医薬品包装

監修:大日本印刷株式会社

医薬品包装とは

医薬品包装とは、医薬品を包装するために使用される包装材料や容器のことです。

医薬品包装には、医薬品の品質を保つために、光や酸素、湿気などの外部要因から医薬品を保護する機能が求められます。また、医薬品の適正使用や使用者の安全確保に適した物である必要があります。医薬品包装の設計段階で確認すべき適格性には、保護、適合性、安全性、機能の要素が含まれます。

医薬品包装の重要性としては、以下の事柄が挙げられます。

  • 医薬品の品質保持
  • 輸送、保管の確実性
  • 保存および投与量に関する関連情報の表示
  • 使用時の利便性向上
  • 小児が誤って使用することの防止
  • 偽造防止

医薬品包装の原理

医薬品包装には一次包装、二次包装が存在しています。直接医薬品に接触する包装・容器のことを一次包装と呼び、一次包装を補うための単一または複数の包装であり、直接医薬品に接触しない包装のことを二次包装と呼びます。

1. 一次包装

医薬品の一次包装は、医薬品と直接接触してその化学組成を保護するために使用されます。医薬品に応じて防湿、遮光、ガスバリア性などを付加して内容医薬品を保護します。加水分解されやすいなど水分が品質に影響を与える恐れのある医薬品では、乾燥剤を使用することや、水蒸気透過性の低い包材を用いることで防湿包装とすることができます。また患者に医薬品が正しく確実に使用されるような表示も含めた配慮が必要になります。なお、一次包装においては、材料組成を保証できないようなリサイクルされた包材を使用することはできません。

2. 二次包装

二次包装の主な目的は、医薬品の品質を保持するとともに、医薬品使用時の過誤防止、利便性などの機能を付与することです。一次包装のみで内容医薬品の品質確保ができない場合は、二次包装を含めて複数の包材を組み合わせて品質を確保します。

医薬品包装の使用用途

医薬品の剤型には内服薬、注射薬、外用薬があり、医薬品包装は、目的や状況に応じて、様々な物が選択され、使用されます。

一次医薬品包装としては、以下の物があります。

  • PTP
  • ストリップ包装
  • ドリンクびん
  • プラスチックバッグ、プラスチックボトル
  • バイアル、アンプル
  • ゴム栓
  • シリンジ
  • チューブ

二次医薬品包装としては、以下の物があります。

  • ピロー包装
  • カートン
  • トレー
  • プラスチックフィルム

包装機能としては、以下の物があります。

  • ガスバリア包装
  • 遮光包装
  • チャイルドレジスタンス包装
  • 防湿包装

1. PTP包装

ブリスター包装の一種で、プラスチック成型品とアルミ箔などの押し出し性の良い材料を用いた包装で、錠剤やカプセル剤などの経口固形製剤に用いられます。

2. ストリップ包装(SP包装)

じかに医薬品を2枚の包装材料の間に挟み込み、その周囲を接着した包装で、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などに用いられます。

3. プラスチックバッグ

ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック樹脂を単独または複合の材料として用いて、一つまたは複数の開口部をもつ柔軟な容器で、通例、栓体としてゴム栓を用います。主に輸液剤のような容量の大きな容器に用いられます。

4. バイアル

透明または着色のガラス製またはプラスチック製の容器で、ゴム栓およびアルミキャップを用いて密封されます。注射剤などの薬液または凍結乾燥した医薬品に用いられます。

5. チャイルドレジスタンス包装

小児の誤飲事故防止を目的とし、誤って開封、服用がされないように設計された容器で、成人は適正に使用することが可能です。

6. 防湿包装

医薬品を湿気の影響から保護する目的で防湿機能を有する包装材料を用い、必要に応じて乾燥剤などを用いることで、内部を乾燥状態に保つことができます。

本記事は医薬品包装を製造・販売する大日本印刷株式会社様に監修を頂きました。

大日本印刷株式会社の会社概要はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です