adhesion due to the lack of adhesives compatible with POM.

バッグインボックス

監修:大日本印刷株式会社

バッグインボックスとは

バッグインボックスとは、プラスチック製の内装容器と、段ボールケースを主体とする外装容器から構成される組み合わせ容器で、主に大量の液体輸送、保管用途として使用されます。容量としては、3L~20Lが一般的ですが、近年は200Lや1000Lなど大型の容器も市場に定着しています。

用途としては、主にメーカーの工場や外食店舗での業務用途や製造工場間における原料の輸送や保管のために使用されています。また、一部ワインや洗剤など、5L以下容量の一般消費者向け製品も流通しています。バッグインボックスは、当初はいわゆる一斗缶「金属製の18L缶」の代替として使用され始め、20L容量が主流でしたが、オペレーション負荷低減のため近年は10L容量が主流となっています。一方で、大型化も進んでいます。容器のイニシャルコスト、洗浄コストなどの削減を目的に、200Lのドラム缶や1000Lのステンレスコンテナへ直接充填することからの代替、また、省人化の流れからも使用されています。

バッグインボックスの使用用途

バッグインボックスの使用用途、品目はさまざまです。

例えば、食品用途としては、飲料原液、液体調味料、ミネラルウォーター、アルコール飲料、食用油、乳製品などがあげられます。

その他、化学品用途としては、写真処理剤、界面活性剤、金属処理剤、床面ワックスなど、トイレタリー用途としてはシャンプー、コンディショナー、液体洗剤などがあげられます。

バックインボックス製品の多くは、材料用途として開封し一度に使い切ることが多いですが、飲料原液や、ミネラルウォーター、アルコール飲料、その他製品の一部は、専用のディスペンサーに接続しての使用や、小出しのコックを接続して使用するなど、都度必要量を使用するタイプもあります。

バッグインボックスの構造

バッグインボックスの内装容器は、「成形タイプ」と「フィルムタイプ」に大別されます。「成形タイプ」は自立性のある、薄肉のプラスチック成形容器です。「フィルムタイプ」は自立性のない、2重袋構造にフィルムをシールした容器です。「フィルムタイプ」の2重袋構造の外側のフィルムは、内容物によって、バリア性能を持つ素材を使用します。内側のフィルムはポリエチレン素材を使用します。いずれの容器も内容物の充填のために成形品の充填口や、品種によっては専用の取り出し口が取り付けられています。口部は使用時に小出し用のコックを取り付けたり、専用のディスペンサーに接続したりするためさまざまな形状が存在します。

外装容器は、20Lまでの袋については段ボールが一般的で、200Lや1000L容器についてはドラム缶や専用のコンテナが使用されることもあります。

バッグインボックスの特長

バッグインボックスは代替する一斗缶やプラスチックボトルなどに対し、以下のようなメリットがあります。

  • 資材保管スペースの削減
  • ゴミの減容化
  • サイズバリエーション
  • 内容物にあったフィルム素材の設定
  • 無菌充填が可能
  • 密封性が高く異物混入リスクが低い

本記事はバッグインボックスを製造・販売する大日本印刷株式会社様に監修を頂きました。

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